食卓に欠かせないロングセラー商品を長らく支える 精度の高い味覚会場調査
バーモントカレーや北海道シチューなどを筆頭に、毎日の食卓に欠かせない人気商品を開発・販売しているハウス食品株式会社様。クロス・マーケティングはそのフレッシュアップ(味の見直し/リニューアル)の味覚会場調査(味覚CLT)もサポートしています。
味覚CLTを担当されているお客様生活研究部の野口様に、ロングセラーブランドを支える味作りのための会場調査の大切さや、クロス・マーケティングとの取り組みについてお聞きました。
Interview
──ハウス食品様は日々の食卓でもお馴染みの商品を多数開発・販売されていますが、御社の製品にとって味覚CLTとはどういった役割を持つものなのでしょうか?
味覚CLTは、ハウス食品が「味作り」にこだわっている象徴の1つとも言えます。長らく行なっている調査手法で、試作品がお客様に受け入れていただけるかを確認するために、開発ステップに、ほぼマストで組み込んでいます。
──味覚CLTを進めていく際、みなさんが大切にしていることを教えてください。
バーモントカレーや北海道シチューといった定番商品の味覚改良を目的としたCLTを行う場合は、特に気をつかっております。日頃からバーモントカレーや北海道シチューをご愛顧いただいている方々をクロス・マーケティング様に集めていただき、ご意見をいただくようにしています。
──なるほど。日頃から商品を手にしている方々の声を大切にしているのですね。
そうですね。
実査のオペレーションについては、味覚CLT立ち上げ当初からクロス・マーケティング様とともに試行錯誤を続けて今の形になっています。
コロナ禍以降、会場に集まっての調査ははばかられる時期があり、弊社も味覚CLTを中止していましたが、万全の対策をして2022年1月に実施いたしました。 「万全の対策」を、と今までの衛生管理マニュアルを見直したのですが、結果、追加したのは、会場の調査員さんにフェイスシールドを取り入れる、1セッションの座席数を減らす、程度でした。改めて、過去からのクロス・マーケティング様との取り組みの積み重ねを感じました。
──コロナ禍になって、逆にそれまでの対策の効果を実感されたのですね。
はい。
実は、この調査の前日、とても寒く、雪が降りました。会場設営も済ませ、あとは明日を待つだけ、というところでの、予期せぬ雪です。翌日には止むか、公共交通機関に遅延はないか、お客様にご足労いただけるか…緊張と不安でいっぱいでした。
幸い、翌日は晴天、積雪もほとんどなく、交通機関も正常、そして何より有難かったのは、対象者の方がどなたもキャンセルせず、会場にいらして下さったことです。
キャンセルされる方がいても無理もない前日の悪天候にも関わらず、お約束を守って調査にご協力いだけるというのは、クロス・マーケティング様と対象者の方との信頼関係あってのことです。こうしたところも、長らく調査をお任せしている理由の1つです。
調査の精度を高める、地道で厳密なオペレーション
──調理スタッフのみなさんも、長らく同じ方にお願いしています。
味覚CLTでは、カレールウ・シチュールウといった「製品」そのものの違いを感じていただくために、肉や野菜といった食材、水加減など、「製品」以外の要素を揃える必要があります。
実際に、調理を担当いただくのは、クロス・マーケティング様に召集いただく調理スタッフさんになります。言葉では簡単ですが、同じように調理するというのは、とても難しく、高いスキルが必要です。そのため、長らく同じ方にお願いしています。
また、お客様に提供する順番が混同しないように、サーブ担当の方もしっかり割り振ってもらっています。
カレーやシチューを作って食べるという、ありふれた日常のことですが、味覚CLTは再現性を求められる実験です。関わっていただくみなさんが非常に意識高く、きめ細やかな対応をしてくださるので、本当に助かっています。
実査当日は本当に大変ではありますが、「これをやらずしては安心して商品を提供することはできない」と気合を入れて臨んでいます。そんな私どもと同じくらいの熱量で取り組んでくださるクロス・マーケティング様には感謝しかありません。
──最後にクロス・マーケティングへの印象をお聞かせください。
外山さんをはじめとするご担当のみなさんにはタイトなスケジュールなどで、ご無理を言うことも多いのですが、その都度笑顔で対応していただき、とても感謝しております。「一緒にやっていきましょう」「よりよくしていきましょう」という姿勢に助けられる機会も非常に多いです。また、味覚CLT以外の調査でも長らくお手伝いいただいて、弊社の製品の特徴も理解してくださっています。クロス・マーケティング様が新しい調査手法にチャレンジされていることもうかがっておりますので、今後とも多様な調査手法でハウス食品を応援いただきたいと思っております。