マーケティングコラム

購買行動モデルとは?時代で変動する購買に至るプロセスを解説

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購買行動モデルとは、消費者が物を購入するまでにする行動のことです。購買行動モデルにはいくつかの種類がありますが、購買行動モデルを知っておかなければ、適切なマーケティング活動ができません。今回は購買行動モデルの概要、マスメディアやWeb、SNSで使われる購買行動モデルについて詳しく解説します。

購買行動モデルの概要


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購買行動モデルを理解し、運用することは現代のマーケティングに欠かすことはできません。ここでは購買行動モデルの概要を紹介します。

購買行動とは

購買行動とは、消費者が商品やサービスを認知・購入するまでにとる行動のことを指します。この一連のプロセスがモデル化され、購買行動モデルとしてマーケティングで使われています。

消費者行動との違い

消費者行動はおおまかな意味としては同等に扱われることも多いのですが、厳密には少し違う意味を持ちます。消費者行動とは社会情勢やトレンドなどを踏まえて、実際に消費者がとる行動のことです。購買行動とは微妙に意味が異なるため注意が必要です。

購買行動モデルの重要性

購買行動モデルはマーケティングをする上で欠かせないフレームワークです。購買行動モデルによって消費者の購買行動の解像度を高めれば、自社のターゲットに対し最適なアプローチ方法やプロモーションを選択できます。
購買行動モデルに顧客の行動を当てはめて考えることで、購買行動が可視化されて購買プロセスにおける課題を発見できるのもメリットです。

時代で変わる購買行動モデル

広告宣伝手法は、マスメディアからWebサイトへ、さらにSNSへと移り変わってきました。そのため、購買行動モデルもマスメディア時代、Web時代、SNS時代の3つに分けられます。それぞれ購買行動モデルが大きく異なるので、時代に合わせて購買行動モデルを選択することが必要です。

マスメディア時代の購買行動モデル


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マスメディア時代は、新聞やテレビ、ラジオ、雑誌などが活発に使われていた時代です。このマスメディア時代の購買行動モデルについて解説します。

AIDA(アイダ)

A Attention(認知) マスメディアから商品やサービスの情報を得る
I Interest(興味) 商品やサービスに興味を持つ
D Desire(欲求) 欲しいという感情を持つ
A Action(行動) 購入する

AIDAは、購買行動モデルにおいて最も古典的な理論です。購買行動の基本的な理論であり、この購買行動モデルが現在のすべてのモデルの原点となっています。

AIDMA(アイドマ)

A Attention(認知) マスメディアから商品やサービスの情報を得る
I Interest(興味) 商品やサービスに興味を持つ
D Desire(欲求) 欲しいという感情を持つ
M Memory(記憶) 商品やサービスを覚えておく
A Action(行動) 購入する

AIDMAはAIDAに「Memory」が加わったモデルです。マスメディアを見て、欲しいと思った商品やサービスが記憶に残っていることで購入に至るとされます。

AIDCAS(アイドカス)

A Attention(認知) マスメディアから商品やサービスの情報を得る
I Interest(興味) 商品やサービスに興味を持つ
D Desire(欲求) 欲しいという感情を持つ
C Conviction(確信) 自分に必要であると確信する
A Action(行動) 購入する
S Satisfaction(評価) 購入した商品やサービスを評価する

AIDCASはAIDMAから派生した理論です。商品やサービスを求める気持ちのほかに、「必要性がある」と確信をもつ点や、購入後に商品やサービスを評価する点が追加されています。主に自動車や住宅など、高額商品を購入する際のモデルに適用されます。

Web時代の購買行動モデル


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1990年代以降は、人々の間にもインターネットが普及しました。インターネットの普及によって、マスメディア以外にもWebサイトから商品やサービスの情報が得られるようになりました。

インターネットを使って、消費者自らが情報を取得することが可能になったWeb時代の購買行動モデルを紹介します。

AISAS(アイサス)

A Attention(認知) 広告媒体やメディアで商品やサービスの情報を得る
I Interest(興味) 商品やサービスに興味を持つ
S Search(検索) インターネットで商品やサービスを検索する
A Action(行動) 購入する
S Share(共有) インターネットでレビューを共有する
AISASは、2004年に電通が提唱したことで広く知られている購買行動モデルです。メディアで得た情報をもとに消費者が自ら検索し、購入後はレビューをインターネット上に投稿するという行動パターンを表しています。

DECAX(デキャックス)

D Discovery(発見) インターネット上で商品やサービスを見つける
E Engagement(関係構築) 企業と消費者の関係の構築を行う
C Check(確認) 情報の信頼性を確認する
A Action(行動) 購入する
X eXperience(体験と共有) 体験したことをインターネットに投稿する
企業がコンテンツを提供し、消費者との信頼関係を構築した結果購入につながるといったモデルです。コンテンツマーケティングが広く浸透したことで生まれた理論で、企業と消費者の関係構築が重要な鍵となります。

MOT(モット)

M Moment(瞬間) 消費者が企業への第一印象や商品の購入を決める瞬間のこと
O Of
T Truth(真実)
企業と消費者が接点を持つ、つまり消費者が購入を決める瞬間がマーケティングにおいては重要であるとする理論です。MOTを意識したモデルとして「FMOT」「SMOT」「TMOT」があります。

FMOTは「First Moment of Truth」のことで、消費者が商品を購入するかどうかを決めるプロセスです。

SMOTは「Second Moment of Truth」で1回目の購入後にリピート購入するかどうかを決める瞬間を指します。

TMOTは「Third Moment of Truth」のことで企業や商品のファンになるかどうかを決めるプロセスのことです。

SNS時代の購買行動モデル


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2010年以降は、X(旧Twitter)やInstagramをはじめとするSNSが普及してきました。誰でも簡単に情報を発信できるようになったことで、消費者同士が互いに情報発信を行う現状をもとにしたモデルが提唱されました。SNS時代の購買行動モデルを紹介します。

VISAS(ヴィサス)

V Viral(口コミ) SNSの口コミで商品やサービスの情報を得る
I Influence(影響) 口コミやその発信者に影響を受ける
S Sympathy(共感) 発信者に共感する
A Action(行動)

購入する
S Share(共有) SNSでレビューを投稿する
SNS時代では、SNSが情報を得る最大のツールになっています。SNSによる発信から生まれる購買活動を表すモデルです。

SIPS(シップス)

S Sympathy(共感) 発信者に共感する
I Identify(確認) 信頼できる情報かどうか確認する
P Participate(参加) 消費者の行動によって販促活動に参加する
S Share&Spread(共有・拡散) 参加したことをSNSで共有・拡散する
SNSで得た情報に共感することから消費者行動が始まるモデルです。共感から参加へと広がり、参加したレビューを共有し、フォロワーによって拡散されることを意図しています。

ULSSAS(ウルサス)

U UGC(ユーザー投稿コンテンツ) 消費者の投稿で商品やサービスを認知する
L Like(いいね) 投稿に「いいね!」をする
S Search(SNS検索) SNSで検索する
S Search(Google/Yahoo検索) 検索エンジンで検索する
A Action(行動) 購入する
S Spread(拡散) レビューをSNSで拡散する
SNSのユーザーの投稿で商品を知るところから始まる購買行動に着目したモデルです。ハッシュタグなどを使ってSNSで検索するユーザーも多いため、念入りなSearchがモデルに反映されています。購入までが一直線の流れではなく、渦巻状の構造になっているのが特徴です。

RsEsPs(レップス)

R Recognition(認識) 商品やサービスを認識する
E Experience(体験) 商品やサービスを体験する
P Purchase(購買) 商品やサービスを購入する
RsEsPsは最新の購買行動モデルです。インターネットやSNS時代の購買行動モデルを簡素化したものをベースにしています。フェーズごとに「Search(検索)」、「Share(共有)」、「Spread(拡散)」が発生するのが特徴です。

購買行動モデルでは捉えきれないこともある

マスメディア時代の購買行動は、どの消費者も大差ないものがほとんどでした。しかし、現代では消費者が自由に情報収集をできるようになったため、購買行動モデルのフローが変わりやすい傾向にあります。

情報収集や購買行動が多様化しているため、既知のモデルに当てはまらない瞬間的な購買行動も増えています。そのため、マーケティング活動を行う際はさまざまなツールを駆使した上で、より効果の高い手法を見つける必要があるのではないでしょうか。

まとめ

購買行動モデルは消費者の購買行動をモデル化したものです。マーケティングをするときは、このフレームワークに消費者の心理・行動を当てはめて可視化し、適切なマーケティング戦略を打ち出す必要があります。

購買行動モデルに当てはまらない行動を起こす消費者が増えているのも現状です。ターゲットに適したインフルエンサーなども上手に起用しながら購買意欲をかき立てる施策を打ち、自社の商品やサービスをアピールしましょう。

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