マーケティングコラム
アンケート調査とは?種類やポイント・注意点をわかりやすく解説
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コンテンツディレクター
WEBライティング~メディアの制作ディレクション業務・SNS運用・YouTubech運営/広告運用などで活動しているWEB系フリーランス。
SEO,YouTube,Twitter,Instagram,TikTokの集客媒体全般で集客・コンテンツ制作経験あり。読者・視聴者の潜在ニーズを拾い上げ「見たくなるコンテンツ制作」を意識しています。運営したYouTube漫画 chでは売上20倍に貢献。記事制作に携わったメディアは30サイト以上。現在は、SEOのコンテンツ制作をメインの業務としています。
武田 竜輔
「アンケート」とは、そもそもフランス語で「実査活動を伴う調査」という意味ですが、日本では、調査票を使った調査全般を「アンケート」と呼ぶようになり、それが浸透しています。今回は、アンケート調査の種類や進め方など、アンケート調査を実施するための基礎情報を解説します。
アンケート調査・Web調査とは
アンケート調査やWeb調査とは、特定の対象者に対して、何らかのテーマや目的に関する情報を収集するために行う調査方法です。テーマに沿った質問を作成して、対象者に回答を求める形式で行います。街頭や調査会場などで行うのが一般的ですが、Web調査の場合はアンケートサイトやWebミーティングなどを用いて実施できるので便利です。サービスや市場動向、消費者ニーズなどに関するデータを集めることで、製品開発やサービスの向上などのためにデータを活用することが主な目的となっています。
アンケート調査・Web調査の前に必要なステップ
まず、アンケートを実施する前に「セカンダリーデータを収集して、対象者に関する情報を得る」というステップが必要です。セカンダリーデータとは、「他の目的のためにすでに収集されたデータのこと」を意味します。総務省統計局、国土交通省、厚生労働省、内閣府などから公開されているデータを有効に活用することで、事前の情報収集を行うことができます。その結果、「アンケートを実施しなければ、目的のデータが得られない」ということになればアンケート実施の検討に踏み切るべきです。アンケート実施には、かなりのコストがかかります。
さらに最近「ビッグデータ」を活用する動きが活発化しているようですが、ビッグデータの活用でアンケートを実施する必要がなくなる領域も出現してくることでしょう。
マーケティングプロセス別アンケート調査例
マーケティングプロセスによって、適したアンケート手法は異なります。以下では、マーケティングに活用できるアンケート手法を3つ紹介します。U&A調査
U&A調査は、ユーザー(User)とその行動(Usage)や態度(Attitude)に関する情報を収集する調査方法です。具体的には自社商品・サービスの利用実態や意識をアンケートで聴取します。市場調査やマーケティング戦略の策定に活用され、商品やサービスの理解、顧客ニーズの把握に役立ちます。詳細は「U&A調査」のページをご覧ください。
デザイン評価調査
デザイン評価調査は、製品やサービスのデザインに関する評価やフィードバックを収集する調査方法です。デザインの魅力や使いやすさ、視覚的な要素などを評価し、改善点や好みを把握します。この情報は製品開発やブランディングに活用され、ユーザーの満足度や商品価値の向上に役立ちます。詳細は「デザイン評価調査」のページをご覧ください。
コミュニケーション効果測定
コミュニケーション効果測定は、広告やマーケティングコミュニケーションの効果を評価し、目標達成や成果を測定するための手法です。広告認知、ブランドイメージ、消費者の態度変容などを評価し、効果的なコミュニケーション戦略の改善や意思決定に役立ちます。詳細は「コミュニケーション効果測定」のページをご覧ください。
アンケート調査手法の種類
アンケート調査の手法には「定量調査」と「定性調査」があります。それぞれを正しく理解し、どちらの手法を用いるべきか判断しましょう。定量調査
定量調査は、数値化できるデータを収集していく調査手法です。認知度や購入率、リピート率などに関する仮説検証や実態把握などに用いられます。「リピートしたか」や「〇〇という商品を知っているか」のように、具体的に回答できるような質問を用います。手軽にデータを収集でき、集計がしやすい点は定量調査のメリットです。ただし、回答を読み解くスキルが必要な点や、回答以上のことは聞けない点はデメリットでしょう。
定量調査の主な手法は、以下の7つです。
インターネット調査
インターネット調査は、オンライン上で行われる調査方法です。大規模なデータ収集に便利で、迅速に結果を分析できる点が魅力となっています。会場調査(CLT)
会場調査(CLT)は、アンケート会場にて行う調査手法です。複数の参加者を対象にテスト品を呈示してアンケートを行い、データを収集します。対象者の生の反応を確認できるだけでなく、短期間で効率的にデータを収集できます。ホームユーステスト(HUT)
ホームユーステスト(HUT)は、製品やサービスをユーザーが自宅で試用し、使用体験やフィードバックを収集する調査方法です。リアルな環境での評価や改善点の把握に役立ちます。電話調査
電話調査は、電話を通じてアンケートやインタビューを行う調査方法です。効率的に多くの人にアプローチし、即時の反応を得ることができます。一方で、応答率の悪さや正確性には注意が必要です。訪問調査
訪問調査は、対象者の自宅やオフィスで直接インタビューや観察を行う調査方法です。現地の状況や環境に即したデータが得られますが、時間とコストがかかることがあります。ミステリーショッパー(覆面調査)
ミステリーショッパーは、匿名で店舗やサービスを実際に体験し、品質や接客を評価する調査方法です。顧客目線での評価や改善点の発見に役立ちます。調査員の信頼性や評価の一貫性に配慮が必要です。街頭調査
街頭調査は、公共の場や街中でアンケートやインタビューを実施し、一般の人々の意見を収集する調査方法です。リアルな状況でのリサーチが可能で、幅広い人々の参加が得られます。場所によって対象者が偏りやすい点には注意しましょう。定性調査
定性調査とは、気持ちや行動といった数値化しにくいデータを収集するための調査手法です。仮説構築や原因把握などに用いられます。主な調査手法は、以下の2つです。グループインタビュー
グループインタビューは、複数の参加者が集まり、意見や経験を共有し合う質的な調査方法です。相互作用やディスカッションによって新たな洞察が生まれることが特徴です。デプスインタビュー
デプスインタビューは、詳細な情報や洞察を得るために深い掘り下げを行う質的な調査方法です。被験者の経験や感情に焦点を当て、個別のインタビューで行われます。生の声を聞いて、数値化しきれない複雑なデータを収集できる点がメリットでしょう。一方で、コストがかかる点や、対象者の選定が難しい点はデメリットです。対象者が適切でないと、偏った回答になってしまうリスクがあります。
アンケート調査・Web調査の進め方
アンケート調査やWeb調査は、正しい手順で行わないと、適切な回答が得られません。以下で調査の進め方を5つの段階に分けて解説しますので、参考にしてください。1. 目的を決める
まずは、調査の目的を決めましょう。現状、どういった課題があり、その中で調査結果をどのように活用したいのかを考えていきます。目的によって、手法や設問の内容などが大きく異なるので、慎重に決めていきましょう。2. 調査方法を決める
目的が決まったら、調査方法を決めていきます。まずリアルで行うのか、ネットで行うのかを検討しましょう。大規模かつ低予算で行いたいのであればネット、予算をかけてでもユーザーの声を聞きたいのであればホームユーステストや訪問調査、会場調査がおすすめです。それぞれ予算やかかる期間がまったく異なるので、状況に応じて決めてください。
3. 設問を作る
調査方法が決まったら、設問を作りましょう。アンケートの調査票は「アイテム」と「カテゴリー」から成り立っています。アイテムは質問項目、カテゴリーは回答項目です。事前に回答項目が作成されているものを「プリコード式」、自由に回答してもらうものを「アフターコード式」と呼びます。4. アンケート調査を実施する
調査方法と設問が決まったら、アンケート調査を実施しましょう。調査は自社で行う場合と、専門のアンケート会社に依頼する場合があります。適切な設問を作成し、対象者としてふさわしい人を選定するためには、知識とノウハウが必要です。初めてアンケート調査を行うのであれば、専門のアンケート会社へ依頼するのもよいでしょう。5. 結果の集計と分析を行う
アンケート調査の回答が回収されたら、集計と分析を行います。集計に関しては、定量調査であれば数値でまとめ、定性調査であれば設問ごとにまとめていきましょう。結果を適切に分析するためには、専門の知識が必要です。定性調査に関しては、わずかなニュアンスの違いも見逃さず、慎重に分析していきましょう。
アンケート調査・Web調査のポイント
アンケート調査やWeb調査を行ううえで、いくつかのポイントがあります。よりよい回答を得るために、以下のポイントを意識しておきましょう。目的を明確にする
調査の目的があいまいだと、得られた回答を活用しにくくなります。また、そもそもどういった設問を準備すればよいのか、どんな回答者を選定すればいいのかも判断できないでしょう。また回答者の属性が適切でなければ、アンケートの結果にも悪い影響を及ぼします。調査をスタートする前に、何のために行うのかを今一度確認しておきましょう。
条件を事前に定めておく
回答者の年齢や性別、調査規模などの条件を決めておかないと、結果がブレてしまいます。特に規模の大小によって、得られる回答や分析の方法は大きく異なります。また、バイアスによって回答が偏るリスクもあります。条件が決まっていれば、設問を作成する際にも表現や内容を適切なものにしやすいでしょう。
回答者への負担軽減も検討する
回答者は人間なので、量が多すぎたり、設問が複雑すぎたりすると、負担が大きくなって適切な回答を得にくくなってしまいます。また、回答結果をどのように利用されるのかが不透明だと、はっきりとした主張を書きにくくなるでしょう。設問の量や内容を調整するのはもちろん、調査結果を第三者に同意なく開示しないことを明記するようにして、回答者の心理的な負担を軽減することを意識しましょう。
アンケート調査・Web調査の料金目安
アンケート調査・Web調査の料金は、ネットリサーチがグループインタビューかによって異なります。ネットリサーチの場合は、サンプル100人で設問10問程度であれば9万円ほどで実施が可能です。サンプル数500人であれば、20~40万円ほどの料金がかかります。
グループインタビューは企画費用や対象者のリクルーティング費用、謝礼、交通費などを含めて40万円~60万円かかるケースが多いでしょう。
詳細は以下のページの「アンケート調査の料金体系・費用相場」をご覧ください。
アンケート調査・Web調査会社の選び方
アンケート調査・Web調査会社を選ぶ際には、実績やクチコミなどをしっかりと確認しましょう。また、予算内で行えるか、納期は問題ないか、分析力やノウハウはどうかといった点も確認が必要です。専門のスタッフがしっかりとサポートし調査してくれる会社であれば、適切な回答をきちんと分析して活用できます。詳細は以下のページの「アンケート調査を依頼・委託するリサーチ会社の選び方」をご覧ください。
まとめ
アンケート調査・Web調査を行う際には、やり方だけでなく、目的や活用方法もきちんと決めてから行いましょう。アンケート会社を選ぶ際には、実績や品質保持への取り組み、予算、納期等を確認して、サポート体制が手厚い会社を選ぶようにすることが大切です。もし、アンケートの実施や回答分析に関するノウハウがなければ、ぜひクロス・マーケティングへご相談ください。関連ページ