マーケティングコラム
データマーケティングのツールや活用法
最終更新日:
公開日:
公開日:
消費者行動から得られる膨大なデータを活用し、消費者が何を求めているかといった性向を数値的に把握してビジネスに生かすデータマーケティングは現代ビジネスの重要な戦略になっています。目的にかなったシステムツールや、それを自在に活用できる人材を配置すれば、営業力や財務力の向上が期待できます。しかし適正なシステムツールではなかったり、有能な人材がいない場合は十分な効果が得られなかったりする場合もあります。事業の分野や規模に応じて適切なシステムの導入や手法を確立し、何のために活用するのかという目的意識を明確にした人事戦略を進めることがポイントになります。
データマーケティングとは
IT時代前の企業や店舗は、商品の発注や売れ行き、在庫状況といった情報を帳簿などに手書きで記録し、紙ベースで情報を管理するのが一般的でした。顧客情報はセールスマンの外回りやダイレクトメール、割引セールの反応などが中心であり、情報収集のスピードアップや共有化は積年の課題でした。こうしたビジネス環境を一変させたのが、デジタルデータの特性を生かし、素早く大量の情報を集めてさまざまな分析が行えるデータマーケティングです。猛烈な勢いで進化するネットワーク社会の消費ニーズに対応するために、巨大企業から個人営業店舗に至るまで、それぞれの目的に合った情報蓄積ソフトや分析ツールを採用し、デジタルデータを活用しています。
例えば、顧客の購買行動、購入履歴、SNSやサイトへのアプローチといった情報を管理することで、商品やサービスの改善、新商品の開発に役立てることができます。さらに、データを駆使したマーケティング戦略によって、売上や収益がどのように変動しているかという指標をスピーディーに把握することで、財務の適正化につなげることも期待されます。したがって、営業現場だけでなく、財務担当部門や経営責任者にとっても、この膨大なデータを生かしたマーケティングは重要になります。
データマーケティングの手法
顧客の属性など巨大なデータを使ってマーケティングを進めるデータマーケティングの手法で留意するべき点は、ビジネス成果を向上させることがデータ分析の目的であるという認識です。この目的を明確化したうえで、目的に必要なデータを抽出します。例えば顧客の性別情報と顧客のサイトアクセスログ情報といったふうに、データが複数の場合は合理的なデータ連携方法も規定しておきます。その後、マーケティングの実施段階に入りますが、実施している間は目標の達成度を継続的に計測した指標であるKPIと、長期的または最終的な目標を示す尺度であるKGIを常にチェックすることが大切です。そして、最終的に十分な効果が得られたかどうかという評価を検証します。
このように、段階をきちんと踏んだ手法が重要です。最近は、顧客の体験や評価を示す指標であるUXに関して、従来の固定化された個人データをより動的にとらえることが重要であるという考え方も注目されてきました。固定的な情報だけでなく、顧客が今何を探していて、どの選択に迷っているといった、現在置かれている状況を行動データとしてとらえ、その状況に対して最適のプランニングを展開するという手法です。
データマーケティングの活用
データマーケティングを活用するビジネスシーンは急速に広がっており、顧客管理や業務の効率化に活用できます。例えば、回転ずし店の中には、お皿1枚ごとにICタグをつけて、どのネタがどれくらい消費されているかといったデータを、ツールを使い得ることで食品ロスを低下させ収益率を上げている例もあります。このように、商品やサービスを購入した顧客情報をデータ化し蓄積していくことによってデータ自体の精度が上がるので、収益性のアップや新商品に対する誘因効果を図る際に効果が期待できるようになります。また、営業上メリットがある分野への人員配分、資産の傾斜的運用、予算のメリハリをデータに基づいて決定することで企業力の強化を図る戦略も立てられます。
データマーケティングは、ただデータをもとに活用していけば良いわけではありません。いかにデータを使いこなせるか、がポイントとなってきます。そこで、消費されているネタの種類や顧客の来店数などの多種多様なデータは、データや店舗ごとに統合させておきます。そうすることにより、分析が必要となったときに必要な情報や関連した情報を引き出しやすくなり、データマーケティングをさらなる業務の効率化に役立たせることができます。
まとめ
データマーケティングで重要なのは、データを集め抽出することではありません。もちろん短期間に分析結果を出すツールは大切ですが、それは目的達成の第一歩です。肝心なのは、データを利用する側がしっかりした目的意識を持ち、定めた目的に対して、データが何を語っているかを判断できることです。つまり、分析の技術的ノウハウ以上に、データを使いこなす柔軟な能力が重要ですし、そのための環境整備も必要です。例えば、不要なデータと判断して捨てることができるためには鋭い感度が求められます。ほかにも、急激に変化するマーケットに即応するためにはスピード豊かな判断力も必要です。データを自由自在に扱えるデータ定義、システム構成、人事戦略が三位一体となればマーケティング結果が生きてきます。関連ページ