マーケティングコラム
Eコマースとは?ライブコマースやメタコマースの特徴も併せて解説!
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パソコンの普及や通信インフラの整備が加速した1996年、日本で初めてEコマースという言葉が生まれました。それから約25年後の現在、実店舗やEコマースに代わる売り場としてライブコマースやメタコマースという言葉が注目され始めています。本記事では、デジタル社会で普及が進む「Eコマース」「ライブコマース」「メタコマース」という3つの販売手法について、特徴や仕組み、市場動向などを徹底解説します。
急拡大しているECマーケット市場やメタバース市場
新型コロナウイルスによる外出自粛やデジタル技術の進歩により、ECマーケット市場やメタバース市場が急拡大しています。ECマーケット市場には「Eコマース」や「ライブコマース」が、メタバース市場には「メタバースコマース(以下メタコマース)」があります。この3つの市場は、今後のマーケティングにおいて顧客との接点を生み出すために欠かせないチャンネルとなりえるでしょう。
そんな市場拡大が続くEコマースやライブコマース、メタコマースについて、ここからはそれぞれの特徴や仕組み、市場動向などを解説します。
今では欠かせないEコマース(電子商取引)
Eコマース(Electric Commerce)とは「電子商取引」とも呼ばれ、電子的に取引が行われるネットショッピングやオークションサイト、イー・トレードなどを総称する言葉です。インターネットにさえつながっていれば、場所を気にせずに商品やサービスを購入できます。1996年にEコマースという言葉が誕生してから約25年が経過し、現在ではオムニチャネル化による実店舗との連携や、AIを活用したWeb接客ツールの普及などでますます利便性が高まっています。
Eコマースの市場動向
経済産業省の調査によると、2020年におけるBtoC向けEコマースの市場規模は19.3兆円、BtoB向けEコマースは334.9兆円です。BtoC向けEコマースの市場規模を2013年と比較すると、7年間で1.72倍に拡大しています。参考:https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html
また、すべての商取引金額に対する電子商取引金額の割合を表すEC化率は、BtoC向けEコマースが8.08%と前年比1.32ポイント増、BtoB向けEコマースが33.5%と同1.8ポイント増となっており、実店舗からEコマースに切り替える動きが加速しています。
より信用性が上がるライブコマース
ライブコマースとは、動画配信サイトのライブ配信機能を使って商品やサービスを販売する手法です。テレビショッピングとよく似た販売手法ですが、ライブコマースは視聴者がチャットで気軽に質問できる仕組みで、リアルタイムに双方向のコミュニケーションを行えるという特徴があります。ライブコマースでは、自社商品を愛用するショップ店員やインフルエンサーを起用する方法が一般的です。ブランドや商品ではなく「個人」にファンが付くことが狙いで、消費者からの信用や共感を高めることでスムーズな販売促進を可能にします。
ライブコマースの市場動向
ライブコマースがもっとも定着しているのは中国で、経済産業省の調べではKOL(Key Opinion Leader)というインフルエンサー経由での市場規模は、2020年時点で約3,000億元(4兆6,410億円)に達しています。参考:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf
日本でも著名なインフルエンサーやタレントを起用してライブコマースを実施するケースが増えてきましたが、まだ消費者からの認知が低い状態にあります。それだけに伸びしろが大きいとも考えられるため、今後の動向については要注目です。
「第3の売り場」メタコマース(メタバースコマース)
メタコマースとは、インターネット上の仮想空間である「メタバース」と「Eコマース」を組み合わせた造語です。実店舗とEコマースに次ぐ「第3の売り場」として、近年特に注目が集まっています。メタコマースの代表的な国内事例に、タカラトミーとサンリオが共同出店した「そらのうえショッピングモール」があります。バーチャルショッピングモール「そらのうえショッピングモール」で、自分のアバターを操作しながらデジタル商品の買い物が楽しめる仕組みです。
最近のメタコマースでは、アバター向けのデジタル商品とリアル商品をセット販売するパターンと、実店舗と連携する形で運営するバーチャル店舗を設立するパターンの2種類の潮流があります。
メタコマースの市場動向
メタコマースの市場は2028年に8,289億5,000万ドル(2022年のレートで約107兆7,600億円)に達すると予測されており、日本でもすでにソニーやローソン、NTTドコモなどが参入を発表しています。特にゲーム分野では成長の兆しが見え始めています。米エピックゲームズが提供するバトルロイヤルゲーム「Fortnite(フォートナイト)」では、アバターの外見を変えるスキンの年間販売額が3,000~5,000億円にものぼります。もはやメタコマースは一過性のトレンドではなく、実店舗やEコマースに並ぶ主要な販売プラットフォームになりつつあるでしょう。
Eコマース×ライブコマース×メタコマースで広がる顧客との接点
実店舗からEコマースへ、Eコマースからメタコマースへと、時代の進展によって販売手法や売り場が大きな変化を遂げようとしています。時代が変わるということは、当然消費者の価値観や消費性向も変化するということなので、潮流に乗り遅れないよう、今の内に複数の選択肢を模索しておくことが大切です。デジタルマーケティングでオムニチャネルが重要視されるなか、販売戦略においてもいかに適切な売り場を用意し、どう顧客と接点を持つか慎重に考えることが求められています。Eコマースに加えライブコマースやメタコマースといった新たな販売手法も採り入れつつ、時代に合わせた販売戦略を構築しましょう。
【参考URL】
https://www.future-shop.jp/magazine/ec_merit
https://tomoruba.eiicon.net/articles/3195
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/73
https://ecnomikata.com/ecnews/33756/
https://art-trading.co.jp/ec-marketing/live-commerce/
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00596/00004/
https://www.bci.co.jp/nichiryu/article/9993