マーケティングコラム
的確なアンケート結果のまとめ方とは?目的別のまとめ方とポイントを解説
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社内外で施策に関するアンケート調査を実施しようと考えているものの、アンケート結果をどのようにまとめたら良いか不明な方もいるのではないでしょうか。アンケートの集計・分析は適切な方法を選択して、わかりやすく報告できるよう図表化することが重要です。今回は、アンケート結果のまとめ方の基本と、アンケート結果をまとめるときのポイントを紹介します。
【結果をまとめる前に】アンケートの集計方法をおさらい
アンケート結果をまとめるためには、データをしっかり集計しておくことが大切です。まとめ方について説明する前に、おさらいとして集計方法について紹介します。アンケートの集計方法や集計結果の分析方法については以下の記事をご覧ください。
「アンケートの統計・分析|成功に導くためのポイントや分析方法をご紹介!」
方法1.単純集計
単純集計は基本的な集計方法のひとつで、アンケート結果の全体的な傾向をつかむためのシンプルな方法です。各設問に対して、回答数を算出し、回答の内訳を割合で示します。全体をバランス良く把握できるのが特徴です。方法2.クロス集計
クロス集計は、単純集計で得られた結果とほかの要素を組み合わせて集計する方法です。性別や年齢など、複数の要素を組み合わせることで、単純集計では見えてこなかった情報が明らかになります。アンケート結果から、より具体的な情報を得たいときに便利です。方法3.自由記述集計
自由記述集計は、回答者によって記述が異なる自由回答を集計する方法です。主に、アフターコーディングとテキストマイニングの2つの手法があります。アフターコーディングは、似たような回答を定量的にまとめる方法です。回答内容を分析しやすくするために、分類や数値化し、表計算ソフトを使って集計する方法などがあります。
テキストマイニングは、特定のテキストを取り出して分析する手法です。感情を含むテキストを取り出してポジティブかネガティブかに分ける手法、ほかのテキストと一緒に使われる度合い(相関関係)を分析する手法などがあります。
テキストマイニングを行うには、テキスト(文章中の単語)を解析するための処理が必要です。
集計したアンケート結果のまとめ方
集計したアンケート結果をどのようにまとめるべきか、6つのまとめ方を紹介します。【円グラフ】単一項目の割合を把握する
円グラフは、各項目の構成割合を示すグラフです。全体を100%として、時計回りに比率の大きい項目が配置されます。それぞれの項目の比率が視覚的に把握しやすいです。複数の選択肢から1つ選択してもらう、単一回答のアンケート結果をまとめるのに適しています。【棒グラフ】データの大小を比較する
棒グラフは、縦軸と横軸に設定した項目に対応する数値を示すグラフです。データの大小を表すのに適したグラフで、複数の項目を選択できる複数回答のアンケートの集計に使われます。クロス集計で、年代別や地域別などの比較をしたいときにも活用できるグラフです。【帯グラフ】複数項目の割合を把握する
帯グラフは、全体の構成比を表すグラフです。全体を100%で捉える点は円グラフと同じですが、複数の項目を並べて把握できる点が異なります。複数の項目に対して、「はい」「いいえ」「どちらでもない」のような同じ選択肢が設けられている場合、全体を並べて分析するのに便利です。【折れ線グラフ】データの推移を確認する
折れ線グラフは、横軸を連続した変数にして経過を観察するときに使われるグラフです。年や月などが横軸としてよく利用されます。データを線で結んで表現するため、データの増減がわかりやすいです。数字の変化を把握したいときに適したグラフで、単一回答、複数回答のアンケートどちらでも活用できます。
【レーダーチャート】項目ごとのバランスを把握する
レーダーチャートは、各項目のバランスを視覚的に捉えやすくしたものです。各項目の傾向について強弱がわかります。5項目以上のデータの傾向を捉えるのに適したグラフです。アンケートから、各商品のイメージを把握したい場合などに使われます。【散布図】データの相関関係を確認する
散布図は、縦軸と横軸の交わる部分をマークすることで、全体の分布を把握する図です。縦軸と横軸の相関関係を分析するのに向いた図で、全体の傾向をおおまかにつかむのに適しています。応用的なグラフも含め、グラフや図についての詳細な内容は以下の記事をご覧ください。
『いまさら聞けない正しい「データのグラフ化」』
的確にアンケート結果をまとめるためのポイント
アンケート結果をまとめるには、これまで紹介してきたように視覚的に容易に把握できるグラフやチャートでまとめるのがおすすめです。しかし、まとめ方を誤ると意味のないものになるおそれもあります。アンケート結果を的確にまとめるにはどうするべきか、3つのポイントをみていきましょう。
集計したデータに適したグラフを用いる
何にでも使えるグラフやチャートは存在しません。それぞれ得意とする部分は異なるため、集計したデータに適したグラフを用いることが重要です。適切なグラフを選択するためにも、アンケートの回答形式や設問内容に注目してみましょう。例えば、すでに用意されている回答からひとつ選択するタイプでは、円グラフや帯グラフなど割合を示すグラフが適切です。
数値を回答してもらうアンケートでは、数値の大小などを把握しやすいグラフが向いています。自由に回答してもらう記述回答式で傾向を分析するなら、あらかじめグループ分けをしておく必要があります。
無回答も加味してまとめる
無回答とは質問に対して確実に回答していないことです。単純に設問に回答がないケースもあれば、「わからない」「どちらでもない」「答えられない」など、設問に対して適切な答えがないため選べないケースもあります。無回答の数によっては、無回答を含む場合と含まない場合で、アンケート結果が大きく左右されることもあるでしょう。結果を的確に把握できるようにするには、無回答を含む結果と、含まない結果の両方を用意しておくと良いです。両者を比較することで、無回答の影響も把握できます。
なお、アンケートで無回答が多い場合は、次回以降のアンケートで無回答が頻出しないよう、設問設計を改善することも必要です。例えば、選択肢の幅を広げる、質問を理解しやすいように文章を修正するなどの方法があります。回答したくない理由で無回答が選択されている傾向にある設問については、その質問自体の削除も検討してみましょう。
アンケート集計・まとめに適したツールを活用する
手作業でアンケート結果をまとめるには、多くの労力や時間を消費します。結果を都度入力しながらの作業は、入力ミスにより分析結果に誤りが生じるおそれもあります。アンケート調査を効率良く行い、ミスなくまとめるには、アンケート作成から集計・分析までできるWebアンケートの専用ツールを導入するのもおすすめです。アンケート結果をまとめた後は分析も重要
アンケート結果をまとめただけでは、データの傾向を把握しにくい場合もあります。データを分析して解釈できるようにすることも重要です。主な分析方法として、以下のような分析方法があります。・クラスター分析
類似する回答を分類して小さな集団を作ることで傾向を分析する方法です。顧客の特性や地域の特性、商品構成などを分析する際に利用します。
・アソシエーション分析
データ間の関連を分析する方法です。購買分析などによく用いられる方法で、「Aの場合はBになりやすい」などの傾向を導き出します。
・決定木分析
回答結果を、階層を設けて関連の強い項目に分岐させることで、樹形図として整理する分析方法です。ターゲットのパターン分析や行動予測などで用いられます。
アンケート分析の方法や分析のポイントの詳細は以下の記事で説明していますので合わせてご覧ください。
「アンケートの統計・分析|成功に導くためのポイントや分析方法をご紹介!」
まとめ
アンケートを単純集計しただけでは、全体の傾向や属性別の差異は見えてきません。そこで、集計したアンケート結果をまとめる作業が必要になります。アンケート結果は、グラフやチャートにして視覚的に把握しやすいようにまとめるのが一般的です。ただし、選択するグラフやデータを誤ると意味のないデータになるおそれもあるため注意が必要です。
アンケート結果をまとめる場合には、無回答などのデータも加味し、適したグラフでまとめるようにしましょう。集計やまとめに適したツールを利用するのもおすすめです。