マーケティングコラム
アルファ世代の特徴とは|新しい世代へのマーケティング戦略について解説
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WEBライティング~メディアの制作ディレクション業務・SNS運用・YouTubech運営/広告運用などで活動しているWEB系フリーランス。
SEO,YouTube,Twitter,Instagram,TikTokの集客媒体全般で集客・コンテンツ制作経験あり。読者・視聴者の潜在ニーズを拾い上げ「見たくなるコンテンツ制作」を意識しています。運営したYouTube漫画 chでは売上20倍に貢献。記事制作に携わったメディアは30サイト以上。現在は、SEOのコンテンツ制作をメインの業務としています。
ゆとり世代やZ世代よりさらに若い「アルファ世代」をご存じですか?現在の10代前後を指すもので、5~10年後のマーケティングにおいては非常に重要な年代となってきます。本記事では、アルファ世代の定義や、マーケティングにおける考え方などを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
武田 竜輔
アルファ世代とは
アルファ世代とは、現在の10代前半までを指す用語です。以下の項目で具体的な特徴や、Z世代との違いなどをご紹介します。2010~2024年ごろまでに生まれた世代
アルファ世代は、2010~2024年ごろまでに生まれた世代を意味します。オーストラリアのコンサルタント「マーク・マクリンドル」が名付けました。2023年現在では、13歳以下の子どもを指し、学年でいうと中学1年生までがアルファ世代にあたります。Z世代との違い
Z世代とアルファ世代の主な違いは、バーチャル空間との親和性と、親世代の特徴です。Z世代とアルファ世代の違い
Z世代 | アルファ世代 | |
---|---|---|
生まれた年代 |
1997~2010年ごろ |
2010〜2024年ごろ |
2023年時点での年齢 |
10代後半〜20代前半 |
13歳以下 |
特徴 |
デジタルネイティブ世代 SNSやバーチャル環境にも幼少期から慣れ親しんでいる 2023年現在は、経済的に自立している層も増えている |
Z世代以上に、幼少期からデジタル機器に慣れ親しんでいる SNSや、バーチャル空間に対する親和性も高い |
親の特徴 |
団塊ジュニア・つくし世代(1971〜1991年)が中心 デジタル機器の操作に問題はあるものの、 10代からデジタル機器に接していた世代ではない |
ミレニアル世代(1981〜1996年)が中心 10代からデジタル機器を使っている、 デジタルネイティブ世代 |
Z世代は、幼少期から携帯やパソコン、SNSを使っていた世代です。それまでの世代と比べると、デジタル機器やサービスに対する抵抗感がないと言えます。
一方のアルファ世代は、親も含めてデジタルに対する理解があります。Z世代以上に、デジタルサービスやバーチャル空間に対する理解がある世代なのです。
アルファ世代より前の世代の呼び方一覧
アルファ世代より前の世代には、ゆとり世代やバブル世代、団塊世代などさまざまなものがあります。・団塊世代:1947~1949年(昭和22~24年)
・しらけ世代:1950~1964年(昭和25~39年)
・新人類:1955~1967年(昭和30~42年)
・バブル世代:1965~1970年(昭和40~45年)
・就職氷河期世代:1970~1982年(昭和45~57年)
・団塊ジュニア世代(第二次ベビーブーム世代):1971~1974年(昭和46~49年)
・つくし世代:1985~1991年(昭和60年~平成3年)
・ミレニアル世代:1981~1996年(昭和56年~平成8年)
・ゆとり世代:1987~2004年(昭和62年~平成16年)
・さとり世代:1996~2005年(平成8~17年)
・Z世代:1997~2010年(平成9~22年)
・アルファ世代:2010~2024年ごろ(平成22~令和6年)
就職氷河期世代と団塊ジュニア世代のように、時期がほとんど被っている世代も存在します。
世代の区切りには、社会的な背景が大きく影響しています。団塊世代であれば第一次ベビーブーム、バブル世代はバブル経済、ゆとり世代は教育方針が、それぞれ世代の区切りとなった主な要因です。
アルファ世代の特徴とは
アルファ世代には、それまでの世代とは異なるさまざまな特徴があります。以下の項目では、アルファ世代の特徴を6つのポイントでご紹介します。親はミレニアル世代
アルファ世代の親は、デジタルネイティブの始まりを経験した「ミレニアル世代」です。ミレニアル世代は、パソコンや携帯電話が普及するとともに、インターネットを用いたサービスも拡大していく中で育ちました。親がデジタルネイティブなアルファ世代は、幼少期から親子でデジタル機器に慣れ親しんでいます。SNSやキャッシュレス決済、ヴァーチャル空間などに対する抵抗感がほとんどありません。
デジタルリテラシーが高い
生まれた頃からスマホが身近で、デジタルリテラシーが高いのも、アルファ世代の特徴です。LINEやTwitter、InstagramといったSNSも幼い頃から慣れ親しんでいるので、使い方や活用方法が染みついています。小学校でプログラミングの授業を受けている世代でもあります。現在の20~30代よりも、デジタルに関する知識が高いケースも少なくありません。
オンライン交流に抵抗がない
アルファ世代は、ネットゲームやSNSを使いこなしてきた世代なので、オンライン交流に抵抗がありません。対面経験のない他人であっても、オンライン上でナチュラルにコミュニケーションが取れます。さらに、昨今ではオンライン授業やzoom面接なども多くなっているため、さらにオンライン上での交流に慣れ親しんでいると言えるでしょう。
コスパよりタイムパフォーマンスを重視
アルファ世代は体験を重視するとされており、コスパよりタイムパフォーマンスを重視する特徴があります。タイムパフォーマンスとは、使った時間に対して自分が得られた価値はどの程度かを表すものです。動画を倍速で見る、最新情報をSNSでまとめて収集するといった行動からも、アルファ世代はタイムパフォーマンスを重視していることがわかります。
文章より動画や画像で情報を取得する
アルファ世代はネット上での情報収集が当たり前で、文章よりも動画や画像で情報を収集している傾向があります。紙媒体よりも、YouTubeやInstagramといったSNSで情報を集めるためです。例えば、メイクに関して調べたいと思ったときは、有名なインフルエンサーの動画を見たり、モデルのInstagram投稿を見たりして情報を集めます。文章よりも情報量が多く、活用もしやすいため、動画や画像での情報収集を好むのです。
多様性を大切にする
さまざまな世代や人種とふれあう機会の多いアルファ世代は、多様性を大切にしています。ジェンダーや人種などに関して、より差別なく平等に接する価値観が醸成された社会で育ったからです。大人でも、勉強しないとなかなか理解しにくい場合もあるダイバーシティな考え方が、アルファ世代はごく当たり前のものとして身に付いています。
アルファ世代へのマーケティングの考え方
現在は10代のアルファ世代ですが、10年後には経済的に自立してきて、消費者として大切な層になってきます。以下の項目で、アルファ世代へのマーケティングを考えていきましょう。アルファ世代に刺さるSNS3つを活用
アルファ世代はSNSネイティブの世代なので、訴求するにあたってはSNSマーケティングが必須となります。特に、TikTokやInstagram、YouTubeといった人気SNSの活用は欠かせません。人気SNSの共通点は、動画や画像といった視覚メディアをうまく活用していることです。今後は、デザインや動画の編集クオリティが高いコンテンツを作れるかが、マーケティングにおいてさらに重要になってくるでしょう。
TikTok|多くのショート動画をスピーディに
TikTokは、1分前後のショート動画を共有できるSNSです。スワイプするだけで次から次へと動画が再生されるので、アルファ世代の中には1日何時間もTikTokを視聴している人もいます。アルファ世代はタイムパフォーマンスを重視することも、TikTokの流行に繋がっていると考えられます。TikTokは利用者層が10~20代中心なので、若年層向けのSNSマーケティングにはぴったりのSNSです。
参照:DataReportal|The Latest TikTok Statistics: Everything You Need to Know
https://datareportal.com/essential-tiktok-stats
Instagram|商品レビューの参考ツールとして
Instagramは、自分自身のことを発信するツールとして、また情報収集するためのものとして活用されています。日々の情報を発信したり、友だちの日常を見たりするのに使うため、自然と情報収集ツールとしての使い方も定着してきたのです。Instagramでは、画像投稿だけでなく、動画の投稿やライブ配信も行えます。昨今では、Instagramのライブ配信機能を活用したライブコマースに力を入れている企業も少なくありません。
YouTube|親世代に人気のSNSの1つ
YouTubeは、親世代(ミレニアル世代)にも人気があるSNSです。YouTubeは子ども向け動画も豊富なので、小さい頃からYouTubeを見て育ったアルファ世代も多くいます。昨今では、メイクやファッション、料理のレシピ、自己啓発に至るまで、さまざまな情報をYouTubeで調べられます。アルファ世代は、動画を見ながらさまざまな情報を収集しているのです。有名インフルエンサーも多数いるため、SNSマーケティングにおいても重要なプラットフォームとなっています。
メタバース上での商品体験を提供
アルファ世代はバーチャルでの交流にも慣れているので、メタバース上での商品体験にも抵抗がないと考えられます。今後、アルファ世代が消費の中心になってきたら、マーケティングの主戦場がメタバースに移る可能性があるでしょう。現段階でも、すでにメタバース上でのショッピングサービスはあります。今後公開を予定しているサービスも複数ある状況です。アメリカの「ウォルマート」や、中国の「淘宝網(タオバオ)」なども、メタバース参入を表明しています。
リアルタイムのオンラインイベントの活用
リアルタイムのオンラインイベントを活用するのも、デジタルネイティブのアルファ世代に訴求するためには大切です。オンラインゲームやライブ配信サービスなどを使って、どこにいてもアクセスできるようなイベントを展開しましょう。昨今では、リアルのコンサートやイベントをライブ配信するケースも増えています。今後ほかと差別化を図るためには、ただ配信するだけでなく、いかにオンラインイベントとしての充実度を高められるかが重要になってくるでしょう。
実店舗よりもECサイトの充実を図る
アルファ世代をターゲットにするのであれば、必ずしも実店舗を持つ必要はありません。ECサイトの利便性や充実度を向上させれば、大きな売り上げにつながる可能性があります。大切なのは、実店舗に行ったのと同じくらいに満足度の高いプラットフォームが作れるかどうかです。サイトのデザインはもちろん、会員登録やログインのしやすさ、各顧客に最適な商品の提案、好きな商品の探しやすさなどが、アルファ世代に訴求するうえでは重要になってきます。
また、ブランドや商品そのものに対して、どれだけ愛着を持てるかも売り上げを大きく左右するでしょう。
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2023年現在はミレニアル世代への訴求を重視
2023年現在は、アルファ世代はまだ13歳以下なので、経済的に自立していません。現状は親世代であるミレニアル世代への訴求を重視しながら、アルファ世代への対策を考えていくのがよいでしょう。5~10年後にはアルファ世代も経済的に自立してきて、消費者層としてとても重要になってきます。今から10代向けにしっかりとアプローチできていれば、早期にアルファ世代を取り込んで、ビジネスを拡大できるはずです。
まとめ
アルファ世代は、Z世代よりもさらにデジタルサービスやSNSに関して慣れ親しんでいる世代です。彼らに対するマーケティングにおいては、TikTokやInstagram、YouTubeをはじめとしたSNSの活用が必須となります。また、メタバース上でのショッピング体験や、ライブコマースといった新しい販売手法も、アルファ世代への訴求方法として重要視されてくるでしょう。親世代であるミレニアル世代への訴求を重視しながらも、ネット上でのサービス提供について工夫をこらし、アルファ世代に対するマーケティングへとスムーズに移行できる体制を作り上げてください。
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