マーケティングコラム

クラスター分析で見えてくるシングルソース活用の幅

Facebook X
マーケティングには様々な手法がありますが、ビッグデータの浸透によりクラスター分析が盛んになりました。この分析にはシングルソースが活用されます。シングルソース・データとは、一人の人を対象とした購買履歴や生活習慣、興味のある広告などの幅広いデータを指します。この記事では分析で見えてくるシングルソース活用の幅を検証していきます。

クラスター分析とは?

 
 
マーケティングにおける分析方法の中で最もよく使用されて、尚且つ最も難しい分析法の一つといわれています。クラスターとは英語で「集団」や「群れ」「集落」を意味しますが、異なるものが入り混じったグループの中から類似したものに分類するという統計手法です。最もよく活用されているということはそれだけ効果があることにほかなりません。
 
 

膨大なデータをジャンル分けする

 
 
クラスター分析は基本的な分類の基準や評価が定められていないのが特徴です。ですから単純に性別や年代のみで分類するのではなく、もっと分類の項目が多くなります。それではその膨大なデータをどのような方法でジャンル分けしたらいいのかを見てみましょう。

【グループ別の対象】
目的によって回答者を分類するのか、または回答の類似する質問項目を分類するのかを決めます。

【分類形式】
階層的方法か非階層的方法かを選びます。ビッグデータにおいてはほとんどが非階層的方法が用いられます。
・非階層クラスター分析:前もって分類するクラスターの数を決め、その塊にサンプルを分割する方法です。サンプルが膨大な数になるビッグデータ分析に使われます。
・階層クラスター分析:一番似ている組み合わせから順次クラスターにしていく方法です。近いものから順番に集めていくので前もってクラスター数を決める必要がないというメリットがあります。

 
20180830_02
 
 
【分類の対象同士の距離(類似度)】
クラスター分析は似たもの同士を集める手法ですから、対象同士が似ていれば類似度が高くなり距離が小さいということになり、似ていなければ類似度が低く距離は大きくなります。この距離の選択は一番難しく、分析では一番遅れている分野といえます。以下の異なった距離の測定法があります。
・ユークリッド距離:平面測定でピタゴラスの定理とも呼ばれる
・標準化ユークリッド距離:各性質の差を標準化したもの
・マハラノビス距離:変数同士に相関関係があるときに用いる
・マンハッタン距離:マンハッタンのように碁盤の目に区画された道を最短で進んだ場合の距離
・チェビシェフ距離:原点を中心に正方形状に広がっていく距離
・ミンコフスキー距離:非常に離れた距離のことでユークリッド距離が一般化されたもの

【クラスターの合併方法(クラスター間の距離)】
分類する各対象がそれぞれどれほど近いかを定義します。
 
 

効果的なプロモーションへの活用

 
 
クラスター分析は現状ではパラメータの種類が多く、決まった定義や正解はありません。いずれにしてもデータを基にクラスターごとの仮説をたてて実行していく必要があります。仮説においてもシングルソース・データと併用することによってより効果的なプロモーションに活用ができます。

【クラスターと商品内容】
分析を基に顧客グループによっておすすめの商品を変えてコンバージョン率をアップさせます。

【クラスターと宣伝キャンペーン】
分析を基に顧客グループによって配信する宣伝キャンペーンの文句を変えてコンバージョン率をアップさせます。

【キャッチコピー】
同一商品のセールでも宣伝のキャッチコピーを変更して集客を最大化させるための効果を見ます。

【メール原稿】
同一商品のセールでも販促のため顧客宛配信するメールの原稿を変えます。

【ウエブページ上のアピール】
ウエブページでセール中の商品のアピールポイントを変えることでコンバージョン率を最大化させます。

【行動データの利用】
分析による顧客の行動データを基に推薦商品を合わせて客単価をアップさせます。

 
20180830_03
 
 
マーケティングにおいて顧客をグループ化することは、グループ別に最も適したアプローチをして購買意欲をそそることが目的です。クラスター分析を有効活用することによって、顧客のニーズを汲み取り、消極的な消費者から積極的は消費者に変えていくためのプロモーションを行っていきます。
 
 

まとめ

 
 
様々な情報が氾濫する現代において、企業側は消費者にとって一番有用な情報を選んで提供する必要があります。そのためにはクラスター分析によって顧客を綿密に分類できれば、顧客の嗜好を知ることができ、購買の予測をすることも可能になります。

異なった性質のものが混在したビッグデータをクラスター分析によって活用することで、以前はできなかったグループ化ができるようになりました。しかし、いくら優れた分析でもそこから後の宣伝や販促に利用できなければ意味がありません。分析のグループ化を基に、異なったターゲットに的確なアクションを起こすことが自社のビジネスの発展と収益の向上に繋がるのだといえます。
 
 

関連するサービス

 
 
クラスター分析とは
上記ページでは、「クラスター分析」という分析手法・活用事例について詳しく解説しております。また、弊社クロス・マーケティングでは、クラスター分析の経験豊富なリサーチャーが調査設計~分析まで一貫してサポートいたします。

調査会社選定時のご参考に、是非ご活用ください。

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
デジタルデトックスは効果なし?得られる効果と実践方法を解説
デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやPCなどのデジタルツールから離れることで、ストレスを軽減する取り組みのことです。デジタルツールに囲まれて生活する方が多い現代社会のなかでは、ストレスや心身の疲れを緩和する効果が期待できるといわれています。 しかし、「デジタルデトックスには効果がない」といった意見も見受けられます。今回は、デジタルデトックスには効果がないといわれてしまう理由や、より効果的にデジタルツールと距離を置く方法について解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
海外で人気のあるSNSとは|ユーザー数や使われている国・特徴
海外進出を考える際には、進出先の国について詳しく理解しておく必要があります。政治・経済・文化などについて一通り把握する際に、SNS事情についてもチェックしておきましょう。国によって人気のあるSNSは異なり、日本ではほとんど使われていないSNSが人気の国もあります。進出先のSNS事情が分かれば、現地でのビジネスにも役立てられるでしょう。今回は、海外で人気のあるSNSについて解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード