マーケティングコラム

「テレビ離れ」の現状はどうなっている?今後の広告戦略は?

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最近では、テレビ離れが進んでいるといったことをよく耳にする人も多いのではないでしょうか。広告の作成を考えている方は、今までと同じようなテレビの影響力を使った広告戦略が今後は通用しなくなるかもしれません。そのため、広告戦略を立てる上でも、なぜテレビを見ない人が増えているのか把握しておきたい人も多いと思います。本記事では、テレビ離れが進む現状や今後の広告戦略について解説していきます。

テレビ離れは若者だけではない。視聴率が急落!

インターネット中心の生活を送る人が増えており、テレビの低視聴率を報じる記事もいくつかあります。一方で、メディアがおおげさに煽っているだけなのではないかと思っている人も多いでしょう。

しかし、「ただメディアが煽っているだけ」と片付けられず、「テレビ離れ」という言葉を否定できない調査も発表されています。各所が発表しているデータから、テレビの現状を把握していきましょう。

若年層を中心にテレビの視聴時間が減少

NHKの調査によると、国民全体のテレビの視聴時間は確実に減少しています。
2010年・2015年・2020年のデータにおいて、もっとも長いのが2010年で次いで2015年、もっとも短いのが2020年です。最近のデータほど、テレビの視聴時間が短くなっています。

年齢別では、10代男女と50代女性に顕著な傾向が見られ、2015年から2020年にかけて大きく減少しました。テレビ視聴の代わりに増えているのは、睡眠と身の回りの用事です。朝の時間帯にテレビを見なくなった分だけ、遅くまで寝ていたり、身だしなみに時間を費やしたりしていることがうかがえます。

また、インターネット関連の行動にかけている時間も2015年より2020年の方が増えています。特に10代の男女でその傾向が顕著です。2015年にはほとんどなかったのが、2020年では10代男性で7%、10代女性で4%に増えています。

出典:「テレビよりも睡眠や身だしなみ?~10代 朝のテレビ離れ」(NHK放送文化研究所)
https://www.nhk.or.jp/bunken/yoron-jikan/column/tv-2020.html


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インターネット広告がマスコミ4媒体広告を超越

電通の公表資料によると、2022年にはインターネット広告は3兆912億円、マスコミ4媒体広告(テレビ・ラジオ・雑誌・新聞)が2兆3,985億円の規模でした。

マスコミ4媒体をそれぞれ単独で見た場合、テレビ以外の3媒体は2000年代以前にすでにインターネット広告に抜かれています。テレビは2019年にインターネット広告に抜かれ、2021年に4媒体の合計でも抜かれているという状況です。しかし、その一方でTVerの広告収入は増えています。

出典:「2022年 日本の広告費」(電通)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2023/0224-010586.html

テレビ離れが進む原因として考えられること

テレビ離れが進んできた原因としては、次のようなことが考えられます。

テレビ以外の娯楽が増えた

インターネットが普及する以前までは、テレビはインドア系娯楽の代表格でした。テレビ以外のインドアで楽しめるものは少なかったでしょう。

しかし、インターネットが普及してきてからは、スマホ・タブレット・パソコンなどテレビ以外のインドア系娯楽が増えてきました。インドアでも楽しめる選択肢が大幅に増えたことでテレビ離れが進んだといえます。

また、X(旧Twitter)・Instagram・TikTokなど、SNSの台頭も大きな要因でしょう。SNSに時間を割くようになれば、テレビを見る時間が減っていくことを容易に推測できます。

好きなものを好きな時間に見たい

タイムパフォーマンスを重視する人は、仕事や家事の忙しさからテレビを見ないことが多いです。また、特に見たい番組があるわけでもなく、なんとなくテレビを見るのは無駄だと考える人も見受けられます。

そのため、決められた時間に番組を見るのではなく、好きな時間に好きなものを見たいと考える傾向にあります。放送時間が決まっているテレビはどうしても敬遠されがちです。

見たいテレビ番組がある人の多くは、TVerの見逃し配信やHDDレコーダーなどで録画して見ている人もいるでしょう。録画の視聴は視聴率に含まれないため、数字の上では見ていないのと同じ扱いになってしまいます。


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VOD(動画配信サービス)やネット動画が面白い

アニメやドラマなどは、Netflix・Amazon Prime・ABEMAなどの動画配信サービスを利用すれば、視聴できます。動画配信サービスはテレビよりも便利な面が多いです。

たとえば、現在テレビで放送している作品だけでなく、以前放送されていた作品も視聴することができます。テレビと違って、放送時間に合わせる必要はなく、好きなときに見られるのもメリットです。完結している作品なら、全話一気見することもできます。

スポーツの試合などは、テレビで放送していないものでも、動画配信サービスなら視聴できることが多いです。また、YouTubeなどを見ている人もいるでしょう。テレビでは見られない内容のコンテンツもあり、魅力を感じる人も多いです。

SNS上の方が情報を早く得られる

SNSの普及により、テレビのニュースよりもインターネットの方が早く情報を得られることもあります。興味のあるジャンルに関係の深いユーザーをフォローしている人も多いでしょう。そうすれば、興味のあるジャンルの情報を得やすくなります。

ローカルなニュースなどはテレビでは報道していなくても、SNSなら情報を入手できることも多いです。

ゲームの広がり

テレビゲームや携帯ゲームなどが増えてきたことも、テレビ離れの一因として考えられます。近年では内容が濃く完成度の高いゲームが増えており、ほかのユーザーとコミュニケーションを取れるゲームもあり、大人も十分楽しめる娯楽になっています。


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テレビ広告とWeb広告のそれぞれの強み

これからは人々のテレビ離れが進んで、テレビ広告とWeb広告の立場が逆転すると考えている人も多いかもしれません。しかし、テレビ広告とWeb広告は、それぞれ強みとする面が異なります。広告戦略を考える上では、双方の強みを理解しておくことが大切です。

Web広告の強み:精緻なビッグデータ分析

Web広告はアクセス解析により、ユーザーの興味関心や属性などを分析できるのが強みです。どんなタイプのユーザーが広告を見ているのか、成約に至るユーザーにはどんな共通点があるのかを把握できます。

精緻な分析が可能なため、的確なターゲティングに基づく施策を行えるようになるのです。ターゲット層への訴求が十分にできていない場合には、広告戦略を練り直すことも可能です。

また、Web広告はテレビ広告と比べて、コストが安く済みます。クリック課金型や成果報酬型などの広告があり、費用対効果が高いのもメリットです。

テレビ広告の強み:マスへの訴求効果

テレビ広告は、精緻な分析やターゲティングなどができない反面で、マス向けの訴求できるのが大きな強みです。

テレビCMを出稿すれば、非常に多くの人に認知してもらえます。製品やブランドイメージについて、広く浸透させられるでしょう。何度も見ていれば記憶にも残りやすいです。これまで自社の製品やサービスに興味がなかった人にもアピールできます。
テレビCMを見たことをきっかけに興味を持ってくれる人も一定数いるでしょう。

まとめ

近年、テレビの視聴時間は減少傾向にあり、若年層だけでなく中年層においてもテレビを見なくなっている人は多いです。広告費の推移からも、その状況が読み取れます。

テレビ離れの主な原因としては、ほかのインドア系娯楽が増えたことや、動画配信サービスの普及などが大きいです。

しかし、マス向けの宣伝効果に関しては、依然としてテレビ広告が勝ります。今後はWeb広告とテレビ広告の特徴を押さえた上で、目的に合った広告戦略を練ることが大切です。

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