マーケティングコラム
コロナ禍における“オンラインインタビュー”の有用性について。特徴やメリット・デメリットを解説
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現在インタビュー調査の多くのがオンラインインタビューになっており、コロナ禍における調査の手法として注目されています。どういったメリットやデメリットがあるのか、そこから見える今後の手法についてみていきます。
コロナ禍だからこその“オンラインインタビュー”
オンラインインタビューとは、インターネット通信を介して対象者にインタビューを行う方法です。一般的に行われている形式としては、対象者が所有しているPCやスマートフォンを使い、モニター越しでインタビューに答えます。現在、新型コロナウイルス感染症により、調査員と対象者が直接会う必要がある場合は十分な間隔をあける、対象者にはマスクを着用してもらうなどの対策が欠かせません。しかし、対策を実行しながらのインタビューでは、今までよりも費用と手間がかかってしまいます。また、オフラインインタビューはできるだけ避け、オンラインインタビューに切り替えるよう推奨されています。このような背景から、非接触型のオンラインインタビューが主流となっているのです。
オンラインインタビューで行われる代表的な手法として、調査員と対象者が一対一で行う対話式インタビューをデプスインタビュー、複数の対象者に対してインタビューを行うグループインタビュー、対象者の普段の様子をモニタリングするエスノグラフィーの3つが挙げられます。これら3つの手法はオフラインでも実施可能ですが、場所や感染症対策などを個々人に委ねられるという意味では、オンラインであれば制約を受けずにインタビューを行うことができます。
オンラインインタビューの特徴
オンラインインタビューのメリット
オンラインインタビューは、環境さえ整っていれば場所を問わないことが多いです。そのため、小さい子どものいる方や妊娠中の方、遠方にお住まいの方など、インタビュー現場へ足を運べなかったり、街頭では見つけられなかったりした方にもインタビューが行えるので、より調査内容に適した人を幅広い選択肢の中からリクルートできます。会場を借りてオフラインインタビューを行う場合は、会場費用が発生します。しかし、オンラインインタビューでは会場費を削減でき、インタビュー対象者を多く集めたり、より調査内容に適した方をアサインしたりするための費用に充てられます。また、対象者はプライベートな環境でリラックスしてインタビューに答える場合が多いです。そのため、より踏み込んだ内容や忌憚のない率直な意見が聞けるケースも少なくありません。他にも、自宅に商品を送付して、実際に使用しているところを観察したり感想をその場で聞いたりすることもできます。例えば、寝る前に使用する化粧品のインタビュー調査を行う場合、オフラインであれば商品の使用感などを後日に聞くことになります。しかし、オンラインインタビューであれば実際に使用してもらいながら使い勝手などの感想を聞けるため、より具体的な意見が集まります。
インタビューの手法によっても、それぞれで異なるメリットがあります。グループインタビューの場合はPCやスマートフォンの画面を通して他の参加者の様子が見られるため、対面式の座談会に近い形で実施できます。エスノグラフィーの場合は、オフラインで行う時と比較して対象者の心理的負担を軽減させられます。例えば、オフラインの時には調査員が対象者のもとへ実際に訪問して買い物に同行したり日常生活を観察したりしますが、オンラインであれば間接的にモニタリングするようになります。こうした負担軽減により、インタビュー調査を引き受けてもらいやすくなります。
オンラインインタビューのデメリット
インタビュー調査の実施にはテレビ会議システムを利用するのが一般的ですから、対象者はIT関連の知識がある方、そしてインターネット環境が整っている方に限定されます。最近はリモートワークなどで環境が整っている方が多くなってきましたが、ITに詳しくない方に対しては機種やOSなどが対応しているかどうかの確認や、接続テストをインタビュー調査前に行っておく必要があります。そのため、インタビュー調査全体の時間がオフラインに比べてかかるようになります。ただし、調査本番の前に接続チェックで事前顔合わせができるので、その際にある程度打ち解け、スムーズに本番に臨める点はメリットと捉えることもできます。デバイスの特性によるデメリットもあります。スマートフォンを利用しての調査は画面が小さくなるため、映像をつぶさに観察したい調査には不向きです。また、デバイスによって色の出方が異なる可能性がありますので、色の違いが調査結果に影響する場合もオンラインインタビューは避けた方が良いでしょう。他にも、パソコンやスマートフォンによってはインタビュー中の様子を画面録画したり、静止画として保存したりできる機能がついています。情報漏洩にもつながりかねませんので、このような行為を禁止する内容の規約を設け、結んでおくことが大切です。