マーケティングコラム

お客様を知る!ショッパーマーケティングとは。(第二回)

Facebook X
エンバイロセルジャパン株式会社
代表取締役

福田 弘二

一般的に男性はお目当ての売場に直行する傾向が高いと一般的に言われますが、実際のところ、男女間における購買行動の特徴の違いはみられるのだろうか?
その答えはYes、つまり、男女間の買物行動の特徴は存在するのである。

女性は店頭訴求力を図るバロメーター

 様々な業種や業態の店頭でお客様の買物行動を観察していると、男女間の買物行動の違いに気づくことがよくみられる。その特徴のひとつは、女性の方が男性に比べ、立ち寄りセクション(売場)数が多いということである。この特徴は、女性は入口付近から目につく売場や展示に興味を感じやすいという傾向があることを示しているといえる。
 このような女性が入口付近から興味を強く感じる売場や展示を検討していくという特徴はあらゆる業種や業態でみることができる。この女性特有の行動特徴を利用して、売場の状況をチェックすることが可能である。

 そもそも店舗にとって、入口の印象はとても重要な役割を担っている。お客様にとって、入店直後の環境は飛行機の滑走路のようなものであり、ここで気持ちを高ぶらせることができれば、その後の店頭での買い回りにもよい効果が生まれやすい。
 ある店頭で入口付近の特設コーナーの立ち寄り状況を調べたところ、男性のみならず、女性の立ち寄りがきわめて悪いという結果が見られた。そこで、女性が反応しやすいように、ポスターなどのビジュアルを活用し、感性に訴える店頭を作り直してみると、女性の立ち寄りが大幅に増加。効果はそれだけではなく、周辺の売場への立ち寄り率も改善されたという結果が見られた。

 このように、女性の行動から自分たちの売場の印象を簡単にチェックすることで、手軽に売場改善のきっかけを作ることもできるのである。
\t
\t
\t\t

\t\t 20150820_02
\t
\t

\t

女性の行動特徴を利用した売場作り

 我々エンバイロセル社では、世界中で、お客様の買物行動に触れる機会に恵まれている。あるとき、世界数カ国でデジカメ売場での買物行動を調べたところ、興味深い結果が発見できた。男性はカメラ売場に入場するなり、カメラを手に取り、そのまま撮影しようとする行動を取る人が多かったのに対して、女性はカメラを手に取ると、すぐにカメラの正面(デザイン)を見たり、重さを量るような素振りをしたりする人が多いことが分かったのである。しかも、この女性の特徴的な行動は日本のみならず、欧州や中東でも見られたのである。

 とりわけ、この行動はデジカメの検討初期段階で多く見られた男女間の特徴であった。買物の検討行動が進むと、女性も撮影しようとするなど、男女間の特徴が薄れてくる。また、インタビューをすると、男女ともに、購買決定要因として、画質や撮影のしやすさなど、よりカメラの本来の機能を意識した内容が上位に回答されていた。

 買物行動の検討初期段階には、お客様の潜在的なニーズが行動に表れてくることがよくある。たとえば、フルーツを選ぶときに、無意識のうちに、香りをかごうとするなど、味覚に加え、香りの良さを意識した行動が出やすいのである。デジカメ売場での行動は女性の潜在的なニーズが出た結果である。つまり、女性はデジカメの検討初期段階(商品を絞り込む段階)で、よりデザインや重さなどを意識している人が多いということを表しているといえる。

 これらの特徴から、女性ターゲットの売場では、機能面やスペックなどを重視する売場よりも「こんな風に撮りたい」、「こんな風に持ちたい」という気持ちを意識させる売場が出来あがり、一定の効果を生むことができたケースも存在している。

 このようにお客様の店頭での行動には、売場作りの改善につながるヒントが隠れていることがたくさんあり、これらのヒントを探し出すことがショッパーマーケティングの本来の役割と思われる。

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
【TikTok】バズる時間帯はいつ?曜日ごとのバズりやすさとあわせて解説
TikTokは短期間で多くのユーザーにリーチできるプラットフォームです。しかし、効果的な運用には、適切な投稿時間を見極めなければなりません。社内でTikTokの運用を開始する際に、まず押さえておくべきなのが「バズりやすい時間帯と曜日」です。今回は、TikTokでバズるために最適な投稿時間や曜日について詳しく解説し、投稿時に押さえておくべきポイントについても紹介します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
SNSのエンゲージメントとは?SNS別の確認方法や向上施策も紹介
最近では中小企業でも、流入チャネルを増やすためにSNS活用を始めるところが増えてきました。SNSの運用を成功させるためには、できるだけ多くのエンゲージメント(リアクション)を得ることが重要です。今回は、SNSにおけるエンゲージメントについて、確認方法や向上させるための施策を解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード