マーケティングコラム
タイパ(タイムパフォーマンス)とは?事例やタイパをよくする方法を解説
公開日:
WEBライティング~メディアの制作ディレクション業務・SNS運用・YouTubech運営/広告運用などで活動しているWEB系フリーランス。
SEO,YouTube,Twitter,Instagram,TikTokの集客媒体全般で集客・コンテンツ制作経験あり。読者・視聴者の潜在ニーズを拾い上げ「見たくなるコンテンツ制作」を意識しています。運営したYouTube漫画 chでは売上20倍に貢献。記事制作に携わったメディアは30サイト以上。現在は、SEOのコンテンツ制作をメインの業務としています。
「タイムパフォーマンス」という言葉をご存じですか?現代の若者の価値観を示した言葉で、昨今マーケティング業界を中心に注目を集めています。本記事では、タイパの意味や、タイパをよくする方法などを解説します。
武田 竜輔
タイパ(タイムパフォーマンス)とは?
タイパは「タイムパフォーマンス」の略語で、コスパ(コストパフォーマンス)から派生した和製英語です。物事に費やした時間に対して、得られた経験値や満足感などがどのくらいだったかを意味します。タイパは、三省堂の「今年の新語2022」で大賞を受賞するほどに、注目を集めているキーワードです。例えば「何時間もダラダラと動画を見て、罪悪感がつのった」といったケースは、タイパが悪いと言えます。逆に「5分しかない動画だったけど、満足度が高い」と感じた場合は、タイパが良いと言えるでしょう。仕事においても「短時間でよい結論が出せた」場合にはタイパが良いと言えます。
このように、費やした時間に対して満足度や価値がどのくらい高かったかを「タイパが良い・悪い」などと表現します。
参考:WORD-WISE WEB「三省堂 辞書を編む人が選ぶ 今年の新語2022」
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/shingo/2022/best10/Preference02.html
コスパとの違い
タイパとコスパの違いは、価値を判断する基準をどこに置くかです。タイパは「かけた時間に対してどのくらい満足度を得られたか」を意味するのに対し、コスパは「価格に対してどのくらい満足度を得られたか」を意味します。つまり、時間対効果なのか、費用対効果なのかが、タイパとコスパの主な違いです。例えば「30分100万円のイベント」があった場合、「30分で100万円分の素晴らしい経験が得られた」と考えればタイパは良いと言えます。しかし「100万円もかかるのに30分しかイベント時間がない」と考えると、コスパは悪いと言えるかもしれません。
どこを判断基準とするかが、タイパとコスパの大きな違いなのです。
タイパが注目された理由
タイパが注目された理由として、デジタル技術が進化し、さまざまな情報を収集しやすくなったことがあげられます。パソコンやスマホが発達して、大量のコンテンツにいつでもどこでもアクセスできるようになりました。膨大な情報を前にして、人々は少しでも多くの情報を得られるように、時間の使い方や効率のよさに注目し始めたのです。また、ネット社会になるにつれ時間を無駄にしたくないと考える人も増えたことも、タイパが注目された理由の1つです。特に、Z世代を中心とした若者の消費行動に、とても特徴的な点があります。現代の若者は「動画の倍速視聴」や「ショート動画を視聴する」といったように、短時間で高い満足度を得ようとする傾向があります。2021年に逮捕者が出て話題となった「ファスト映画」が人気となったのも、タイパを意識する行動の表れでしょう。昨今ではリモートワークが普及したのもあり、さらに時間を無駄にせず効率よく生きたいと考える人が増えています。
ただし、タイパという言葉そのものが流行している訳ではありません。実際、カクヤスやSheepDogが行った調査結果でも、年齢層に関わらずタイパの認知度はあまり高くないことが分かっています。タイパは、言葉ができるよりも前から、時代の変化とともに人々が持つようになった価値観なのです。
参考1:PR TIMES「今話題の“タイパ”。愛飲家の8割が、飲酒時間にはタイパを意識しない!けれど…?―なんでも酒やカクヤス調べ」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000022125.html
参考2:PR TIMES「10~50代男女の約67%がタイパという言葉を知らないと回答。日常的に使用しているのは6.7%【タイパに関するアンケート】」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000208.000077217.html
タイパ向上のメリット
タイパを向上するメリットは、ものごとを短時間で済ませられるため、より多くの物事を体験できるようになる点です。例えば、これまで1時間かかっていた作業が30分でこなせれば、残りの30分を別の作業に充てられます。仕事の幅を広げたり、よりクオリティの高い仕事をしたりするためにタイパを意識するのはとても大切です。
また、趣味においてもタイパを意識するメリットがあります。タイパの高い行動をすると、日々をより充実したものにできるのです。
「充実した時間を過ごす」といった言い方だと、より分かりやすいかもしれません。日々の時間をより充実させ、より多くのコンテンツを楽しんだり、良い体験を得たりできるのが、タイパを向上するメリットです。
タイパをよくする方法
タイパをよくする方法としては「費やす時間を短くする」もしくは「その時間で得られる経験を濃くする」の2つが考えられます。具体的には、以下のような方法を試してみると、タイパをよくできるでしょう。優先度を決める
タイパをよくするために大切なのが「本当にやりたいのは何か」を明確にすることです。いくらタイパがよいとされる行動でも、やりたくない内容では意味がありません。「読みたい本があったが、タイパをよくするため倍速で動画を見た結果、あまり楽しくなかった」というのは、本末転倒です。タイパをよくするのに注力するのでなく、まずやりたいことの優先度を明確にして、やりたい物事をどのようにタイパよく行うかといった順序で考えましょう。コストだけでなく満足・感動を意識する
安さを重視しないのも、タイパをよくするために大切です。安さを重視するあまり、粗悪な商品や体験を買ってしまっては、タイパもコスパも悪くなってしまいます。少し高価でも、自分が好きで満足できると思うものであれば、購入してみるのが良いでしょう。例えば、同じ2時間のコース料理だったら、2,000円よりも1万円のほうがタイパはよいと考えられます。
また、テレビやネットで手軽にスポーツ観戦をするよりもスタジアムに足を運んだほうがタイパはよくなるでしょう。移動時間やお金はかかりますが、あえてスポーツ・映画・演劇を生で観戦することでタイパはよくすることができます。
短時間でも満足する方法を探す
短時間でも満足できる方法を探すこともタイパをよくするのに効果的です。同じ体験や情報量であれば、より短時間で得られたほうがタイパはよくなります。前述したような「動画の倍速視聴」や「リモートミーティング」といったものは、まさに短時間で満足する方法です。例えば、1時間のセミナー動画を倍速視聴すれば、30分ですべての知識を得られます。また、移動方法を在来線から新幹線にしたり、バスから自家用車にしたりすると、より短い時間での移動が可能です。多少コストがかかったとしても、時短できるテクニックを活用してタイパをよくしていきましょう。
タイパのわかりやすい事例
「タイパをよくする」と言われても、なんとなくしかイメージできない方も多いでしょう。この後の項目では、タイパをよくする事例を「私生活」と「仕事」に分けてご紹介します。私生活の事例
私生活でタイパを高める場合、どのようなサービスを利用して日々を充実させるかが重要になります。以下では、私生活でタイパをよくした事例を3つご紹介します。動画を倍速で視聴する
動画を倍速で視聴するのは、タイパを高める代表的な事例です。動画を倍速視聴すれば、短時間でたくさんの情報を得たり、エンタメを楽しんだりでき、時間あたりの充実度が高まります。動画視聴に必要な時間が短くなった分、ほかのことに時間を費やせば、さらにタイパを高められるでしょう。本の要約サービスを利用する
本の要約サービスも、タイパを高めるのに適したものです。例えば「flier(フライヤー)」という要約サービスでは、1冊の本を10分で理解できるようにしたコンテンツを楽しめます。本の要約サービスを利用すると、今まで何時間もかかっていた読書が10分で完了するので、タイパが高まるでしょう。冷凍食品のデリバリーサービスを利用する
冷凍食品のデリバリーサービスを利用すれば、食材の買い出しや調理にかかる時間を短縮できます。例えば「Nash(ナッシュ)」という冷凍食品のデリバリーサービスは、主菜と添え物が1パックに収められた冷凍食品が届くサービスです。簡単においしい料理を食べられるサービスは、タイパを高めるのに適しているでしょう。仕事の事例
仕事での事例としては、作業効率や時短を意識するのがよいでしょう。以下では、仕事でタイパをよくした事例を3つご紹介します。ウェビナーを受講する
Webで行うセミナーを意味する「ウェビナー」も、タイパをよくする事例の1つです。リアルのセミナーと比べ、ウェビナーはどこからでも受講できるので、移動の手間や時間をなくせます。複数回視聴できるウェビナーもあり、復習がしやすいのも魅力です。同じ長さや料金のセミナーであれば、時間を有効活用できるウェビナーはタイパをよくするのに効果的といえるでしょう。案件獲得までの期間を短縮する
案件獲得までの期間を短縮できた場合、タイパが高まったと言えます。より短い時間で、高い成果を出せるようになっているからです。例えば、Excelやスプレッドシートなどで顧客管理をしたり、CRM(Customer Relationship Management)システムやSFA(Sales Force Automation)ツールを活用したりできれば、受注までの時間を効率化できます。これまで獲得に1か月かかっていた規模の案件を1週間で獲得できたのであれば、1週間あたりの達成度はかなり高くなるでしょう。今までの1週間と、案件獲得までの期間を短縮できた際の1週間を比べれば、後者のほうが圧倒的にタイパは高まります。