マーケティングコラム

マーケティングリサーチの成功の秘訣は「仮説」にある

Facebook X
企業が新しい商品やサービスを提供するために、事前に顧客のニーズを知るためのマーケティングリサーチ、マーケット調査を行うことはビジネスを展開するにあたり必要不可欠なものといえます。様々な手法が使われるマーケット調査は、成功すればその後のビジネス展開において、製品やサービスを提供する側だけでなく商品を購入したりサービスを提供される顧客にとっても双方に有利になるものです。そして、その市場調査を成功させる秘訣は綿密に準備された仮定にあるとも言われています。ここではその成功の鍵である「仮説」について検証していきます。

マーケティングリサーチを成功に導く仮説とは

はじめに、マーケット調査を成功に導く仮説とは一体どんなものをいうのか見てみましょう。

仮説とは
基本的に市場調査は顧客にあたる一般消費者や生活者の嗜好や要望、不満などを総合的に収集して分析しますが、リサーチを実施する際にインターネットからの口コミや現場からのフィードバックなどの情報をもとに予測を立てていきます。具体的に取り上げる予測の例としては
・商品に対する消費者の認知度
・商品特徴の世間への伝達
・消費者とのコミュニケーション
・商品パッケージの感触
・競合との関連性
・顧客ニーズの度合い
などが上げられます。

仮説の必要性
複数の見当をたててその推測を基に消費者の声を吸い上げ調査することによって、調査結果を見た場合にそれら複数の観点から状況を分析することができます。前提を立てずに行う単なる市場調査と、きちんとした手順を踏み見当を立てて行う市場調査では、その後のビジネス展開が全く違ったものになってくる場合すらあります。そのため市場調査における仮説は成功の鍵ともいえるべきものなのです。

どのような仮説が有用か
それではどのような前提条件に基づいて調査を行えば役に立つのでしょうか。シンプルで有用な例としては
・複数の問題点の想定
・想定した問題点に対する、方向性がわかりやすい複数の解決案の提示
・似通った想定を排除し、方向性の明確な案を残す
以上の点に注意する必要があります。


20180215_02


現状仮説と実行仮説

マーケティングリサーチにおける想定には上記の2種類があります。

現状仮説とは
具体案を提示する際に「現在の状況は、このような状態になっているのではないか」という推測です。マーケティングリサーチでは市場や顧客がどうなっているのか現状を把握して、初めて誰に何を聞いたらよいのかがわかります。現状推定なくしてデータを集めてもその後のビジネス展開につながるものは見えて来ないのです。例えば女性向けワインのターゲットを広げるためのビジネス展開での現状推定としては
・以前よりもワインを飲む女性が増えているのでは?
・レストランで食事のときよりもワインバーでの消費が増えているのでは?
・一人暮らしの女性が自宅で一人でワインを飲むのがファッションになっているのでは?
このような現状予測がとても重要な要素です。

実行仮説とは(戦略推定ともいう)
ビジネス展開するにあたり「このような方法で実行すればうまく行くのではないか」という仮定です。現状仮定に基づいた実行策を実行仮定としてあげるとすると
・女性用に香水ビンのようなおしゃれなワインボトルがあってもいいのではないか?
・家で一人飲み用あるいはカップル飲み用にワイングラスをつけたら売れるのではないか?
・ワインは人生を楽しむ女性の飲み物として定着させる戦略を考える
以上のような実行仮説が立てられます。

良質な仮説の作り方

良質なビジネス予測とは一体どのようにして作られるのか、またその予測をより良いものにするためのポイントなどを見てみましょう。

・現状推定と実行推定を対にして、それぞれの予測をたてていく。
・現状推定は次の実行推定の立案に結びつくような項目でなければならない。
・想定作りの前の事前調査の方法は、インターネットは基より実際の現場を訪れて生きた情報を集める事が大切である。

重要なポイントとしては、何より現場の実態を把握することによって、顧客のニーズがわかってくるという点です。実際の現場の状況を把握し、それをインプットすれば自然な発想力が付いて良い仮定のアイディアも浮かんできます。またインターネットの調査からは消費者の立場から見た製品に対する意見が見えてきますので、普段企業サイドからは思い浮かばない観点から見た前提条件作成に役立ちます。


20180215_03


まとめ

仮説をたてることなくマーケットリサーチを実施して結果だけを見ても、正確な判断が下せないことは多々あります。つまり、事前にニーズを察知し、仮定を立てた上で調査を行うことが必須といえます。しっかりとした前提に基づいたリサーチを行うことによって、結果分析も正確にできます。

また、当初の仮説から導き出された結果によって、その後のビジネス展開や宣伝方法などが大きく変わってきます。マーケティングリサーチを依頼する場合でも、仮説の重要性を頭に入れておけば、業者との話し合いもスムーズに行われてその後のビジネスの方向性もつかみやすくなります。

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
話題のBeRealはなぜ人気があるのか?特徴や注意点、ビジネス利用も解説
「BeReal」は、通知から2分以内に投稿しないと友人の投稿を見られない、写真の編集機能がないなどの特性があり、若者の間で人気のSNSです。 今回は、BeRealがなぜ人気なのか、主な特徴と支持される理由を紹介します。ビジネス展開のメリットもあわせて解説しているので、マーケティングをお考えの方は参考にしてください。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
デジタルデトックスは効果なし?得られる効果と実践方法を解説
デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやPCなどのデジタルツールから離れることで、ストレスを軽減する取り組みのことです。デジタルツールに囲まれて生活する方が多い現代社会のなかでは、ストレスや心身の疲れを緩和する効果が期待できるといわれています。 しかし、「デジタルデトックスには効果がない」といった意見も見受けられます。今回は、デジタルデトックスには効果がないといわれてしまう理由や、より効果的にデジタルツールと距離を置く方法について解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード