データマーケティングコラム
ファンマーケティングの鍵:意識データを活用したファン理解
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現代のビジネス環境で生き残るためには、サービスをただ提供するだけではなく、顧客との絆を築くことが必要不可欠です。すべての顧客と強固な絆を築ければベストであるものの、実際には非現実的であるため、一部の熱狂的支持者(ファン)との絆を築くことが大切です。そのための活動が「ファンマーケティング」です。本記事では、ファンを増やしたいが、自社のファンの解像度が低いというお悩みをお持ちの方に向けて、ファンマーケティングの基本から意識データを活用したファン理解の方法まで解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ファンマーケティングとは
ファンマーケティングは、企業が自社の製品、サービス、ブランドに対して愛着を持ったファン層を育成することで、中長期的な売上拡大を図るマーケティング手法です。テレビCMや交通広告などの不特定多数の消費者をターゲットにしたマーケティングとは対極に位置しています。ファンマーケティングでは、一部の熱狂的なファンをつくり、そのファンがSNSやリアルな口コミを通じて、製品・サービスの魅力を周囲に伝えることで購買に繋げていきます。リスティング広告やSNS広告のように企業が直接購買を促すマーケティング施策と比べると、「ファンをつくる」工程が増えるため、非効率に見えます。ではどうして、ファンマーケティングに注目が集まっているのでしょうか?
ファンマーケティングの必要性
近年、新規顧客の獲得が困難になってきています。企業間の技術力に大きな差がなくなり、類似の製品・サービスが次々と生まれるようになりました。消費者目線では購買の選択肢が増えることになるため、新規顧客の獲得競争は激しくなります。さらに、インターネットやSNSの普及に伴い、消費者の情報リテラシーは向上しています。今までは企業と消費者で情報格差があったため、企業からの一方的な情報のみで購買の意思決定をすることがほとんどでした。しかし、スマートフォンがあれば、その情報の信憑性を調べることができ、SNSでの投稿やレビューサイトなど企業が介在しない客観的な情報を得ることも可能です。
この客観的な情報こそが昨今の購買活動では大きな役割を果たしています。ファンマーケティングを通じて育成した自社のファンがSNSなどを通じて発信した情報は、企業が広告などを通じて発信した情報よりも、より信頼できる情報として受け取られます。つまり、一般的な広告よりも購買への影響が大きく、自社の売上アップに多大なインパクトをもたらすのです。
ファンマーケティングのメリット
前章で記載した新規顧客の獲得以外にもファンマーケティングにはメリットがあります。1つはファン獲得により安定した売上基盤を構築できることです。iPhoneで有名なApple社にはApple信者と呼ばれる熱狂的なファンがついており、新作のiPhoneが出るたびに発売日に予約購入する人やPC/タブレット/イヤホンをすべてApple製品で統一する人が多く、売上基盤の構築に繋がっています。
もう1つのメリットは、ファンのフィードバックによって消費者目線に立った商品開発を行える点です。熱狂的なファンであれば「ブランドを一緒に育てていきたい」という想いを持っている人も少なくありません。こうしたファンとの交流機会を通じて、既存の商品・サービスへのフィードバックや新商品の要望ヒアリングを行うことで、消費者目線を欠かさずに商品を開発できます。
ファンマーケティングの手法
ファンマーケティングの代表的な手法は以下の通りです。●ファンミーティング:ファン同士の交流や企業との交流イベント
●ファンコミュニティ:ファン同士もしくはファンと企業の交流場所
●ライブ配信:ブランドの最新情報やイベントをファンにリアルタイムで提供
●サンプリング体験:製品やサービスの無料提供や試用体験
これらの手法を組み合わせ、ファン層の育成と情報発信を促進します。
まずは自社のファンを理解することが重要
実際にファンマーケティングを実施するにあたり、まずやるべきことは「ファンの理解」です。ファンの解像度が低いまま施策を実施しても、ファンが求めていない施策になってしまいます。ファンを深く理解するためには、何をいくら買ったかなどの行動データ(購買データ、サイトのログデータ)だけではなく、次回の購入意向や他者への推奨度、購入理由などの調査によって取得できる意識データを活用することが重要になります。例えば、自社のECサイトで食品を販売している企業が、既存顧客の売上に伸び悩んでおり、ファン層を育成していく施策を検討しているとします。
自社のファンを理解するために、購買データを分析して、直近1年の購入金額・購入回数が多い顧客を抽出しても、自社の熱狂的な支持者ではなく、すぐに離反してしまう顧客の可能性があります。そこで定量調査により、次回の購入意向も他者への推奨度も高い顧客を探すことで、今後も継続的に購入してくれ、SNSなどで自社の商品を拡散してくれる人を特定することができます。
さらにその人たちにインタビューをして、どのような情報を求めているかなどをヒアリングすることにより、施策に活かすことができます。仮にクーポンやポイント還元ではなくて、新商品の情報を求めているということが分かれば、ファンミーティングやサンプリング体験で新商品を試食してもらうことにより、ファンの増加や新商品開発に活かすことができるでしょう。
ファン理解はクロス・マーケティングにご相談ください
クロス・マーケティングでは「ジャーニーデータ分析」というサービスを提供しています。本サービスでは、行動データと意識(アンケート)データを掛け合わせて、顧客をプロファイリングする支援が可能です。「ファンマーケティングを実施したいがファンの理解に悩んでいる」という方は、ぜひクロス・マーケティングまでご相談ください。