マーケティングコラム

今注目の「エモ消費」とは?Z世代に刺さるポイントも解説

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消費者の消費行動は、時代に合わせて変化しています。消費者がどのような消費行動をとるのかを把握することで、より購買意欲を高め、自社製品を買ってもらえることにつながります。最近では「エモ消費」がトレンドとなっています。エモ消費とはどのような消費行動なのでしょうか。今回は、エモ消費がどのような消費行動であるのか、メイン層のZ世代に刺さるポイントについて解説します。

エモ消費は変容する消費行動のひとつ

消費者の消費行動は、時代の流れで変化しています。モノ消費やコト消費、トキ消費、イミ消費などの消費行動があるなかで、今新たに注目されているのは「エモ消費」です。

「エモ消費」とはどのような消費行動なのでしょうか。これまでの消費行動との違いを交えながら解説します。

時代とともに変化する消費行動

まずは、これまでの消費行動について時系列でご紹介します。

1. モノ消費

モノ消費は、第二次世界大戦後の高度経済成長期に見られた消費行動を指します。「モノ」を所有することに価値を見出し、生活の質を上げる機能性の高い製品を購入することです。

「3種の神器」といわれる「冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ」をはじめ、人並みの暮らしに必要な最低限の「モノ」を購入する人が多い時代でした。その後、「3C」と呼ばれる「自動車、エアコン、カラーテレビ」へと移り変わっていきます。

2. コト消費

コト消費は、モノで満たされた人々のモノへの情熱が冷め、体験をすることに価値を見出した消費行動です。バブル崩壊後の不景気によってモノへの執着が減り、時間や体験を消費する人が増えたという背景があります。

祭りやライブなどのイベント参加や、アトラクション、観光、着付け体験などがコト消費の一例です。モノとしては残らないものの、その思い出に対してお金を払う人が増えていきました。

3. トキ消費

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2010年代に入ると、SNSやスマートフォンの普及によって、「瞬間」や「時」を他者と共有することに価値を見出す「トキ消費」が主流となりました。

映画の応援上映や野外フェス、アイドルの総選挙などファン参加型のキャンペーンなどがその一例です。SNSを通じて情報収集をしたり、同志とつながったりして、一緒に「瞬間」を共有する人が増えました。

4. イミ消費

イミ消費は、東日本大震災をきっかけに増えてきた消費行動です。ある商品やサービスを消費することで生まれる社会貢献的要素に価値を感じる人が増えてきました。環境保全や健康、被災地支援などがテーマとなる消費が注目され始めたのです。

事例としては、クラウドファンディングやふるさと納税、募金、フェアトレード商品の購入などがあります。これらを消費することで社会貢献につながり、自己実現欲求を満たすことが可能になったのです。

エモ消費の概要

近年注目されている「エモ消費」は、コラムニストの荒川和久氏が提唱する概念です。「わかる」などの共感や「楽しい」、「悲しい」といった感情(エモーショナル)を得ることを目的とした消費行動を指します。

手間のかかるフィルムカメラをあえて使用する、アイドルやアニメキャラなど推しの誕生日を祝うことなどがエモ消費です。Z世代を中心に注目されている消費行動で、精神的な満足感を得るために行われています。

マーケティングにおけるエモ消費とZ世代の関係性

エモ消費はZ世代において注目されている消費行動です。Z世代はマーケティングにおいてとても重要な存在であるため、たかが一世代と侮ることはできません。ここでは、エモ消費とZ世代の関係性を解説します。

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情報の訴求力の高さ

Z世代はデジタルネイティブ世代です。トレンドをすばやくキャッチし、SNSを使って拡散することに長けています。これは、マーケティングの観点で見れば「訴求力が高い」といえます。情報収集スキルも高く、訴求力にも優れているZ世代を取り込まない手はありません。

日本では、少子高齢化が加速しているため、Z世代の人口比率は少なくなっています。しかし、人数が少ないからと蔑ろにはできません。拡散力の点では多世代を圧倒している存在であるため、その力は利用すべきでしょう。

現代の日本では、Z世代が発信した情報を全世代がキャッチする構図ができあがっています。企業がマーケティングを行う際には、Z世代を無視できないほど大きな存在となっているのです。

LTVの向上

LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」という意味で、顧客が生涯にわたって一定の企業に寄与する価値を指します。Z世代を取り込むことは、このLTVの向上が期待できる点でも、注目を集めているのです。

Z世代に含まれる10~20代前半には、学生も含まれています。経済的に自立していないため、購入金額や顧客単価の観点で見ると他世代に劣りますが、この若い世代を「未来の主力層」とみることもできるのです。

10代のうちに投資としてマーケティングを行うと、早いうちからブランドへの愛着が生まれます。その段階でファン化できれば、経済的に自立したあとに長い期間利益を生み出してくれる存在となり得るのです。

エモ消費を満たすための条件3つ

エモ消費といわれる消費行動を起こすには条件があります。ここでは、エモ消費を満たす3つの条件について解説します。

【経験】モノ・光景・シチュエーションに共感する

エモ消費の引き金となるのは、経験を元に共感を生み出すことです。自身が経験したシチュエーションを消費者に思い出させ、そこに共感することが必要となります。

例えば、ファン同士が集まって推し(アイドルやアニメキャラ)の誕生日を祝う「本人不在の誕生日会」をする人が増えています。これは、推しのグッズや写真を部屋やレンタルルームに並べて写真を撮ったり、ケーキを食べたりして過ごすものです。

大好きな推しの誕生日を祝い、SNS映えする飾り付けをするのは「楽しい」という感情を生みます。推しのグッズに囲まれて過ごす時間は、ファンにとっては何よりも幸せで楽しいものなのです。

そうしたシチュエーションを想像するなかで、エモーショナルな感情を呼び起こし、消費者同士でその感情を共有できればエモ消費につながります。

【ハッピー】モノ・光景などに触れて幸せだと思う

エモ消費は、ネガティブな感情からは生まれません。経験や思い出を思い起こして「ハッピー」な気持ちになることが大切です。その体験や行動をすることで、満足感や幸せを味わえることが分かっていれば、エモ消費につながるのです。

前述の「本人不在の誕生日会」の例でも、推しの誕生日をお祝いできて幸せを感じ、同じ気持ちを持つファンと共有できることに対して「楽しい」というポジティブな感情をもちます。こうしたハッピーな気持ちを連想させることが大切なのです。

【コミュニケーション】幸せや共感が共鳴して別の誰かに伝わる

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エモ消費では、体験した「エモい感情」をSNSなどでシェアすることが消費者のゴールです。拡散することで、承認欲求を満たすだけでなく、インターネット上の無数の同志とエモい感情を通してコミュニケーションをとり、情報を交換できます。

前述の「本人不在の誕生日会」でも、発信者の幸せな感情と体験がフォロワーに伝わり、「来年は参加しよう」、「自分でやってみたい」とさらなる消費を生むことにもつながるのです。そのため、シェアしやすい仕掛けを用意したり、公式アカウントがハッシュタグをつくって発信したりすると盛り上がります。

まとめ

エモ消費は、今最も注目されている消費行動です。Z世代を中心とした消費行動ですが、全世代の中でもトップの拡散力を誇るZ世代を取り込まない手はありません。
SNSなどで、Z世代が発信したことをほかの世代が享受する仕組みができあがっているため、Z世代に特化してマーケティングを進めるのもひとつの方法です。
Z世代に刺さるマーケティングでエモ消費を促し、自社のサービスや製品を広く拡散する仕組みづくりをしましょう

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