データマーケティングコラム
VOC分析【前編】なぜ企業にとってVOCが重要なのか?
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「顧客の声に耳を傾ける」とは、ビジネスにおける基本中の基本の姿勢であることは言うまでもありません。しかし、口で言うのは簡単ですが、「ただ人の話を聞けばいい」というわけではなく、そこには適切なアプローチやノウハウが必要となります。そこで本記事では、顧客の声に耳を傾けるアクション「VOC分析」について、その重要性や特徴、分析の進め方などを2回に分けて詳しく解説します。まず前編では、VOCが重視される理由と収集方法についてお伝えします。
VOCとは?
VOCとは「Voice of Customer」の略で「顧客の声」を意味します。SNSやECサイトでの商品の感想やレビュー、コールセンターでの要望や問い合わせ、アンケートの回答など、顧客のあらゆるリアルな生の声のことを指します。VOCにはニーズや不満といった顧客のホンネが詰まっているため、製品やプロモーションの開発・改善につながるマーケティングのヒントの宝庫です。
VOCが重視される理由
企業においてVOCが活用される理由としては以下の3つが挙げられます。1. 生活者ニーズが把握できる
新型コロナウイルス感染症や世界情勢の不安による生活意識の変化、デジタル化やテクノロジーの発達による利便性の向上やコミュニケーションの変化など、私達のライフスタイルやトレンドは日々めまぐるしく変化しています。そのような変化をとらえるために欠かせない情報がVOCになります。
VOCを収集・分析することで生活者の実態を把握することができ、商品に対する不満や要望だけでなく、今まで気づかなかった潜在ニーズの発見が可能になります。
2. 商品開発やマーケティングのヒントになる
生活者の不満やニーズが発見できると、商品・サービスの開発やマーケティング施策に反映することができます。例えば、SNSや口コミサイトで商品に対するリクエストが投稿されていた場合、担当者は新製品やアップデートでの対応、プロモーション施策を検討することができるでしょう。VOCが多く集まることで顧客ニーズの傾向を把握することができ、開発の方向性や優先順位の決定に役立てることも可能です。
また、VOCが商品・サービス改善や開発に反映されると、生活者も「この会社は自分の気持ちをわかってくれている」と感じ、今後も応援してくれるという顧客ロイヤリティの向上も期待できるでしょう。
3. 顧客心理や行動理由がわかる
アンケートやサイト解析による定量的な分析は全体傾向の把握やトラッキングに重要な指標となりますが、その数値の意味や理由を知るにはVOCのような定性的な情報が重要です。例えば「80%の人が不満だった」という結果が得られた場合、不満の方が多いということはわかりますが、何が不満だったか、どう改善すればいいかまでは見えてきません。
VOCを収集・分析することで、顧客の心理や行動理由をより深く理解することができ、具体的な開発や改善のアクションに活かすことが可能になります。