スマホ依存症になりやすい人の特徴|心と身体への影響や対策を解説
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スマートフォンは日常生活やコミュニケーションになくてはならない存在だという人が増えるなか、片時もスマートフォンを手放せなくなる「スマホ依存症」と呼ばれる状態が問題視されるようになってきました。スマホ依存症になってしまうと、心にも身体にも悪影響がおよびます。今回は、スマホ依存症になりやすい人の特徴や、依存症にならないための対策を紹介します。
スマホ依存症になりやすい人の特徴
スマホ依存症とは、スマートフォンの使用が長時間になり自分の意思で止められないことや、スマートフォンを触らずにいられない状態のことを指します。薬物依存などと異なり、医学的な定義はされていませんが、生活や健康に影響が及ぶこともあり問題視されています。
スマートフォンが便利になる中、多くの人がスマホ依存症を自覚しています。
当社が実施した「目に関する調査(2023年)」によると、「あなたご自身は『スマホ依存症』だと思いますか」という設問に対し、10%の人が「かなりスマホ依存症だと思う」、34%の人が「まあスマホ依存症だと思う」と回答しており、スマホ依存症を自覚している人は44%にのぼりました。
出典:株式会社クロス・マーケティング「目に関する調査(2023)」
スマホ依存症は身近なもので、誰でも陥ってしまうのかもしれません。そもそも、どのような人がスマホ依存症になりやすいのか、特徴を解説します。
内向的な性格や孤独感が強い人
内向的な性格の人は、リアルでの人間関係構築に苦労しやすく、スマートフォンのアプリでコミュニケーションを取ることで代替しようとする傾向があるとされています。孤独感が強い人も同様で、孤独感の解消先をスマートフォンに求めようとするのです。
ストレスが多い環境にいる人
ストレスが多い環境にいる人は、スマートフォンに逃避することで、ストレスの解消を図ろうとする傾向があります。
自己管理が苦手な人
自己管理が苦手な人は、時間の管理も苦手です。スマートフォンの使い過ぎを自覚していても、楽しさを優先して長時間使用してしまいがちです。やらなければならないことがあっても、スマートフォンの使用を止められなくなってしまいます。
新しいものを好む傾向がある人
スマートフォンがあれば、常に新しい情報を手に入れられます。新しいものを好む傾向がある人は、スマートフォンのアプリやコンテンツへの興味が尽きないため、常にスマホから手が離せない状態に陥る可能性があります。
【要注意】こんな行動をしていたらスマホ依存症かも
スマートフォンは生活に欠かせないと考える人は多いでしょう。しかし、下記にあげる行動をしている場合、スマホ依存症の疑いがあるので注意が必要です。
長時間スマホを使用している
スマホ依存症の場合は、スマートフォンを手にしている時間が長時間になります。ソーシャルメディアやゲームなどを長時間使用している、食事中や風呂・トイレなどでもスマートフォンを触っているなどの場合には、依存症の可能性があります。
通知に敏感である
スマートフォンの通知に敏感な場合も、スマホ依存症かもしれません。通知が来るたびに内容をチェックする習慣がある人や、人と話しているときにも通知が気になる人は要注意です。また、SNSやメールを必要以上に確認することも、依存の現れかもしれません。
就寝直前・起床直後にスマホを使用している
スマホ依存症は、片時もスマートフォンから離れられないことも特徴です。特に、就寝直前までスマートフォンを見ていてそのまま眠ってしまう人や、朝起きるとまずスマートフォンを確認する人は注意が必要です。常にスマートフォンが気になっているという状態が続いており、依存症の可能性があります。
スマホ依存症が与える身体への影響
スマホ依存症と呼ばれるほどスマートフォンを長時間使用していると、下記のような身体の不調や健康障害を引き起こしてしまうことがあります。
視力低下・眼精疲労・ドライアイ
スマートフォンの画面を長時間見続けていると、目のピント調節機能が低下するため、視力の低下や眼精疲労を感じることがあります。また、画面を凝視することでまばたきの回数が減り、ドライアイになることもあるでしょう。
目のピント調節機能の低下により、20代・30代でも近くのものが見にくくなる老眼のような症状に陥ることがあり、スマホ老眼と呼ばれています。
首や肩のこり・ストレートネック
スマートフォンの使用中は姿勢が変わらないため、長時間になると首の後ろから肩にかけての筋肉がこわばり、血流が悪化します。その結果、首や肩のこりなどの症状が現れます。
また、スマートフォンを使うときは、前かがみになりがちです。本来は重い頭を支えるためにS字カーブになっている首の骨にカーブがなくなって真っすぐになるストレートネックになります。ストレートネックになると、首や肩の痛みのほか、可動域が狭くなったり、頭痛やめまい、耳鳴りなどが現れたりすることがあります。
睡眠障害
寝る前にスマートフォンでゲームやSNSなどに熱中してしまうと、就寝時間が遅くなり、睡眠時間が十分に取れなくなります。また、スマートフォンの画面から発せられるブルーライトにより、脳が昼間だと認識してしまうことでも、睡眠の質の低下や入眠障害が引き起こされます。
腰痛
スマートフォンを見るために長時間前屈みの姿勢を続けると、首だけでなく背骨もS字カーブを維持できなくなり、腰に負担がかかって腰痛の原因となります。うつ伏せで上半身を持ち上げた姿勢も負担が大きいため、注意が必要です。
スマホ依存症が与える心への影響
スマホ依存症は、身体だけでなく次のように心にも悪影響をおよぼします。
不安感やうつ状態
スマートフォンを通じて得られる情報の過多により脳が疲労すると、不安感が強くなったり、うつ状態に陥ったりします。特にSNSでは他者と比較することによって、自己否定感や嫉妬心が強くなることがあります。
集中力の低下
情報の過多による脳疲労は、脳の機能全体を低下させるため、集中力や記憶力の低下を招きます。何かをしていても気が散りやすくなったり、ミスが増えたり、うっかり忘れてしまったりすることが増えてしまいます。
コミュニケーション力の低下
スマートフォン上のSNSなどによってオンラインで気軽に人とつながれるようになると、対面での交流機会が減少します。その結果、声や表情などを使ったリアルなコミュニケーション力の低下も見られるようになります。
スマホ依存症にならないための対策
スマホ依存症にならないためには、スマートフォンの利用を減らし、スマートフォンのある生活に依存しないことが有効です。スマホ依存症が気になるなら、次に紹介する対処法を試してみましょう。
スマホ使用時間の制限
気がついたらスマートフォンを触ってしまい長時間になってしまう場合には、使用時間を制限するのが有効です。スマートフォンの機能やアプリの設定で、使用時間を管理しましょう。1日や1週間の利用時間や、特定のアプリの使用時間を調べ、使い過ぎのアプリには時間制限を設けてみてください。
決まった時間帯にスマホを使用しない
スマートフォンの利用時間を減らすには、スマホを使用しない時間を決めることも効果的です。まずは、スマートフォンの使用を止めたほうが良い、寝る前や食事中などに、スマホを控えることから始めてみると良いでしょう。
リアルな人間関係を大切にする
オンラインでのつながりよりも、リアルな人間関係を大切にすることも重要です。スマートフォンから離れて、友人や家族との時間を増やしましょう。
趣味や運動などに目を向ける
スマートフォン以外の楽しみを見つけることも、スマホ依存症の対策として有効です。音楽鑑賞や読書などの趣味に打ち込んだり、運動したりするのがおすすめです。スキマ時間にスマートフォンを触ってしまうという人は、人とのコミュニケーションに時間を使うと良いでしょう。
まとめ
内向的な性格の人やストレスが多い人、自己管理が苦手な人、新しいものが好きな人は、スマホ依存症になりやすいと考えられます。スマホ依存症になると、身体面でなく精神面にも悪影響が及びます。長時間スマートフォンを触ってばかりいるという人は、使用時間を制限する、スマートフォン以外の趣味や運動などを楽しむなどの方法で、スマートフォンの使用時間を減らすように心がけましょう。