データマーケティングコラム

マーケティングDXに欠かせないマーケティング部門とIT部門の連携

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DXは様々な分野で進んでおり、マーケティングも例外ではありません。実際、マーケティングDXを実現するために、多くの組織で新規ツール導入やデータ活用が盛んに行われています。このツール導入・データ活用で大切なのが、マーケティング部門とIT部門の連携です。しかし、部門間の連携は簡単ではなく、しばしば軋轢が生じることもあります。そこで本記事では、連携が上手くいかない3つの原因とそれぞれの解決策を解説します。

マーケティング部門とIT部門の連携が上手くいかない3つの原因

ここからは両部門の連携不足につながる3つの原因を、実際の事例を交えつつご紹介します。

原因1:お互いの「作業プロセス」の連携が取れていない

それぞれの部門が担当する作業プロセスをお互いに把握していないと、中間の作業が抜け落ちてしまいがちです。

例えば、マーケティング部門が既存顧客の売上分析をするために、過去10年分の売上データ抽出をIT部門に依頼したとします。マーケティング部門としては、「データ分析」のみが担当する作業で、データの「抽出」と「加工」はIT部門がやってくれるだろうと考えていました。IT部門は「データ抽出」を依頼されたので、「データ加工」はマーケティング部門が行ってくれると思っていました。

こうした作業プロセスの認識齟齬が起こると、「データ加工」の中間作業が抜け落ちてしまい、依頼した/してないと部門間に溝が生じる可能性があります。

原因2:お互いの「システム(ツール)」の連携が取れていない

これはマーケティング部門が単独で新しいシステム(ツール)を導入した際によく起きる事象です。

マーケティング部門が、IT部門に確認せずツールを導入した結果、もともと社内で使用していたデータベースと連携できず、分析を行うたびにIT部門に依頼して、データをエクセルでダウンロードして受け渡しするなど、無駄な工数が発生してしまいます。

IT部門目線では「導入時に一声かけてくれれば…」、マーケティング部門目線では「データ抽出依頼するたびに面倒そうな態度をとられて困る…」と部門間の歪みにつながります。

原因3:片方の部門の意見を強く反映してしまう

どちらか片方の部署が主導して、自部門の意見を強く反映したシステム(ツール)運用方法を検討すると、どうしても部分最適化したものになりがちです。基本的に、IT部門はシステムドリブン、マーケティング部門は現場・マーケティングドリブンで物事を考えます。

結果として、IT部門が主導した場合には、データを保守・管理するには最適な運用であるものの、普段使いするマーケティング部門としては使いにくくなるはずです。逆に、マーケティング部門が主導した場合には、日常的なデータ分析はしやすいものの、IT部門としてはデータの保守・管理が大変になってしまうでしょう。


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マーケティング部門とIT部門の連携を強化するための解決策

前章でご紹介した3つの原因に対して、連携を強化する解決策をそれぞれご説明します。

解決策1:作業プロセスの連携を図る

データ分析はマーケティング部門が担うことが多いため、基本的にはマーケティング部門からIT部門に依頼をしてデータを抽出してもらうケースがほとんどでしょう。

このときに重要なのは、マーケティング部門がデータ抽出を依頼する際にデータ活用の目的をIT部門に伝達し、依頼したい作業プロセスを明確にすることです。両部門が互いの作業プロセスを正しく認識することで、データ抽出・加工・分析の各プロセスが孤立しなくなります。

ここで抜け漏れやすいのが「データ活用目的の伝達」です。
仮に「データ加工」までをIT部門に依頼したいとします。このとき、データ活用目的が分からないと、どうデータを加工すればよいか分からず、期待するアウトプットが得られないでしょう。

そのため、作業プロセスだけでなく、データ活用の目的も含めて、両部門で共通認識を取ることが理想です。

解決策2:システム(ツール)の連携を図る

システム(ツール)導入時に、既存システムと連携ができるものを選定するのが解決策の2つ目です。

しかし、既存システムとどうしても直接連携ができないケースもあるかと思います。そのときは、両部門が利用できるETLツールやBIツールの導入を検討しましょう。

ETLツールは社内外のデータを抽出・加工できるツールで、Extract(抽出)、Transform(加工)、Load(送出)の頭文字を取ったものです。BIツールはさまざまなデータを分析・見える化できます。こうしたツールを活用することで、間接的にシステムの連携を図ることが可能です。

解決策3:両部門の落としどころを見つける

システム導入を検討する際は、システムドリブン、マーケティングドリブンのどちらかに偏るのではなく、両部門の中間地点となる落としどころを見つけましょう。

具体的に進める際には、両部門がそれぞれ「絶対に譲れない必須条件」と「あったら嬉しい希望条件」を整理し、部門間で共有します。そのうえで、お互いに譲れない必須条件は議論を重ねつつ落としどころを見つけ、希望条件については外すことも視野に入れて運用を決めていくとスムーズです。

事前に必須条件・希望条件を可視化し、共有することがポイントですので、ぜひトライしてみてください。

部門間の連携にお困りの際はクロス・マーケティングへ

本記事でご紹介した原因と解決策を参考に、まずは自社内で部門間の連携に挑戦してみましょう。しかし、既に部門間に大きな溝があったり、両部門の落としどころが見つからなかったりすることがあるかもしれません。

そのときはぜひ、クロス・マーケティングにご連絡ください。クロス・マーケティングは、マーケティングDXパートナーとして、お客様のマーケティング課題を解決してきました。またクロス・マーケティングは、データマーケティング事業として、BIツールなどのシステム導入支援にも領域を広げております。クロス・マーケティングにご相談いただければ、マーケティング視点、システム視点の両方を兼ね備えたデータマーケターが、貴社のマーケティング部門とIT部門の間に立って、ご支援させていただきますので、お気軽にご相談ください。

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