データマーケティングコラム
VOC分析【後編】マーケティング担当者必見!VOC分析の進め方
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前回のコラムではVOC分析について、VOCが重視される理由とその収集方法をお伝えしました。しかし、VOCの特徴や重要性は理解しているものの、実際にどのように導入し活用すればいいかわからないというマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。そこで後編では、VOC分析の進め方やポイントについて解説します。
VOC分析を進めるポイント
VOC分析を効果的に行うための重要なポイントを5つお伝えします。1. 目的を明確にする
まずは「VOCをどのような目的で活用したいか」を明確にしましょう。例えば、新商品の開発、既存サービスの改善、プロモーションの変更、顧客応対品質の向上など、解決すべきマーケティング課題により、どのチャネルからVOCを収集し、どのように分析を行うべきかが変わってきます。
VOCを集めてから何を解決したいのかを考えてしまうと、本当に必要なVOCが集められておらず、ただ時間と費用を無駄にしてしまった、ということにもなりかねません。まずは解決すべき課題を明らかにしてから、目的達成に向けた最適なVOC収集・分析の計画を立てて取り組みましょう。
2. 適切なチャネルから収集する
設定した目的にあわせて、前編でお伝えしたVOCを収集するチャネルを決めましょう。例えば、前述の「既存サービスの改善」が目的であれば、レビューサイトや口コミサイト、利用者へのインタビュー調査などで得られるVOCが参考になるでしょう。「顧客応対品質の向上」が目的であれば、カスタマーサポートから接客に対するVOCを収集すると、顧客の不満や感謝の声から今後改善すべき点が明らかになるかもしれません。このようにチャネルによってVOCの特徴が異なることを理解し、目的に近いチャネルからVOCを収集することで、その後の分析やアクションのスピードや質を高めることができます。
3. VOCの運用体制をつくる
収集するVOCと活用目的に合わせて、適切なツールや社内の運用体制を整備しましょう。VOCは大量のデータを収集することが多いため、担当者が手動で行おうとすると膨大な時間がかかってしまいます。また、一人の担当者に任せっきりにしてしまうと、分析や解釈が属人的になり、効果的なVOC分析を継続することができません。VOCの収集には専用サービスやプログラムの利用、分析にはテキストマイニングや音声解析ツールを利用し、効率的かつ精度の高いVOC収集・分析ができる体制をつくるべきです。また、商品開発・改善活動を継続的に行うために、VOC分析を業務プロセスの中に組み込み、必要なリソースと協力を確保できるよう、関連部署や経営者の理解と承認を得ることも重要なポイントです。
4. 目的に応じた分析をする
VOC分析はただ顧客の声に目を通せばいいというものではなく、そこからどのような発見や気づきを得られるかが重要です。例えば、仮説検証の分析であれば裏付けられるVOCを収集してカウントしたり、顧客ニーズの分析であれば収集したVOCを読み込んだり、カテゴリごとに分類して新たな仮説を発見するなど、目的次第で分析アプローチは異なってきます。また、VOCから新たな仮説を発見した場合は、生活者アンケートを実施することで定量的に仮説検証をすばやく行うことができます。このように目的に応じて、最適な分析の計画を立てて実行していくことが重要です。
5. アクションにつなげる
VOCを分析することができたら、課題解決策を立案し実行アクションに移しましょう。この段階では分析担当者だけでなく、関連部署と担当者の理解を得て分析結果を共有し、協力して進めていくべきです。また、課題への対策を実行した後は効果検証が重要です。例えば、サービス改善により顧客の不満は解消されているのかなど、最新のVOCを分析したり、アンケートを実施するなどして必ず効果を確認しましょう。もし期待していた効果があがっていない場合は、再び改善策を検討する必要があります。
これら一連のプロセスがVOC分析の運用体制に組み込まれていると、より効果的なサイクルでVOC活用を進めることができます。
まとめ
VOCはその声がポジティブかネガティブかに関わらず、顧客の真の要望や意見を含んでいるため、商品開発やマーケティング戦略策定に役立つ重要な情報です。しかし、ただ顧客の声を集めて眺めているだけでは意味がなく、適切な分析とアクションを組織横断で行うことではじめてその企業の財産となります。そのためにも、収集したVOCの集計やデータ統合、適切な分析方法の支援、仮説検証のためのアンケートの設計や実施など、VOC活用を効果的に進めていくためにはこれらを総合的にサポートできるマーケティングリサーチ会社を利用することも有効です。
クロス・マーケティングでは、調査の企画設計・実査代行だけではなく、収集したVOCの集計・分析やBIツールでの可視化といった、VOCを具体的なアクションにつなげるための一気通貫した支援が可能です。VOC分析にご関心を持たれた方はぜひお気軽にご相談ください。