デジタルマーケティングコラム

AIの活用方法とは|AIにできることや業界別の事例を9つ解説

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近年、AIが急速に進化しており、多くの業界で導入されています。「自社の業務にもAIを活用できないか」と考えている方も多いでしょう。そこで今回は、AIがこなせる作業や業界別の活用事例を紹介します。

そもそもAIとは

AI(人工知能)とは、人間の知的な作業を模倣・再現する技術やシステムのことです。人間の脳は、視覚や聴覚などの五感から得た膨大な量の情報を処理して分析し、その後の行動を決定しています。

AIはそんな脳の働きを模倣し、膨大な量のデータを分析してパターンを解析して判断・予測を行います。

AIには機械学習の技術が用いられており、注目を集める生成AIには従来の機械学習に加えて深層学習(ディープラーニング)という技術が使われています。ただし、現時点では人間の脳ほどのレベルで考えられるAIは出現しておらず、特定の情報について判断するに留まっているものがほとんどです。

AIと生成AIとの違い

近年、生成AIが注目されていますが、従来のAIと生成AIには下記のような違いがあります。

・従来のAI:学習したデータを処理して予測・判断を行う
・生成AI:学習したデータを用いてテキスト・画像・音楽などの新しいコンテンツを作成する

従来のAIはあくまでもデータの処理・分析を行うものであり、新たなデータは生み出せません。一方、生成AIは新たなデータを作り出すことが可能です。生成AIの代表的なものとしては、テキスト生成、画像生成、動画生成、音楽生成などがあげられます。

AIにおけるシンギュラリティとは

AIについて調べているときに、「シンギュラリティ」という言葉を目にしたことがある方もいるでしょう。シンギュラリティとは、AIが進化して人間の知能を超える転換点のことです。

2024年時点ではシンギュラリティを迎えていませんが、シンギュラリティが到来すると、人間が予測できないほどの技術的な変革が起こるとされています。その変革は人間の生活を大きく変えると考えられており、ポジティブとネガティブの両面から議論が進められています。

何が起こるのかがわからず、AIについてのネガティブな情報が発信されることも多いため、AIに対してマイナスイメージをもつ方も一定数存在するようです。消費者庁が行った調査(2020年2月)でも、AIに対して「不安である」「何となくこわい」と回答した方が5割近くに上りました。

・「不安である」:あてはまる(14.5%)・ややあてはまる(40.9%)
・「何となくこわい」:あてはまる(14.3%)・ややあてはまる(37.5%)


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出典:消費者庁「第1回消費者意識調査結果(AIに対するイメージについて)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/consumer_policy_cms101_20316_03.pdf

AIによってどのような変化がもたらされると予測されているのか、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

人工知能(AI)で未来はどう変わる?人工知能の現状と予測される変化

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AIにできること

ここでは、AIができることを具体的に紹介します。

自然言語処理

AIができることのひとつに「自然言語処理(NLP)」があります。自然言語処理とは、人間が書いたり話したりする言葉を解析して、コンピューターが理解できるよう変換する技術のことです。電話の自然応答や文章の翻訳・要約などに活用されています。

画像認識

AIがもつ技術の中でも特に進化しているのが画像認識です。画像・映像データを分析し、映っている人物や物体、文字などを識別します。自動運転車の障害物検知や防犯カメラの顔認識など、幅広い分野で利用されています。

音声認識

音声認識も、さまざまな場面で活用されている技術です。AIが音声を認識してテキストデータに変換したり、データの内容に応じた動作を実行したりします。スマートフォンの音声アシスタントや通話内容の自動記録、自動車のナビゲーション、家電の操作などに利用されています。

予想分析

予想分析とは、AIが学習した大量の過去データを分析し、今後の動向を予測する技術のことです。売上予測・需要予測・経済動向の予測・天候予測など、主にビジネスや経済の分野で活用されています。

最適化

AIの最適化とは、限りあるリソースを余すことなく活用し、生産効率向上を目指すための技術です。過去データからパターンを導き出し、最良の解決策や計画を考えます。例えば、物流業界では配達ルート、製造業界では生産スケジュールといった具合に、各業界の最適化に活用されています。

異常検知

異常検知とは、AIに通常時の状態を学習され、通常時と異なるパターンや異常な動きを発見する技術です。システムへの不正アクセス検出や製品の品質管理、機械のメンテナンスなどに利用されています。

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【業界別】AIの活用事例9選

さまざまな能力をもつAIですが、自社の業務にどう活かせるのかがわからない方もいるでしょう。そこで、AIの主な活用方法を産業別に紹介します。

製造業

製造業はAIの活用が進んでいる業界です。生産ラインでの異常検知や不良品の検出、工場内の自動走行ロボットなどさまざまな場面でAIが利用されています。また、製品の需要予測や設備の故障時期の予測にもAIが用いられることがあります。

医療・福祉

医療・福祉業界では、非接触の検温やがんの早期発見、発病リスクが高い患者の特定などにAIが活用されています。また、チャットボットによる問い合わせの自動化や人員の配置など、運営の方面でAIが導入されているケースもあります。

教育

教育の現場でも、AIの活用が進んでいます。例えば、テストの自動採点やテスト結果の分析による成績・学力の評価などは、教師の負担軽減に役立っています。また、生徒の習熟度別の個別カリキュラム作成などにAIが使われるケースもあります。

金融業

金融業もAIの活用が進んでいる業界です。クレジットカードの不正利用検知にAIが使われていることを知っている方は多いでしょう。また、過去の大量のデータから株価を予想し、顧客に情報を提供するサービスも登場しています。

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不動産業

不動産業では、ユーザーの閲覧・行動履歴を分析し、希望に合いそうな物件を紹介するサービスにAIが活用されています。また、画像認識によって物件の設備や外観などを評価し、売却価格や家賃を提案するサービスもあります。

小売業

小売業では、需要予測をメインにAIが使われています。例えば顧客の行動を解析して需要を予測し、結果に応じて最適な商品を発注するなどです。また、画像認識で商品代金を計算する無人レジシステムを導入しているところもあります。

建設業

建設業界では、膨大な人手と時間がかかる高速道路やトンネルなどのインフラの点検・維持管理にAIが活用されています。ほかにも過去の事故データから現場のリスク度を予測する、自動搬送システムや自立制御型機械などを使ってリスクが高い場所での作業を代替させるなどの使われ方もしています。

飲食・サービス業

飲食・サービス業でもAIの予想分析が使われています。例えば過去データから来客数や注文数を予想し、適切なスタッフの人数や発注数を考えるなどです。原価や人件費などを考慮した価格設定にAIが活用されるケースもあります。

マーケティング

マーケティングの分野においてもAIは欠かせません。ユーザーの趣味や閲覧履歴から、興味がありそうな商品を提案する「パーソナライズ」を体験したことがある方は多いでしょう。
最近のネットショップでは、質疑応答式でユーザーの情報を得ておすすめの商品を紹介する機能も登場しています。一方的な情報提供ではないため、「接客されている」という感覚を与えられるのが特徴です。

 

まとめ

AIは進化を加速しており、さまざまな業界で普及が進んでいます。自然言語処理や画像認識、予想分析などAIができることは幅広く、多方面に活用可能です。商品の需要予測や来店者数の予測、商品価格や家賃の設定などにも使えるため、業務効率化や経費削減などを考えている方は、AIの活用を検討してはいかがでしょうか。

 

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