データマーケティングコラム

BtoBマーケティングの新しい形?データを活用したABMについて解説

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近年、BtoBマーケティングが大きく変化しています。そのひとつが自社にとって高い価値をもたらしうる顧客を早い段階で選定しアプローチする手法「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」です。本記事では、今後ますます注目されるABMについて、その背景や重要性、実現方法を解説します。

ABMとは

ABMとは「Account Based Marketing」の略で、BtoBにおけるマーケティング手法のひとつです。ABMの実践によって、自社への高い売上が期待できるアカウント(=企業や団体)に焦点を定めたマーケティング活動が実現できます。

近年では「MA」「SFA」「CRM」といった、営業・マーケティング活動を支援するデジタルツールが普及しています。これらのツールを活用した顧客データの分析により、自社にとって売上ポテンシャルの高い企業を把握することが可能になりました。特定の企業に合わせてプロモーションやカスタマーサポートなどを個別最適化できるため、個人の勘や経験に依存しない、より効率的・効果的な活動を行うことができます。

例えば、予算が少ない企業に営業・マーケティング活動を行っても、あまり効果的とは言えません。限られたリソースを最大限に活用するためにも、デジタルツールでアカウントデータを管理・分析し、営業・マーケティング活動のターゲットを絞るというABMの実践が注目されています。

その他のマーケティング手法との違い

BtoBマーケティングの代表的な手法のひとつに「デマンドジェネレーション」があります。

デマンドジェネレーションは、見込み顧客の「獲得」「育成」「選定」という3つのプロセスを経て、受注確度の高い顧客を「創出」するという考え方です。これらのプロセスはマーケティング部門が主体となって実践され、有望顧客がリストアップできた段階で営業部門に渡されます。営業部門はその顧客リストをもとに商談機会をつくり、受注獲得へと進めます。デマンドジェネレーションは多くの見込み顧客に一律のアプローチで働きかけることができる一方、顧客ごとに異なる検討状況やニーズに対する個別最適化は難しいというデメリットがあります。

対してABMは初期段階から自社にとって価値の高い顧客を発見し、最も適切なマーケティングアプローチで売上を最大化することに主眼を置いています。そのためターゲットが何を求めているかを知り、顧客の深い分析・理解が必要です。実現には営業部門とマーケティング部門の連携が不可欠で、営業部門が持つ情報はもちろん、自社にある様々な情報を横断的に活用し、マーケティング施策に落とし込むことが重要となります。

また、営業担当が広範囲な活動から見込み顧客を発掘して商談を依頼するという従来型の営業アプローチとも異なり、ABMは営業・マーケティング部門の持つ情報を分析して初期段階から有望な見込み顧客を特定し、最適なチャネル・コンテンツで訴求することで売上確度の高い商談機会をつくります。また、営業部門が商談結果をマーケティング部門にすぐフィードバックすることで、訴求方法や内容をすばやく改善、追加するといったPDCAサイクルを回せることも大きなメリットです。

これらのアプローチはターゲットアカウントに対して個別最適化された活動になるため、マーケティングコストの削減、受注率と売上単価の上昇により、従来のマーケティングよりも高いROI(投資利益率)が期待できるでしょう。


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ABMを実現するには

ABMでまず重要なことは「自社の売上に大きく貢献する企業」を発見することです。業種、業態、企業規模、所在地といった属性データに加えて、事業やソリューションとの親和性、競合との取引状況、自社のホームページのアクセスや問い合わせ内容など、実に様々な情報から総合的に判断します。また、自社のこれまでの優良顧客の実績を分析し、その傾向とマッチする企業をリサーチするといった方法も有効でしょう。

そのためABMを実践するには社内にデータドリブンな体制を構築することが不可欠です。というのも、自社の様々な部門やコンタクトポイントに点在する各種データを収集・統合・可視化することで、はじめて企業の分析が可能になるからです。しかし、データ分析の人材育成や組織構築を行うことは現実的には難しく、時間もかかるため、外部の専門家の協力を得ることが非常に有効です。

クロス・マーケティングでは、マーケティング視点でデータを扱うことができる優秀なデータマーケターが多数在籍しています。ABMの実践に際した社内データの収集・統合・可視化だけでなく、これまでの優良顧客分析も実施可能です。データ分析業務でお悩みの方は、ぜひ一度クロス・マーケティングへお問い合わせください。

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