データマーケティングコラム
需要予測の手法の種類とは?需要予測の意味や複数の手法の概要を解説
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グローバルな競争が激化している昨今、正確な需要予測はどの企業でも至上命題です。しかしながら、どのような内容で需要予測を実施すればよいか迷っている担当者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。需要予測と一口にいっても、場合によってさまざまな手法を使い分ける必要があります。今回は、需要予測の意味や複数の手法の概要について解説していきます。
需要予測の意味をおさらい
需要予測とは、自社の提供するプロダクトやサービスの短期的あるいは長期的な需要を予測することです。需要予測は、企業における仕入れ、生産、販売、人員配置、設備投資、資金調達などの計画策定を大きく左右します。従来では、需要予測は過去の数値や経験、慣例を重視し、細かく数字を追いながら需要予測をすることは稀でした。しかしながら、昨今は世界中の企業で競争が激化しているため、需要予測の判断ミスは、ビジネスチャンスのロスや過剰在庫につながる恐れがあります。また企業の利益最大化のためには、精度の高い需要予測が欠かせません。
現在では、精度の高い需要予測が経営において必須となってきています。
需要予測の種類
需要予測には、場合によってさまざまな手法が存在します。どのような種類があるか、一つずつみていきましょう。算術平均法
算術平均法は、過去のデータの算術平均を計算し、今後も同じく不規則な変動が続くものとして算術平均値を予測値とする手法です。最小二乗法の原理を利用し、誤差のある測定値を分析するときに役立ちます。回帰直線法
回帰直線法は、上昇傾向あるいは下降傾向にあるデータを分析するときに使用する手法です。データの流れを直線で表し、傾向を求めます。算術平均法と似ていますが、複数の数値の平均を一つの数値として取り扱う算術平均法に対して、そのままのデータで求めるのが回帰直線法です。時系列分析法
時系列分析法は、過去の販売データをもとにして分析を実施する手法です。過去複数年にわたって実績がある場合に使用できます。状況によっては以前のトレンドなども交えて分析します。シーズンごとの販売実績を加味するか、以前のトレンドが再流行するかなどの内容があるかないかによって、4つの手法を使い分けるのが特徴です。・非季節手法
・季節手法
・ARIMA(自己回帰和分移動平均)モデル
・重回帰分析
移動平均法
移動平均法は、移動平均を求めたい中心となるデータから、前後いくつかのデータで平均をとって需要予測をする手法です。一般的には昨年の売上データの平均を利用して求めます。移動平均は、仕入れた時点の商品(受入棚卸資産)と在庫棚卸資産の平均原価を使って算出するため、仕入れの度に計算する必要があります。加重移動平均法
加重移動平均法は移動平均法の一種で、移動平均法よりも最新の需要変動の影響を考慮した方法です。それぞれの各月の販売数量に加重係数(加重係数の合計は1)をかけ合わせて求めていきます。場合によっては移動平均法よりも正確な結果が期待できます。指数平滑法
指数平滑法は、過去の販売から算出される予測値を使って需要を予測する手法です。前回の実績値が予測値とどれだけ乖離していたかを確認し、一定の平滑定数aを乗算して予測値を導いていきます。aは0~1の間で設定され、1に近いほど予測値に近い予測ができ、0に近いほど前回実績値に近い予測ができます。予測値はa×前回実績値+(1-a)×前回予測値という式によって導かれます。ホルト・ウィンタース法
ホルト・ウィンタース法は、傾向と季節性の両方を含められる一般的な時系列予測手法です。時系列データの標本数が少なく、季節指数が作成できない場合でも、外部で作成した季節指数を利用できます。需要に明確な季節変動がない場合は活用できないため、注意が必要です。多変量解析
多変量解析は、多くの情報を基にその関係性を解き明かす解析作業の総称です。「消費者アンケートの結果から競合と比べて自社の商品の強みと弱みを知りたい」「既存店舗の売り上げや商圏人口などのデータから、チェーン店が次にこの場所で新たに店をオープンした場合の将来的な売り上げを知りたい」といった場合に、複数のデータを活用して問題を解決できます。さまざまな手法を使い分け、適切な需要予測を
需要予測とは自社製品やサービスなどの需要を未来にわたって予測することです。需要を予測する状況に応じてさまざまな手法が存在するため、状況に応じて手法をうまく使い分け、場面に応じた適切な需要予測をしていくことが必要です。クロス・マーケティングには、お客様のデータ分析を行うデータマーケティングチームがあります。過去の売上データをもとにした需要予測分析などについても、データマーケターが対応いたしますので、お気軽にご相談ください。