マーケティングコラム
ストレス解消・発散には何が最適?30年間の時系列データ掲載
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仕事で責任あるポストを任されたり、転職や異動などで働く環境が変わったりと、環境の変化によってストレスを感じるケースは少なくありません。もし日々のストレスに悩んでいるなら、ストレス解消・発散に効果的な方法を理解することが大切です。ストレスの発散方法やストレスとの付き合い方を理解すると、気持ちが楽になります。本記事では、当社クロス・マーケティングの独自調査「CORE(生活者総合ライフスタイル調査)」をもとに、ストレスの原因や効果的なストレス解消方法をご紹介します。
ストレスの主な原因
当社クロス・マーケティングでは、生活者の意識・実態を把握するために30年以上継続して、毎年定期的に調査を実施しています。今回はその中から「ストレスの状況」「ストレス解消方法」のデータに注目し、1993年~2022年まので30年間の時系列データをご紹介します。例えば、天候や騒音などの環境的要因、睡眠不足や病気による身体的要因、悩みや不安といった心理的要因があります。また、最近では、仕事の忙しさからストレスを感じてしまう社会的要因も問題視されています。
日常の中で起こるさまざまな変化を起因として発生するストレス。ただし、ネガティブな出来事のみが起因となるわけではありません。結婚や出産、転職といったポジティブな出来事も日常での変化なので、ストレスを感じる場合があります。
※出典:厚生労働省「メンタルヘルス」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html,(参照2023-3-28)
効果的なストレス解消方法
当社クロス・マーケティングは、独自調査の中で「ストレスを解消するための方法」についても聴取し、その上位5つの回答結果は次の通りです。<図2>・第1位:好きなものを食べる(54%)
・第2位:睡眠を充分とる(50%)
・第3位:音楽を聴く(36%)
・第4位:お風呂につかる(34%)
・第5位:買い物をする(32%)
1. 好きなものを食べる
ストレス解消方法として最も回答が多かったのが、好きなものを食べることです。人間は空腹を感じた際にストレスを感じやすくなります。そのため、空腹を満たすことでストレス解消につながります。中でも自分の好きなものを食べると幸福感が満たされ、効果が高まります。
また、ストレス発散には甘いものを食べることも効果的です。甘いものに含まれている糖質はインスリンの分泌を促し、血液中のトリプトファンという物質をスムーズに脳内に運びます。結果としてセロトニンの分泌量が増え、ストレス解消につながる仕組みです。
ただし、間食が多くなり体重が増えると、かえって大きなストレスを抱える可能性があるので注意が必要です。好きなものを食べてストレスを発散する際は、食べるタイミングや量にも気を配りましょう。
2. 睡眠を充分とる
十分な睡眠時間を確保することもストレス発散のポイントのひとつです。睡眠は体だけではなく脳を休ませる機能があります。しっかりと睡眠をとり脳の疲れを取り除くと、自律神経やホルモンのバランスが良くなります。また、睡眠の質を意識することも大切です。例えば、起床時に日光を浴びて体内時計を整える、朝食をとって覚醒を促す、就寝前に適度に体を温めて自然な眠気を誘うといった方法で睡眠の質を高められます。
3. 音楽を聴く
最近では、リハビリテーションの領域で音楽療法が活用されています。音楽療法とは、音楽を聴いたり演奏したりするときの心理的・生理的な効果を応用し、心身の健康回復をはかる方法です。このように音楽には、健康の維持や心身の障害の機能回復といった目に見えない力が備わっています。人間はストレスを感じると、自律神経の中にある交感神経に乱れが生じます。交感神経が高ぶった状態が続けば、常に落ち着かない気持ちになるほか、イライラが溜まりやすくなります。
音楽にはドーパミンの分泌を促す作用があり、結果的に交感神経の乱れを取り除いてくれます。交感神経が正常な状態になることで、精神的にリラックスモードに入り、自律神経のバランスを整えてくれるのです。
そのため、ストレスが溜まったときに音楽を聴くのは、理にかなった行為だといえるでしょう。
まとめ:ストレスとの上手な付き合い方を考えよう
今回ご紹介したように、好きなものを食べたり音楽を聴いたりすることで、ストレスを一時的に発散できます。しかし人間である以上、ストレスを根本的になくすことはできません。そのためストレスとの上手な付き合い方を考えることが大切です。ストレスを感じること自体が悪いと思い込むのではなく、まずは自分の感情の変化を捉え、ストレスと向き合うと良いでしょう。現在の感情を紙に書き出すなど、感情のアウトプットによって心のモヤモヤが晴れ、ストレスの原因も見えてきます。
※「CORE(生活者総合ライフスタイル調査)」調査概要
調査手法:訪問・郵送併用の自記入式留置調査
調査地域:1996年まで首都圏30km圏、1997年以降 首都圏40km圏
調査対象:2002年まで18~69歳、2003~2012年18~74歳、2013年以降18~79歳男女個人
調査実施期間:毎年1回10月実施
有効回答数:2022年まで3,000サンプル、2023年 2,040サンプル (人口構成比に合わせて、性×年代別を割付)