マーケティングコラム
ネットリサーチにおけるスマホとPCの差異と今後の展望
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インターネットと携帯電話の使用は世界的な兆候で、どの国でも普及率はめざましいものがあります。テクノロジーの進歩により、通信機器はアナログからデジタルの時代へ移行しています。インターネットの普及に伴い郵送や電話などを使わないネット調査が頻繁に行われるようになっています。この記事では
ネットリサーチにおけるスマートフォンとPCの違いや今後の展望について検証していきます。
ネット利用はPCからスマホへ
【ネット利用近年の傾向】2016年日本におけるインターネットの普及率(過去1年間のインターネット利用者)は83.5%、利用人口は1億84万人です。年齢別では6~12歳が82.6%、13~29歳98%、30~49歳97%、50~59歳93%、60~64歳83.3%、65~69歳69.4%、70~79歳53.6%、80歳~23.4%で、65~69歳世代以外は利用者数は前年より増えています。全体的には若年層におけるインターネット普及率の方が高く50歳未満では90%以上になっています。
【ネット利用スマホとPC比較】
インターネット利用者の内訳をみるとPCは46%、スマートフォンが85%となっています。年代別の利用状況は10代ではスマートフォンのみ70%、30代で54%、50代で33%です。こちらもやはり若い年代ほどスマートフォンのみのインターネット利用率が高くなっています。
スマホを使ったネットリサーチの特徴
最近のマーケティングリサーチの特徴としてはスマートフォンを使った調査が主流になっています。ここではスマートフォンによる調査のメリットとデメリットを見てみましょう。【スマホネットリサーチのメリット】
・大規模調査が可能:多数のターゲットに向けてのアンケートが可能です。
・調査結果を早く入手できる:アンケート実施後すぐに回収できて結果がわかります。
・手間とコストがかからない:紙ベースのアンケートと違い、紙代や印刷代、郵送費などもコストがかかりません。
・若年層への楽なアプローチ:パソコンを持っていない若年層へもスマートフォンを通してアプローチが容易となっています。
・結果の分析がしやすい:データとしてパソコンで保存ができ、アンケート回答の集計と分析が容易にできます。
【スマホネットリサーチのデメリット】
・モニターの偏り:アンケートを送ってもネットを利用していなかったり、興味がなかったりすると回答を得られず、モニターが偏ってしまうことがあります。
・回答の信頼性に疑問:アンケートに回答して得られる報酬目当ての悪質なモニターが増えています。パソコン上で虚偽の回答をするのは簡単なため、でたらめな回答をして報酬を得ようとするモニターがいます。
今後のネットリサーチの在り方
インターネット調査ではネットならではの良さもあればマイナス点もあります。ここではインターネット調査における注意すべきポイントと今後の在り方について見てみましょう。・回答しやすいアンケートを作る:モニターが回答しやすい質問を設定することが大切です。
・回答にかかる時間は10分以内:全部の質問に答える所要時間を10分以内に設定します。
・マトリクス形式や自由回答の多用を避ける:マトリクス設問のスクロールや自由回答の文字入力を面倒だと思うスマートフォン利用者は大勢います。面倒だと感じると嘘の回答やでたらめな回答をしたりするケースがあります。
・スクリーニング調査:本調査に先駆けて行う事前調査は限定条件下では有用ですから、調査内容によってスクリーニング調査を実施します。
【ネット調査 今後のポイント】
・マルチデバイスの回答:前述したように若年層はスマートフォンから、60代以上はPCからの回答が多くなるのでモニターの偏りを避けるためにはマルチデバイスで回答できるようにするのも一案です。
・質問文は複雑すぎず簡潔に:スマートフォンでもパソコンでも質問が複雑でしたり長すぎたりすると敬遠されがちです。その場合はモニターが回答しないというケースも考えられます。
・選択肢は多すぎない:回答を選ぶ場合の選択数が多すぎると答えに迷って回答に時間がかかってしまったり答えられないことがあります。
まとめ
スマートフォンだけでなく携帯電話は、10代~80代以上まで多くの人が持っています。便利な生活を送るためには携帯電話が必要です。携帯電話やスマートフォンは私たちの日常生活に深く浸透しています。携帯電話やスマートフォンは、常に持ち歩いている人が多く、パソコンよりもアンケートやメールの開封率はずっと高くなっています。またインターネット調査を実施するにあたっては、パネルの属性を考慮したときにスマートフォンとパソコンと両方からのアプローチの方が有効利用できるという場合もあります。紙を使用していた頃とは違い、コスト面や時間的に見ても、かなり抑えることができるため、調査の内容によってデバイスを使いわけることを考えてください。<参考>
総務省 平成29年版 情報通信白書
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc262120.html
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