データマーケティングコラム

データ分析を妨げるデータのサイロ化とは?解消法についても解説

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DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が徐々に定着しつつある昨今、AIやIoTのシステムを構築してデータの利活用に乗り出す企業が増えてきました。しかしながら、現代の企業の多くがデータの「サイロ化」と呼ばれる事象に悩まされていて、データの利活用は思うように進んでいないのが実情です。今回はデータのサイロ化について、その解決方法も交えてお伝えしていきます。

データのサイロ化とは

サイロとは、家畜の飼料を保存しておく円筒状の建屋のことです。牧場などに行くとよくみられます。サイロ化とは各々の事柄がサイロのように独立していて、その間で連携ができない状態を指し、主に企業組織やデータなどでみられる現象です。

データのサイロ化により発生する問題

最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がよく使われるようになりましたが、このDXを実現するためには、部門間でのデータ共有・活用が必要不可欠です。しかしDXの実現を阻む問題がサイロ化によって複数出現します。ここでは、その問題についてみていきましょう。

データを組織間で横展開できない

ソフトウェアは通常、個々の組織に最適化された状態で構築されるため、そのデータは生成されたソフトウェアでしか読み込めないという状況がしばしば発生します。そのため部門横断的にデータを活用するには、まずはデータの形式を共通の形式へと整理する「クレンジング」という作業が必要になります。
しかしクレンジングを通じて汎用的に使える状態へデータを変換することは容易ではありません。特にサイロ化の状態にある組織においては、クレンジングに大量の時間を割く必要がある状態によく陥ります。

意思決定の速度が鈍化する

意思決定は一般的にデータに基づいて実施されますが、組織間でデータがサイロ化されているとデータの収集に時間がかかります。結果として意思決定の速度が鈍化することになります。

システムの運用コストがかさむ

同じ企業内の別組織でバラバラにシステムを運用すると、同じようなシステムを2つも3つも運用することになってしまい、管理のための人件費がかさみます。またライセンス費用も重複してしまうことが多くなります。

データのサイロ化の解決には大きなメリットがある

データのサイロ化を解消すると、先述したデメリットを解消でき、業務の効率化に繋がります。また、企業の中に眠る膨大なデータに対して部門の壁を超えてアクセスすることができるようになるため、従来では想像もつかなかったソリューションを見出していけるのです。

データのサイロ化を解決する具体的な方法

最後にデータのサイロ化を解決する方法について、具体的にみていきましょう。

社内のデータ運用に対する体制整備

どのようなプロジェクトを開始する場合でもいえることですが、まずは体制の整備が重要です。メインでプロジェクトを推進する担当者だけではなく、関連部門もすべて関わらせましょう。
プロジェクトキックオフの際に、対応スケジュールや想定コストなどと合わせて体制についても整理し、資料にまとめて合意をとっておくことが大事です。

データの整理

続いて企業内に散らばるデータを整理しましょう。
データ整理の初期段階には、データ統合ソフトウェアの使用が有効です。データ統合ソフトウェアを使用すれば、各サイロにあるデータを必要最小限の整理で登録していけます。
各サイロで更新されたデータも、所定のデータ変換プロセスを経てデータ統合ソフトウェアに登録するようにします。データ統合ソフトウェアには分析機能も備わっていることが多いため、問題なく分析にも入っていけます。

統合データシステムの運用

データ活用が進むと、データ統合ソフトウェアでは対応しきれないデータのボリュームになることもあります。
そのため最終的には各組織で発生するデータを一つの形式にまとめ、統合データシステムを構築して、そのデータベースにデータを登録していけると理想的です。統合データシステムを導入できれば、組織の誰もがデータを活用できるようになり、イノベーションも生まれやすくなります。


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統合データシステムを構築してデータのサイロ化を解消した例

実際に統合データシステムを運用してサイロ化を解消し、その後のデータ活用を促進した例をみていきましょう。

DMPによるデータ統合

とある企業では、販売店・マーケティング部門・システム部門が、それぞれ独自にデータを管理していて、いわゆるサイロ化の状態に陥っていました。そこでDMPを活用しデータを統合することで、顧客行動の分析ができるようになりました。
DMPとはData Management Platformの略で、インターネット上でバラバラに管理されているデータや複数組織にまたがる自社のデータを効率よく集める仕組みのことです。データ集計にあたってデータ整備の必要はありましたが、事業への活用ができるようになりました。

データの仮想化を活用

とある企業では、データに複数のバージョンが存在し、かつ異なる形式のデータがうまく活用できていませんでした。そこでデータの仮想化を実施することで、データ基盤の物理的な統合をせずにデータの活用を開始できました。
データの仮想化とは、見かけ上データを統合する技術です。データの仮想化を実施すると、データ集計の際に各データベースや各データウェアハウスなどから都度データを取得し、必要な処理を実施して画面に表示できます。
データをどのように整形してマージするかの仕組みは、事前にデータ仮想化ソフトウェアへの登録が必要です。

データのサイロ化を解消して新たなイノベーション創出を

データのサイロ化とは、企業の組織ごとにデータが独立して組織間で共有されていない状態を指し、意思決定の遅れやシステム運用コストの肥大など企業に悪影響を及ぼします。このデータのサイロ化を解消できれば、企業運営がスムーズになり、新たなイノベーション創出も期待できます。

クロス・マーケティングでは、今回ご紹介したデータのサイロ化を始めとした社内のデータ活用に関するお悩みの解決に向けた各種支援をご提供しております。DX推進に向けた課題をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。


■参考サイト:
https://bcart.jp/glossary/w/195/
https://www.teradata-jp.com/post/202004_silo-1
https://www.ntt.com/bizon/glossary/j-s/silo.html
https://www.intec.co.jp/column/detail/06.html
https://www.pasonatech.co.jp/workstyle/column/detail.html?p=2729
https://experience.dropbox.com/ja-jp/resources/breaking-down-silos-between-teams
https://www.nttdata-gsl.co.jp/related/column/silos-and-dx.html
https://www.boxsquare.jp/blog/what-are-disadvantages-of-information-silos
https://commmune.jp/blog/202104261358/

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