コロナ禍でも実現した、使いやすさを追求したヘアカラー剤の会場調査

株式会社ダリヤ様
写真右から株式会社ダリヤ 商品戦略本部 商品企画部・河合 信吾さま、葛西 晴香さま、弊社カスタマーソリューション本部・山口、弊社リサーチソリューション本部・神山

「SALON de PRO(サロン ド プロ)」「CLEODiTE(クレオディーテ)」といった白髪染め、ヘアカラー剤を中心に数々のヒット商品を生み出してきた株式会社ダリヤ様。

クロス・マーケティングでは以前から、ホームユースでの使用感調査や会場でのデザイン調査など様々な形で商品開発のサポートを実施。ここ最近は使用感調査でも、使用時の観察やインタビューをするために会場で行うような相談も増えてきました。

今回は、2020年に実施したヘアカラー剤の会場調査のお話を「サロン ド プロ」のリタッチワイドマーカーを担当する河合様、「クレオディーテ」のクリアリーカラーを担当する葛西様にお聞きしました。

当時はコロナ禍で緊急事態宣言が発令したばかり。そのようなイレギュラーな状況下で、どのように会場調査を実施したのでしょうか。


Interview

事前に想定していたイレギュラー対応。コロナ禍での会場調査。

──今回、クロス・マーケティングに依頼された経緯を教えてください。

河合 信吾さま(以下、河合さま) 私が担当していた「サロン ド プロ」のリタッチワイドマーカーという商品は、2020年の4月に会場調査をする必要があったのですが、ちょうどその時期、東京都に初の緊急事態宣言がでました。ダリヤ本社がある愛知県もいつ緊急事態宣言がでてもおかしくない状況のため、会社の方針で会場調査を今は受けられないというところがいくつかありました。そのような中クロス・マーケティングさんは発令されるまでは調査を実施すると言っていただけた、それが依頼した理由のひとつです。


商品画像
(右から3色)サロン ド プロ リタッチワイドマーカー
(左から2色)サロン ド プロ メンズワイドマーカー

 

──緊急事態宣言下で会場調査はどのように実施されましたか?

河合さま  リタッチワイドマーカーという製品は、塗ったその日に白髪を隠すだけでなく、毎日塗ることによって徐々に染まっていくという特長があるため、使用時の様子に加え、連続使用後の効果を確認する必要がありました。そのため、少し変則的な調査方法を計画しており、まず調査初日に調査会場で製品を試してもらい、持ち帰って自宅でも7日間使用していただく、その後再度会場にて使用後の写真撮影、アンケート及びインタビューを実施するという流れでした。

しかし、ちょうど初回の会場調査が終わった後に緊急事態宣言が発令され、2回目の会場調査を実施できなくなりました。そこで、クロス・マーケティングさんと相談し、アンケートを送付して自宅でご自身にて写真を撮っていただく方法に変更しました。

──突然、調査方法を切り替えることになり大変だったのではないですか?

河合さま 実際は切り替えにほとんど困りませんでした。緊急事態宣言がいつ出るかわからないという状況であったため、事前に代替の調査方法を想定していたからです。それでも「不都合が起こらないだろうか?」と心配ではあったため、無事に完結できてよかったと思っています。

ただ、皆さんスマートフォンでの撮影がほとんどだったので、ピントや光の加減によっては写真の色味がわかりにくく、何度も撮り直していただいたりと苦労はしましたね。

対談写真1

──クレオディーテの会場調査はどのように実施されましたか?

葛西 晴香さま(以下、葛西さま)  ヘアカラー剤の会場調査は、製品を試してもらった後に髪を洗い流す洗い場を確保する必要があります。会議室のようなレンタルスペースでは実施ができないため、過去の類似調査では一般的な住居のような場所を借りて、お風呂場で髪を流してもらう方法を取り入れています。

ただ、当時はコロナ禍に入ったばかりで、世間もまだコロナ対策には慣れてはいませんでした。そのため、モニターさんにできるだけ不安を与えないように、関係者も含めて会場内で密にならないようにすること、できる限り調査の時間をコンパクトにする必要がありました。

そんな中、クロス・マーケティングさんからの提案で、密を回避するためにモニターさんの染毛工程を別室でモニタリングをしたり、調査時間をコンパクトにするために染めてから洗い流すまでの待機時間でインタビューをしたり、様々な工夫を考えていただきました。おかげさまで限られた調査時間にも関わらず、きちんとヒアリングすることができました。


会場調査風景

会場調査風景

 

会場調査をすることでわかった、開発者と利用者のギャップ。

――会場調査を実施してよかったと思う点、調査の結果、商品に反映された改善点を教えてください。

河合さま そうですね。リタッチワイドマーカーは頭部に対して垂直に塗らないと生え際まで色が着きにくいことがあるのですが、すぐに寝かせて塗ってしまう方が多いことがわかりました。その結果を受けて、正しい使用方法をうまく促すような説明書づくりを工夫しました。

葛西さま 今回発売した「クレオディーテ」のクリアリーカラーという商品は、ヘアカラー前に付けるトリートメントが付属しています。今までのヘアカラー剤にはないものでしたので、実際に使ってもらって不便に思われないかを気にしていました。しかし一手間加えることで髪をいたわってケアをしている気持ちになれた、というような意見を多くいただき、間違った方向性ではないという確信を得ることができました。

ヘアカラー前のトリートメント自体は受け入れてもらったものの、粘度や香り等様々なご意見をいただきました。特に印象的だったのは香りです。私たちは職業柄色々な香りを嗅いでいるので、製品には香りをしっかり感じられるものを採用してしまいがちなのですが、一般の方は強めの香りを嗅ぐ機会が少ないので、びっくりされたのです。こういった職業上生まれてしまうギャップは、調査をしてみないとわからない点でした。


商品画像2
クレオディーテ クリアリーカラー


──最後にクロス・マーケティングへの印象と期待することを教えてください。

葛西さま ご担当の山口さん・神山さんはとても物腰が柔らかでコミュニケーションがとりやすく、仕事がやりやすかったです。私がまだ会場調査自体に慣れていない頃に、「こういうことを知りたいけども、どういう調査をすればいいのかわからない」と相談をすると、調査方法を一緒に考えていただいたり、色々なアドバイスをいただけたりと、大変助けていただきました。

さらに、担当商品のターゲット年齢に近かったので、実際に商品も使ってくださり、担当者というよりも一人のユーザーとしての目線も持ち合わせていました。

河合さま 連絡がスムーズですごく助かりました。やはり、担当の方と連絡がつきにくいと、早く相談したいことがあった際に困ることがありまして。特に今回はコロナ禍という過去に経験のない状況でしたが、対策を想定していたおかげでスムーズに滞りなく対応することができました。

今後期待することとしては、他の調査会社と比べたときに設問数の数え方に対して少し厳しいルールがあるので、改善されると嬉しいです。ただ、ルールはありながらも、無理に設問数を枠内に収めようという考え方ではなく、この質問が本当に必要かという観点で調査票を見てくださり、融通をきかせていただいた部分も多くありました。いい調査ができるように、最善を尽くしてもらえるのでとてもありがたいですし、頼もしいです。これからもぜひご協力いただけると嬉しいです。

 

支援サービス
会場調査(CLT)

 

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