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独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説

2024 / 06 / 14

#家庭 家族,#生活 文化,#消費者行動

独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説

結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。


独身の人の割合はどれくらい?

総務省統計局が行った令和2年国勢調査によると、男性では30代前半、女性では20後半から有配偶の方の割合が増え、同年代における独身率が下がる傾向があります。

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出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 人口等基本集計結果」
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline_01.pdf

また、女性よりも男性のほうが、総じて未婚率が高いのも特徴です。

国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2023)改訂版」によると、生涯未婚率は上昇しており、2020年には男性が約28%、女性が約18%と過去最高になりました。

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出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2023)改訂版」
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2023.asp?fname=T06-23.htm

生涯未婚率とは、45歳~54歳までの人の未婚率を平均して50歳のときの未婚率を算出したものです。50歳のときに未婚の人は将来的にも未婚であると推定し、生涯未婚率の数値として用いられています。
同社の研究者の間では、このままの状態で未婚率が推移すると、2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が生涯未婚者になると予測されています。

さらに、15歳以上の未婚率は、2050年には男性36.5%、女性27.1%へと上昇するともいわれています。

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出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和6(2024)年推計)」
https://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2024/hprj2024_gaiyo_20240412.pdf

そのほか、結婚と出産に関する調査では、「いずれ結婚するつもり」と考えている結婚に意欲がある人の割合は、性別や年齢、生活スタイルを問わず下がっています。
前回(2015年)調査では男性が85.7%、女性が89.3%だったのに対し、今回の調査では男性が81.4%、女性が84.3%という結果が出ています。加えて、「一生結婚するつもりはない」と考える方は、今回の調査では男性が17.3%、女性が14.6%と2000年に入ってから増加傾向です。

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出典:国立社会保障・人口問題研究所「現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-」
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_reportALL.pdf

独身の人が増えている要因

2020年時点で独身の人の割合は男性で約35%、女性で約25%となっており、今後も未婚率が上昇していくことが予想されます。

では、独身の人はなぜ増えているのでしょうか。考えられる要因を3つ紹介します。

価値観やライフスタイルが変化している

以前は結婚することが当たり前の幸せとして考えられていましたが、現在ではその価値観が変容し、必ずしも結婚する必要はないと考える人が増加しています。結婚生活よりも、個人の生活や価値観を大切にする考え方を支持する人が増えたのです。

昔は、女性は結婚して家庭に入り、夫に養ってもらうことが多かったのですが、女性の社会進出により、男女間の経済的格差が小さくなったことも要因としてあげられます。

「男女雇用機会均等法」の制定によって女性の働き方は変化し、男性並みに働いて生活費を稼ぐ女性も増加しています。そのため、女性の価値観も家庭より仕事を重視する傾向へと変わり、結婚するよりも仕事に時間を費やしたいと考える女性が増えていると考えられます。

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将来を見据えた異性との出会いがない

先述した「第16回出生動向基本調査」において、25歳以上の人が独身でいる理由として最も多くあげているのが「適当な相手がいない」というものです。

25~34歳の男性の43.3%と女性の48.1%が上記を理由としてあげています。裏を返せば、半数以上は「理想的な相手が見つかれば[一年以内に]結婚しても良い」と考えているともいえます。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-」
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_reportALL.pdf

結婚が当たり前だった時代は、親や親族が見合い話をもってきたり、会社で上司が部下に縁談を持ちかけたりすることは当たり前でした。しかし、時代を経て結婚に対する価値観が変わったため、お見合いによる結婚も減り、周囲が強く結婚を勧める風潮もなくなっているのです。

経済的な余裕が無い

経済的な余裕がないことを理由にあげる人もたくさんいます。ひとりで暮らすだけでも精一杯なのに、結婚すると新居や挙式、子どもの養育費などさまざまな費用が増えます。

「第16回出生動向基本調査」でも、結婚願望のある独身者のうち6~7割の人は結婚に対してハードルがあると感じており、その多くが「結婚資金がハードルになっている」と回答しています。男性の47.5%と女性の43.0%が経済的な余裕がないために結婚に踏み出せないと感じているのです。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-」
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_reportALL.pdf

独身でいることのメリット

独身でいるとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは独身でいることのメリットを3つ紹介します。

自分のためにお金と時間を自由に使える

独身のメリットとして、お金と時間を自由に使えることがあげられます。

1987年の調査(「現代日本の結婚と出産-第9回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-」)の時点で、すでに利点としてあげる人が一番多かった「行動や生き方が自由」という回答が、今回の調査でも男性70.6%、女性78.7%と依然としてトップのままです。

ちなみに「金銭的に裕福」という回答は、男性24.9%、女性16.2%でした。独身の間は、時間もお金もすべて自分のものなので、趣味や仕事など自分の好きなことに没頭できることをメリットと感じている人が多いのです。

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家族を養う責任が発生しない

家族を養わなければならないというプレッシャーや責任が発生しないこともメリットとしてあげられます。

「第16回出生動向基本調査」によると、男性27.7%、女性24.1%と、男女ともにメリットであるという回答が前回調査(2015年)よりも増えています。独身なら自分の生活にだけ責任をもっていれば、そのほかに大きな責任を負う必要がないため気楽だと考えられているのです。

これまでの人間関係を保てる

結婚すると、今までの交友関係を続けにくくなる可能性もありますし、相手方の家族との関係も無視できません。独身のままなら、これまでの人間関係を保つことができるため、それがメリットだと捉えられているのです。

「第16回出生動向基本調査」においては、男性14.6%、女性20.6%と、年を追って減少傾向にあるものの、男性では4位、女性では3位のメリットとなっています。

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出典:国立社会保障・人口問題研究所「現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-」
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_reportALL.pdf

独身でいることのデメリット

独身でいることにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットとなる可能性もあります。ここでは、独身でいることで発生するかもしれないデメリットを3つ紹介します。

孤独や不安を感じる

自分が元気で自由に趣味や仕事に打ち込めるときは良いのですが、単身で暮らしていて病気になったり怪我をしたりすると、すべてひとりで対応しなければならないことに不安を感じます。病気をすると気が弱くなることもあるため、寂しさを感じてしまうのは独身のデメリットです。

高齢者の独居率が上がり、孤独死などがメディアなどで話題になることも多く、老後を考えると独身であることに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

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家族に心配されることがある

未婚のままで過ごしていると、親族や家族から「結婚はまだなの?」と心配される場合があります。親世代は結婚するのが当たり前という社会の中で過ごしてきた人も多く、いつまでも結婚する素振りのない子どものことが心配になってしまうのです。

親族や家族から心配されて結婚を急かされるのはデメリットといえます。帰省するたびに結婚の話を持ち出されてうんざりしている方も多いのではないでしょうか。上の世代から「結婚しないと一人前になれない」などと言われることもあり、同世代の既婚の友人などと比べて後ろめたさを感じてしまう人もいるかもしれません。

独身の増加は消費市場にも影響している

独身者の増加にともない、消費市場も変化しています。お出かけやレジャーは、これまでは家族や友人と出かけるものという認識が強かったのですが、最近ではひとりで出かける人も増え、「ソロ活」という言葉も生まれました。

「おひとりさま消費に関する調査(2022年)お出かけ・レジャー編」によると、この1年間にひとりでお出かけやレジャー先に遊びに行ったことがある人は42%でした。

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出典:株式会社クロス・マーケティング「おひとりさま消費に関する調査(2022年)お出かけ・レジャー編

男性はネットカフェや競技場、女性はデパートやネットカフェが人気のソロ活先としてあげられています。ひとりで出かけるメリットとしては、自由に見て回れることや、自分のペースで過ごせることが理由としてあがっていました。

また、ひとりで外食する人も増えています。「おひとりさま消費に関する調査(2022年)外食編」によると、男性の58%、女性の40%がこの1年の間にひとりで外食をしたことがあると回答しています。

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出典:株式会社クロス・マーケティング「おひとりさま消費に関する調査(2022年)外食編

“一人外食先”のジャンルとしては、男性には牛丼やそば、女性にはカフェやイートインのパンが人気です。自由でいられることや、ゆっくり味わうことができることなどが一人外食のメリットとしてあげられています。

まとめ

未婚率が高まり、独身の人が増えている現状の中で、消費市場も大きく変化しています。ソロ活という言葉も生まれ、おひとり様向けのお店やプラン、サービスなどのニーズも高まってきました。
今後も生涯未婚率は高まることが予測されており、若者の結婚に対する価値観なども時代とともに変容していくのではないでしょうか。

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