4年間の定量・定性調査を掛け合わせて見えた生活者の本質

三菱食品株式会社様
写真左から)
弊社 リサーチソリューション本部 石田、三菱食品株式会社 経営企画本部 戦略研究所 生田 園深様、本田 裕之様、安藤 若葉様、地頭所 裕美様、津曲 玲子様、弊社 カスタマーソリューション本部 福原

国内外の加工食品、低温食品、酒類及び菓子の卸売を主な事業内容とし、さらに物流事業及びその他サービス等の事業活動を展開している三菱食品株式会社様(以下、三菱食品)。
クロス・マーケティングでは、コロナ禍で変化した新しい生活様式を捉えるための「生活者調査」をサポートしています。

今回は、「食」が提供する価値をさらに拡充すべく、生活者のライフスタイルや世の中全般的な変化、そこから考えられる機会と脅威を発信・提言している「戦略研究所」の5人のキーマンに、クロス・マーケティングとの取り組み内容などを伺いました。

ご相談企業様のご紹介

三菱食品ロゴ
三菱食品株式会社 安藤 若葉様
三菱食品株式会社
経営企画本部 戦略研究所
マーケティングインテリジェンスグループ スペシャリスト
安藤 若葉様
生活者調査研究、展示会企画をご担当。「生活者調査」プロジェクトの推進をメインで行う。
三菱食品株式会社 本田 裕之様
三菱食品株式会社
経営企画本部 戦略研究所 所長
本田 裕之様
戦略研究所のマネジメント全般をご担当。
三菱食品株式会社 地頭所 裕美様
三菱食品株式会社
経営企画本部 戦略研究所
地頭所 裕美様
社会・生活者の中長期トレンド研究、ビジネスシーズ調査研究をご担当。
三菱食品株式会社 生田 園深様
三菱食品株式会社
経営企画本部 戦略研究所
生田 園深様
食品小売業界の業態動向研究や、生活者調査研究をご担当。
三菱食品株式会社 津曲 玲子様
三菱食品株式会社
経営企画本部 戦略研究所
津曲 玲子様
生活者調査研究、展示会企画をご担当。

プロジェクト概要

課題

  • 新型コロナウイルスの感染が拡大していた2020年、生活様式など様々な変化が起きていた
  • 「新しい生活様式」への変化を具体的に捉えきれていないことに課題

取り組み

  • 生活全般、食卓調理、購買行動の3つの領域を中心に生活様式を捉えるための「生活者調査」を実施
  • 定量調査で仮説を検証したのち、定性調査でより深堀りしていくことで生活者を包括的に理解

効果

  • 展示会で、調査結果を活用した展示物がお客様から好評をいただき、資料配信依頼は全展示コーナーで1位を獲得
  • 大学の寄附講座でも調査した結果を活用

Interview

生活者を理解するためには多角的な理解が必要。最適な調査手法とは?

――弊社に「生活者調査」をご依頼いただく前に、三菱食品様で抱えていた課題について教えてください。

調査の依頼を開始した2020年は、新型コロナという言葉がニュースや新聞にたくさん取り上げられていた時期で、様々な変化があった時期でした。
そのため、弊社としても「新しい生活様式への変化」を具体的に捉え切れていないという課題を抱えていました。
そこで、「新しい生活様式への変化」を捉えるために、3つの領域=生活全般・食卓調理・購買行動を中心に、調査を実施することになりました。

――クロス・マーケティングに調査をご依頼いただいた経緯について教えてください。

数社と事前に打ち合わせを行いましたが、ご提案が良かったこと、営業の方の対応が親身だったことなどが決め手となり、クロス・マーケティングに依頼しました。
また、過去に他の調査をご一緒したことがあったので、安心感もありました。 調査を開始して4年経過していますが、現在ご担当いただいているリサーチャーの方も営業の方も、親身にご相談に乗ってくださいますので安心してお任せできます。

 

対談写真1

――「新しい生活様式への変化」を捉えるために、具体的にどのような調査を実施されましたか?

年に2~3回、定量調査と定性調査を実施しています。
ネットリサーチで定量的に仮説を検証したあとに、ネットリサーチの回答者の中から対象者を選定して深堀りするためのインタビューを行うことで、定量・定性の両方のデータを取得しています。
インタビューも合わせて実施することで、ネットリサーチでは知ることのできない、詳細な内容をヒアリングすることができるので、回答者様の想いや悩みの深さ等を実際に感じ取ることができます。

調査の中では、毎回継続して聴取している設問以外に、1つテーマを決めて調査を実施しています。
前回は、主に企業などで仕事をしながら家族等の介護をする人々を指す「ビジネスケアラー」についても聴取しました。

――調査を運用する際に、クロス・マーケティングがお役に立てた点がありましたら教えてください。

インタビュー対象者の絞り込みを行う際のクロス・マーケティングからのアドバイスや、対象者をカテゴリ分類したExcel表がとても使いやすいので気に入っています。
また、インタビューは弊社の社員がモデレーターを行いますが、オンラインで実施する際も、参加者の方への通信状況などの事前確認や、当日のフォローアップを行っていただけるため、安心してモデレーターに注力することが出来ています。

 

対談写真2

定量・定性調査の組み合わせで生活者への理解を深めることに成功。

――調査結果は、どのような形でご活用いただいていますか?

弊社では毎年、「食で創造する、持続可能な社会」を基に様々な切り口での企画をご用意して『三菱食品ダイヤモンドフェア』という展示会を開催しています。2024年は、約8500人の来場者様にお越しいただきました。
この展示会の一部で、クロス・マーケティングにて実施した調査データを活用しています。

2024年の展示内容としましては、食料支出の44%を占める食のコンシューマーであるシニア層に注目し、60〜84歳のシニアを「ゴールド世代」と定義しました。年代別の課題やニーズ、課題、ライフスタイル、食生活や買い物について分析し、そこから導き出した事例やヒントをパネルで表現しております。
おかげ様で、展示会に来場してくださった皆様から大変なご好評をいただいておりまして、資料配信依頼は展示会の全コーナーで1位を獲得しました。

調査した内容を元に作成いただいたパネル例
調査した内容を元に作成いただいたパネル例


――定量調査と定性調査を組み合わせて実施することで、得られた効果はありますか?

展示会で調査内容を提示する際に、定量調査と定性調査の結果を同時に出し、キャッチコピーをつけたことが良かったと社内外からたくさんのお褒めの言葉を頂きました。
定量・定性の両方の結果を用いたことで、データの信頼性が向上したと感じています。
調査チームとしても、改めて定量調査と定性調査のセットで行うことで、包括的な生活者理解が進むと再認識しました。

――調査結果は、他にどんな場面でご活用いただいていますか?

2017年以来、三菱食品では戦略研究所で調査・研究してきた内容を広くお伝えすべく、展示会の開催に合わせて「三菱食品マーケティングレポート」を発行し、各方面よりご好評いただいています。
また、2024年は調査内容の新たな発信方法として、大学の寄附講座でも調査した内容を一部活用しております。
研究者、生活者の皆様と三菱食品が食品流通にまつわる社会課題について「対話」し、課題解決に向けた糸口を探索する場となりました。

調査目的を実現するために、柔軟な対応と的確な提案を評価

――取り組みの中で、クロス・マーケティングの対応に対する印象はいかがでしょうか?

結果的に、毎回タイトなスケジュールになってしまい、ご迷惑をおかけすることが多いのですが、その都度、快く引き受けてくださるのでとても感謝しております。

調査の際は、弊社と反対の意見もきちんと言っていただけるので信頼しています。
また、先回りしてご提案してくださるのもありがたいです。


――最後にクロス・マーケティングに対して、今後期待することがあればお教えください。

これからもクロス・マーケティングには、次のビジネスにつながるような調査、サービスで支援していただければと思います。

対談写真3

クロス・マーケティング担当者からのコメント

リサーチソリューション本部 石田

Withコロナで変化した価値観を理解し、Afterコロナでの意識行動変容の“兆し”を捉えるため、2020年に始まった生活者調査は、調査回数を重ねるに従い「サステナブル消費」「家族観」「食費」「介護・ビジネスケアラー」といった、生活者を取り巻く社会的環境の変化に視点が広がりつつあります。
継続的に実施いただいている調査ですが、毎回、調査準備の初期段階でブレストに近い議論を弊社とさせて頂いています。
特に、テーマ調査については、目的と背景・調査結果から三菱食品様がどのようなメッセージを発信されようとしているか狙いについて、毎回ざっくばらんにうかがっています。
テーマ調査の設問案は三菱食品様が作成されていますが、テーマ・仮設検証に相応しい調査項目となるよう、状況によっては変更の対案を提案させていただくこともあります。忌憚のない検討のやりとりを重ね、よりベターな結果を追求することで、安心して調査を任せられるパートナーとして認めて頂ければ…と、調査実施に関わるメンバー一同、心掛けています。

カスタマーソリューション本部 福原

三菱食品様の展示会では、多くの食品メーカー様やリテール様が戦略研究所の皆様が書かれた記事や展示を見て参考になさっている姿を拝見し、食品業界を率いている三菱食品様へお力添えができていることを大変嬉しく感じております。
今後も、調査結果の活用方法をイメージすることで、三菱食品様の期待を超えられるように努めてまいります。

 

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