マーケティングコラム

新商品の満足度を高められるホームユーステストの活用

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各メーカーは新商品を売り込むためにさまざまなマーケティングを実施しているでしょう。その調査手法の中でも近年注目されているのが、ホームユーステストです。ホームユーステストとはなにか、どのようなメリットが期待できるかなどについて、以下で詳しく見ていきます。

ホームユーステストとは?

新商品や試作品を実際にモニターに利用してもらい、その評価をお願いする調査手法をホームユーステストと言います。英語の場合はHome Use Testと表記され、その頭文字をとってHUTと称されることもあります。また、中にはインホームテストと紹介しているケースもありますが、一緒のリサーチ方法です。

他調査方法と比較した際のメリット

ホームユーステストの場合、実際に商品を使ってその感想を回答する手法です。基本的に自宅で使ってもらいますから、特定の会場における使用と比較してより日常生活に近い環境の下でテストします。商品を購入した際、店で見たり試したりした時はよかったけれども自宅に持ち帰ってみると印象が違ったという経験がある人もいるでしょう。しかしホームユーステストは、実利用に近い環境下でのデータや感想を収集できるのがメリットであり、外と家庭内で印象の違いが生じにくい商品づくりにつなげることができます。また、実際に商品を一定期間使ってもらい、使用した直後に感想・評価をしてもらえますからより正確なデータを収集できるわけです。


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もし調査対象者が家庭を持っている場合、ホームユーステストで当人だけでなくその家族も試してもらえるかもしれません。そうなってくると、モニター募集した人数の数倍のデータを集められる可能性があります。またホームユーステストの中には、ブラインドテストと呼ばれる手法もあります。これはメーカーやブランド名を隠した状態で実際に商品を使ってもらう手法です。有名メーカーやブランドのものだと、「きっと品質も高いに違いない」というバイアスのかかる恐れがあります。その結果、正確な資料を集められない可能性が出てきます。メーカーやブランド名を隠すことで、先入観などなく商品そのものの実力に関する評価が受けられます。

このように消費者のニーズに近い情報を得られるので、消費者によってより魅力的な商品づくりを進められ、購買力の強化につながっていくでしょう。この調査方法は、日常的に使用される商品のほとんどで活用できます。このため、商品のリサーチを行う際に幅広いジャンルで活用できるおすすめの調査手法です。

活用例

ホームユーステストはいろいろなシーンで活用ができます。まず商品的には、一定期間自宅で使用してもらう特性を生かすため日用品全般が対象になりえます。例えばインスタント食品や冷凍食品、清涼飲料水などの加工食品のマーケティングに利用可能です。そのほかにもシャンプーやせっけんをはじめとした日常的に使用するような消耗品のモニタリング調査をするときにも活用できるでしょう。

調査目的にもいくつか候補が考えられます。まずは新商品を開発した際が考えられます。例えば開発した新商品が、どの程度消費者に受け入れられたり好まれたりするのかチェックする際に利用でます。また複数の候補の中から最適品を選ぶ際にも参考になるデータをとることができます。複数パターンの新製品を開発し、その中からどれを選定して商品化するか迷うこともあるでしょう。どれを出すべきか社内で意見がまとまらないこともあるかもしれません。その場合、複数ある候補をホームユーステストによって、どれが最も高く評価されたかを比較することができます。


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何も新商品だけでなく、既存商品を使った手法もあります。既存商品の場合には、どこかを改良する必要があるのか、消費者の感想を集める方法として利用できます。メーカー側の発想になかった部分の指摘を得られることもあるでしょう。また既存商品でも改良を行った商品が複数パターンある場合には、新商品の際と同じようにこの方法でリサーチをして、どれが最適か選ぶときに参考にできます。

競合品を使ったホームユーステストの手法もあります。ライバル品の実力がどうか、長所・短所はどこかを知るのに参考になるでしょう。このような特徴を知ったうえで、自社製品と比較をします。そうすることで、自社商品のセールスポイントがどの部分になるか、どの部分を改善すれば品質向上できるかが見えてきます。

まとめ

実際に商品を使ってもらって、その感想を集めるホームユーステストは、正確な評価を知るにあたって最適な調査方法と考えられています。なおかつ新商品だけでなく、既存商品の改良やライバル会社の商品と比較をする際にも活用できる手法です。自社商品に対する消費者の率直な評価を知りたいと思うのであれば、ホームユーステストを実施してみるといいでしょう。日常的に広く使用されている商品のマーケティングをする際には重宝する調査手法です。

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