マーケティングコラム

標準偏差とは?計算方法とビジネスに活かせる場面を紹介

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標準偏差はビジネスでも使われることがある指標です。どのような指標で、どのように計算するものなのでしょうか。標準偏差について、ビジネスでの活用シーンもあわせて紹介します。

標準偏差とは?

標準偏差は、データのばらつき具合を示す指標です。

偏差は平均値からどの程度散らばりがあるかを表したもので、平均値からどのくらいのばらつきがあるかがわかります。学力の指標として偏差値がよく用いられますが、偏差値も標準偏差の考えを利用したものです。

標準偏差は「標準的な平均値との差」と考えることができます。標準偏差が大きいほど平均値との差は大きく、データのばらつきは激しいです。

このように、標準偏差は平均からのデータのばらつきを見ることから、データ量が多いほど正確な情報を導き出せるようになります。標準偏差の考え方を利用すると、商品などの売上予測を立てることも可能です。

なお、標準偏差は、√分散で計算した値になりますが、エクセルなどのツールを利用すれば簡単に計算できます。計算方法を理解して関数などに当てはめれば、計算自体は難しくありません。


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標準偏差の計算方法

標準偏差は、次の4ステップで求められます。

1.平均値を求める
2.偏差を求める
3.分散を求める
4.平方根を求める

それぞれの値の求め方を具体的に見ていきましょう。

平均値を求める

最初のステップは、平均値の算出です。標準偏差は平均値を基準にした指標なので、まず平均値を求める必要があります。

平均値はデータの合計をデータ数で割ることによって求められます。具体例から平均値の計算方法を確認してみましょう。

(例)A店における1週間の来客数
月曜日 1,000人
火曜日 800人
水曜日 950人
木曜日 900人
金曜日 1,100人
土曜日 1,450人
日曜日 1,500人

平均値:(1,000+800+950+900+1,100+1,450+1,500)÷7=1,100

(解説)
まずデータをすべて合計します。例でのデータの合計値は、月曜日から日曜日までの1週間分の来客数で、合計値は7,700人です。

次に合計値をデータ数で割ります。例でのデータ数は月曜日から日曜日までの1週間なので7です。今回の例では、7,700人を7日で割った数値が平均値になるため、平均値は1,100です。1日当たり平均で1,100人の来客があることがわかります。

偏差を求める

平均値がわかったら偏差を求めていきます。偏差は、各データと平均値との差です。偏差はそれぞれのデータごとに求めていく必要がありますので注意しましょう。

ステップ1の例を用いて、偏差の求め方を解説します。

(例)A店における1週間の来客数の偏差
月曜日 1,000-1,100¬=-100
火曜日 800-1,100=-300
水曜日 950-1,100=-150
木曜日 900-1,100=-200
金曜日 1,100-1,100=0
土曜日 1,450-1,100=350
日曜日 1,500-1,100=400

(解説)
偏差は「偏差=各データの値-平均値」で求められます。例での各データの値はそれぞれの曜日の来客数で、平均値はステップ1で求めた1,100です。
各曜日の偏差を計算することによって、それぞれ平均からどのくらいの差があるかがわかります。

分散を求める

分散は、各データの偏差を2乗した合計の平均値です。次の式により求められます。

分散=各データの偏差2乗の合計÷データの個数

例を用いて分散の求め方を見ていきましょう。

(例)
月曜日 偏差:-100 → 2乗:10,000
火曜日 偏差:-300 → 2乗:90,000
水曜日 偏差:-150 → 2乗:22,500
木曜日 偏差:-200 → 2乗:40,000
金曜日 偏差:  0 → 2乗:0
土曜日 偏差: 350 → 2乗:122,500
日曜日 偏差: 400 → 2乗:160,000

10,000+90,000+22,500+40,000+0+122,500+160,000=445,000

445,000÷7=63,571.428…

(解説)
まず月曜から日曜日までのそれぞれの偏差を2乗します。
次に、それぞれの偏差の2乗を合計していきます。例では、各データの偏差の2乗の合計は445,000となりました。

偏差の2乗の合計を計算したら、合計値をデータ数で割ります。今回は月曜から金曜の1週間のため合計値を7で割ります。すると、分散値は63,571.428…ということがわかりました。

平方根を求める

最後に、ステップ3で求めた分散値の平方根を求めます。分散値は偏差の2乗のため、このままだと2乗の数値が返されてしまうためです。

単位を戻すために、2乗の逆である平方根を求めていきます。平方根を求めることにより、標準偏差が計算できます。

(例)
1週間分の来客数の標準偏差=√63,571.428…の平方根をとります。

2乗の逆なので、√63,571.428…=±252.133…

つまり、A店における1週間の来客数の標準偏差は、約252になることがわかります。


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ビジネスで標準偏差を活用できるシーン

ここまで標準偏差の意味と計算の仕方を見てきましたが、ビジネスではどのようなシーンで活用されることが多いのでしょうか。ビジネスでの利用場面について紹介します。

リスク管理

標準偏差はリスク管理において活用できます。
例えば、株式投資では、株価の変動幅の標準偏差を求めることで投資の意思決定に活用できます。標準偏差20と標準偏差50の2種類の株式を取引する場合を考えてみましょう。このケースだと、標準偏差20の方が株価の変動が少ないです。

2種類の株式を比較すると、リスクを取ってでも利益を狙いたい場合は標準偏差50の株式、リスクを抑えて投資したい場合は標準偏差20の株式の方が適しているでしょう。
リスク管理は、株式投資だけでなく、商品販売にも活用できます。標準偏差がわかれば、どれくらいのロスを許容できるかを考えながら入荷のコントロールができるためです。

このように、さまざまなシーンのリスク管理に標準偏差は活用できます。

品質管理

品質管理の現場では、機械を利用していても、個々の商品の品質にばらつきが生じることがあります。多少のばらつきは誤差の範囲として問題ないものもありますが、ばらつきが大きすぎるとクレームを受けることもありますので注意が必要です。

このような品質管理においても標準偏差の考え方は活用できます。標準偏差を用いることで、サイズや重さなど、商品の個体差をどの程度許容するか予測を立てられるためです。

標準偏差には、平均値から±標準偏差2個分の範囲にデータの約95%が収まる特徴があります。この特徴を利用して、サイズや重さが平均値から±標準偏差2個分以上外れたものを規格外とするなどのやり方があります。

業績の分析

業績の分析にあたって、平均値だけでは見えにくい部分もあります。標準偏差は、商品の販売数や店舗ごとの業績などを比較する際にも活用できる指標です。

例えば、商品Aと商品Bがあり、Aの販売数の標準偏差は10、Bの標準偏差は100だったとします。AとBの販売数の平均値が同じだった場合、A商品は安定して売れていることがわかるでしょう。

一方、Bは売れ行きのばらつきが大きく、売れるときと売れないときの差が大きいことがわかります。Bがいつ売れているのかを見ると、Bの売上の傾向がつかめて効率良く商品を売るための戦略に活かすことができるでしょう。


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まとめ

標準偏差は、ビジネスシーンのさまざまな場面で活用できます。まずは計算の仕方など基本的なところを押さえておきましょう。なお、標準偏差の計算は、ツールなどを利用することで膨大なデータも簡単に算出できるようになります。

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