Data Marketing データマーケティングコラム
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セルフサービス型BIとエンタープライズ型BIの違い
2021 / 11 / 12
これまでのBIでは、複数のデータ分析ツールを統合した「エンタープライズ型BI」が使われてきました。しかしながら、エンタープライズ型BIの運用は社内IT部門が担当することが多く、特にデータの抽出や加工をする場合には、社内IT部門へ依頼をする必要がありました。そのため、必要なデータを揃えるためには時間がかかっていたのです。このような状況を打破すべく生まれたのが「セルフサービス型BI」です。今回は、セルフサービス型BIとエンタープライズ型BIの違いについてお伝えしていきます。
セルフサービス型BIとエンタープライズ型BIについておさらい
まずはセルフサービス型BIとエンタープライズ型BIの概要についてみていきましょう。セルフサービス型BI
セルフサービス型BIは、ユーザー自身で分析やレポート作成ができるBIツールで、後述するエンタープライズ型BIのセルフ版ともいうべきものです。GUIでの設定など視覚的な操作が可能で、データの連携やグラフのメンテナンス作業も各ユーザーで実施できます。意思決定のスピード向上や現場ニーズに合った運用が期待されますが、反面、データやシステムの運用・管理は自分で実施する必要があります。エンタープライズ型BI
エンタープライズ型BIは、OLAPツール、データマイニングツール、レポーティングツールなどを1つに統合したツールです。データをリアルタイムに把握・分析し、経営戦略の立案を支援します。データの連携やグラフのメンテナンスなど、データの可視化のための作業は社内IT部門などへの依頼が必要なため、時間がかかります。セルフサービス型BIとエンタープライズ型BIの違い
一言でいえば、セルフサービス型BIとエンタープライズ型BIの違いは「ユーザー自身で操作ができるかどうか」です。セルフサービス型BIは、1つのツールの中でユーザー主導によってデータの可視化を完結させます。スピードや柔軟性を重視し、まずはプロトタイプを作成してユーザーレビューを重ねながらデータ可視化の内容を洗練していきます。こうしたスピード重視の対応は、エンタープライズ型BIの苦手とする分野です。セルフサービス型BIを選ぶべき事例
特に下記のような場合は、エンタープライズ型BIよりもセルフサービス型BIを利用した方が効果を発揮します。・どの商品を特別販売すべきか、オンライン広告をどう展開すべきかの判断材料
・新商品を作るにあたり、市場の動向を探って人気のなさそうな試作品をいち早く排除する
・プロジェクトの進捗データを統合して、コストの上昇や遅延の兆候といったリスクを検出
・ダッシュボードで、出社直後に昨日までの売り上げやKPIの実績を確認
・自分が取り込みたいデータをダウンロードして経営計画や新サービス立案
主にデータに基づいて未来の内容を分析する際に、セルフサービス型BIは効果的でしょう。
セルフサービス型BIを利用する際に注意すべき内容
しかしながら、セルフサービス型BIはメリットばかりではありません。ここではセルフサービス型BIを利用する際に注意すべき内容について解説していきます。ユーザーの要件を明確にする
セルフサービス型BIはユーザー自身が利用の主体になるため、要件を入念に洗い出し、要望に合ったBIツールを選定することが重要です。例えば、元々の業務がExcelメインだったりするとユーザーは不便を感じざるを得ません。ユーザーの課題を解決できるようなセルフサービス型BIでなければ、なかなか社内に浸透しないでしょう。データのセキュリティを担保する
誰もがセルフサービス型BIで全てのデータにアクセスできるという状況は、好ましくありません。セキュリティを担保しつつ、データをセキュアに公開する方法を検討することが大事です。データを分析するスキルの習得が必須
セルフサービス型BIを効果的に活用するには「データサイエンティスト」や「アナリスト」、「データアーティスト」と呼ばれるデータ分析スキルを持つ人材が必要です。組織的な人材の育成・教育が必要になります。データの運用管理を実施するスキルを身に着ける
データの整備やシステムの運用・管理はエンタープライズ型BIと同様に必須です。DWHなどで必要なデータを入手できるように、既存システムの変更が必要な場合もあります。またエンドユーザーや部門がデータを独自に入手・加工していくので、個別最適のデータが増大する傾向にあるのも特徴です。データの整理に関して一定のポリシーを設けておき、全社で同様にデータを整理できるようにしておきましょう。セルフサービス型BIとエンタープライズ型BIの違いを理解して適切な活用を
セルフサービス型BIはユーザー自身で対応できるBIツールで、エンタープライズ型BIのセルフ版です。セルフサービス型BIは自分でデータを操作できるため、素早いデータの抽出や加工が可能ですが、分析のノウハウやデータの運用管理スキルも必要になってきます。クロス・マーケティングでは、BIツールの導入から活用まで経験豊富なデータマーケターが幅広いサポートを提供する『BI Cross』というサービスがあります。「どのようなツールを選べばよいかわからない」「セルフサービス型BIツールを導入したが、使いこなせていない」「BIツールにアンケートデータを搭載したいが難しい」などのお悩みがございましたら、クロス・マーケティングへお気軽にご相談ください。
■BIツールに関するサービスはこちら
https://www.cross-m.co.jp/data_marketing/bi_cross/
■参考サイト:
https://it-trend.jp/bi/article/selfservice_bi
https://www.granvalley.co.jp/blog/traditional-vs-self-service-bi-whats-difference
https://it-trend.jp/bi/article/new-perspective
https://it-trend.jp/bi/article/selfservice_bi
https://www.hitachi-solutions.co.jp/digitalmarketing/sp/column/bi_vol03/ https://www.qlikspace.net/従来型biと「セルフサービスbi」のアプローチの違/
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/subtop/features/omp/selfbi.html
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1508/24/news018_2.html
https://bi.lakeel.com/course/detail04/
https://enterprisezine.jp/article/detail/9885
https://thinkit.co.jp/article/18171