マーケティングコラム
ウィンザー効果を狙ったマーケティング施策7選!注意点やポイントとは
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自社商品やサービスの信憑性を高めるには、ウィンザー効果と呼ばれる心理効果を用いるのが有効です。しかし、どのようにウィンザー効果をマーケティングに活用すれば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ウィンザー効果を活用したマーケティング施策を7つご紹介します。注意点やポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
ウィンザー効果とは?
マーケティングにおいても耳にする機会の多いウィンザー効果ですが、具体的にどのような意味があるのでしょうか。ここでは、ウィンザー効果とは何か具体的に解説します。情報の信憑性に関わる心理効果のこと
ウィンザー効果とは、第三者が発信する情報は当事者が発信する情報よりも信憑性が高いという心理効果のことです。例えば、「自社の商品は機能性に優れています」と宣伝するよりも、第三者による口コミやレビューで自社商品の機能性を評価してもらったほうが信頼感を得やすいとされています。ウィンザー効果は『伯爵夫人はスパイ』という小説のなかでウィンザーという女性が発した「第三者の褒め言葉が一番効果的」というセリフが由来となっています。
ウィンザー効果のメカニズム
利害関係のない第三者が提供する情報は、中立的で客観的な評価が期待できます。例えば、口コミで良い情報を書いても悪い情報を書いても、その結果に対して利益が出ることはありません。それゆえに「情報提供者である第三者が嘘をつくメリットはなく、信頼性が高い」というのがウィンザー効果の仕組みです。
ウィンザー効果の重要性
ウィンザー効果はマーケティング戦略でよく用いられています。商品の購入やサービスの利用では信憑性が重要です。口コミやレビューなどの第三者の評価や情報は、企業自身が自社のサービスや製品を評価するよりも、より中立的で客観的とみなされる傾向があります。良い口コミが多いほど、その商品やサービスの広告効果が増強され、売上アップにつながります。
ウィンザー効果を狙ったマーケティング施策7選
ウィンザー効果を狙ったマーケティング施策には何があるのでしょうか。ここでは、代表的な施策を7つご紹介します。1. 口コミ
ウィンザー効果を狙った代表的な施策が「口コミ」です。顧客からのフィードバックや評価をWebサイトやSNSなどで公開し、消費者に製品やサービスの信頼性をアピールします。口コミによって多くの人々に情報が拡散されるように設計されたマーケティング戦略を「バイラルマーケティング」といいます。
2. PR活動
メディアに自社の情報を取り上げてもらう手法です。ニュースソースとして発信した情報はメディアが自主的に掲載するものであり、基本的には情報元に利益が発生しません。利害関係のないメディアによる中立的な報道によって、信憑性が高まります。3. アンケート
アンケートは消費者の声を収集する手段です。顧客に対して製品やサービスに関するアンケートを行い、その結果を公開することでウィンザー効果を狙います。アンケートの手法もいくつかありますが、近年は簡単に集計できるWebアンケートが主流です。4. インタビュー
アンケートよりも具体的な意見を収集したい場合は「インタビュー」が有効です。インタビューは顧客の回答内容に応じて質問を柔軟に変えられるため、情報を深掘りできるメリットがあります。ただし、インタビューするには手間や時間がかかり、多くの意見を集めるのには適していません。5. モニター募集
モニター募集とは、自社の商品やサービスをお試しで利用してもらい、その体験を共有してもらう手段のことです。モニター募集であれば確実にフィードバックが得られます。また、参加する人はその商品に対して興味を示していることもあり、より積極的な意見を得られるでしょう。方法次第では、モニターに参加した顧客から意見を複数回聞くことも可能です。
6. インフルエンサーの宣伝
インフルエンサーとは、SNSで多くのフォロワー数を持ち、その影響力を通じて製品やサービスを広める役割を果たす人物のことを指します。インフルエンサーに製品を試してもらい、その体験を共有してもらうことで、ウィンザー効果が得られます。インフルエンサーが製品やサービスを自身のライフスタイルや日常でどのように使用するかを共有することで、その使い方の具体的なイメージが他人に伝わる点もメリットです。共感を呼び起こす要素を含むことで、信頼性が高まります。
7. キャンペーン企画
魅力的なキャンペーンを企画して多くの消費者に商品やサービスの利用を促す手法があります。例えば、自社商品に関連するテーマに沿った写真をSNS上に投稿するコンテストを実施し、優秀な投稿者に賞品を提供するキャンペーンを打ったとしましょう。このキャンペーンが魅力的で話題性があれば多くの人が参加します。消費者の投稿が自社商品を宣伝することになり、ウィンザー効果が期待できます。
ウィンザー効果を狙う際のポイント
ウィンザー効果を狙うことはマーケティングにおいて有効な手段ですが、注意点やポイントがあります。以下のポイントを押さえておきましょう。ステルスマーケティングはNG
ステルスマーケティングとは、広告や宣伝とはわからないような形で自社商品やサービスを宣伝する手法のことです。ステルスマーケティングによる口コミは企業側が意図したものであり、消費者による純粋な評価ではありません。ステルスマーケティングの事実が大衆に知られれば、企業は信頼を大きく失う恐れがあります。
ネガティブな口コミも公開する
口コミがすべて肯定的な内容であった場合、それを見た人は「ステルスマーケティングではないか」などと不信感を抱く可能性があります。ネガティブな意見も掲載することで、透明性や公平性の確保につながり、ウィンザー効果を高めることが可能です。ターゲット(年齢・性別)を意識する
掲載する口コミを選ぶ際は、自社商品やサービスを売りたいターゲット(年齢・性別)に合わせて掲載するのがポイントです。例えば、30代女性をターゲットにした美容製品を販売する場合、30代女性の口コミを多く取り上げると良いでしょう。そうすることで、30代女性から共感を得やすくなります。
顧客満足度を数値化する
顧客満足度を数値化することで、その商品やサービスの価値が一目でわかるようになります。例えば、食べログやAmazonなどは、顧客満足度を星の数で数値化しています。顧客満足度を数値化する際は、総合評価だけでなく、料金や利用しやすさなど、項目をいくつか用意するのがポイントです。
ウィンザー効果と併用したい心理効果
ここでは、ウィンザー効果と併用することで効果がアップする心理効果をご紹介します。ハロー効果
ハロー効果とは、ある特性や特徴が、そのほかの要素にも影響を与える心理現象のことです。わかりやすい例として、「綺麗な女優さんが使っている化粧品だから間違いない」「有名デザイナーが手掛けたデザインだから素晴らしいデザインだろう」などが挙げられます。このハロー効果をうまく利用すれば、商品やサービスにプラスの印象を与えることが可能です。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果は「多くの人に支持されているものであれば良いものであるはず」といった、大衆心理を反映した心理現象です。例えば、「年間ランキング1位」「利用者数〇万人突破!」のように数値で表すと、バンドワゴン効果が得られやすくなります。
カリギュラ効果
制限されたり禁止されたりすることで、かえって気になってしまう現象が「カリギュラ効果」です。「見るな」と言われるものほど見たくなる人も多いでしょう。カリギュラ効果を利用したマーケティングでは、「数量限定販売」「期間限定キャンペーン」「完全予約制」などが挙げられます。
まとめ
ウィンザー効果は「利害関係のない第三者による評価は信頼性が高い」という心理効果のことです。ウィンザー効果をうまく活用することで、商品やサービスの信頼性を高め、売上アップにつなげられます。ウィンザー効果と併用することで効果がアップする、「ハロー効果」「バンドワゴン効果」「カリギュラ効果」もぜひ利用してみてください。