マーケティングコラム

パーパスブランディングとは?従来のブランディングとの違いと重要視される理由を解説

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企業の認知拡大やイメージアップにつながるブランディングは、いまやマーケティングにとって必要不可欠な存在です。そのブランディングの数ある施策の中でも、現在特に注目を集めているのが「パーパスブランディング」です。本記事ではパーパスブランディングの意味や従来のブランディングとの違い、重要性が高まっている理由について詳しく解説します。

パーパスブランディングとは?

パーパスブランディングとは、社会における自社の存在意義を世間に認知してもらい、多くの共感を獲得することによってブランディングにつなげる手法です。

近年はビジネス領域において、「企業の存在意義」と訳されることの多い「パーパス(Purpose)」という言葉が注目を集めていますが、パーパスとパーパスブランディングでは少しだけ捉え方が異なります。そこで、まずはパーパスという言葉の意味について理解していきましょう。

パーパスについて

パーパス(Purpose)は本来、「目的、意図」という意味を持ちますが、ビジネスシーンでは主に「何のためにこの企業があるのか」、つまり「企業の存在意義」という意味合いで使用されます。

従来の企業経営においては企業理念やビジョンといった言葉があり、似たような意味合いを持つパーパスと混同してしまうケースも少なくありません。しかし企業理念やビジョンなどの理念体系は、あくまでパーパスという大枠の中に含まれる一つの要素であると捉えることができます。

パーパスの例としては、例えばGoogleの「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする」や、P&Gの「現在そして未来の、世界の消費者の生活を向上させる」などがあります。

そのパーパスという考え方をブランド戦略の中心に据え、あらゆる施策をパーパスに基づいて展開していくのがパーパスブランディングです。

パーパスブランディングの効果

では、パーパスブランディングを実践することで一体どのような効果が期待できるのでしょうか。

マーケティング領域に絞り込むと、商品やサービス、ブランドの認知拡大やイメージアップ、ファンの醸成などにつながることが分かります。

例えばSDGsやESGなどの観点からブランドストーリーを構築することで、社会課題に関心を示す消費者からのブランド想起率を高めることができます。他にも品質やデザインと同時に自社独自のパーパスを打ち出すことにより、マーケティングの差別化につなげられるでしょう。


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パーパスブランディングと従来のブランディングとの違い

パーパスブランディングと従来のブランディングの大きな差は、その目的にあります。従来のブランディングが利益拡大を目的としていた一方で、パーパスブランディングは認知拡大が主な目的です。

これまでは自社に蓄積した見込み客リストを使って成約確度の高いリードを絞り込み、その特定の人物に向かってブランドの価値をアピールしていました。

その点、パーパスブランディングの場合は、あくまで社会における自社の存在意義を明確に定義し、多くの共感を集めることが主な役割となっています。利益の拡大を狙うのであれば、ターゲットを厳選する従来のブランディング手法が効果的ですが、多くの認知を獲得し、長い目でブランドへの愛着を強化するためには、パーパスブランディングの方が効力を発揮すると言えるでしょう。

パーパスブランディングが重要視される理由

マーケティングや人材採用などさまざまな場面でパーパスブランディングの重要性が高まってきたのは、以下のような要因があるからです。

・価値観の変化
・消費志向の変化
・評価基準の変化

それぞれの要因について詳しく解説します。


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価値観の変化

時代の移り変わりによって消費者の価値観が変化したことで、今まで以上にパーパスブランディングの重要性が高まりつつあります。特にY世代やZ世代などの若い世代ほど、ブランドの価値観やストーリーに共感してから商品を購入しようとするため、機能や価格をアピールする以上にパーパスの提示が不可欠だといえます。

消費志向の変化

パーパスは「企業の存在意義」と定義されることが多いですが、同時に「WHY(理念と大義)」と表現されることも珍しくありません。つまり、「自社はなぜ存在するのか」という捉え方です。

その「WHY」の考え方は、モノからコトへと移り変わる消費志向の変化とうまく調和しています。これまでのモノを消費する社会であれば、「WHAT」と「HOW」、つまり「なに」を「どのように」売るかという点を考えることで業績を伸ばすことができました。

しかし消費志向がモノからコトに変わった現代では、「なぜその商品を買うのか」という「WHY」の部分が明確でないと、思うように商品が売れません。この「WHY」の部分を明確にする必要性が生まれたからこそ、パーパスブランディングの重要度が高まっているのです。

投資家の評価基準の変化

最後のポイントは、企業に対する投資家の評価基準の変化です。

近年は投資の世界においてSDGsやESGの重要性が高まっており、社会課題や環境への取り組みに消極的な企業に対してはダイベストメントが進んでいます。ダイベストメントとはインベストメントの反対で、投資対象に見切りをつけ資金を引き揚げる行為です。

つまり現在は、SDGsやESGの取り組みがない企業は投資家からも相手にしてもらえず資金調達が難しい環境だと言えます。パーパスはSDGsやESGと密接に関係する考え方でもあるため、評価基準の変化によってパーパスの重要性がますます高まりつつあります。

まとめ

ここまでお伝えしたパーパスブランディングという考え方は、特別新しい概念というわけではありません。

むしろ日本では、社会課題を解決しながら企業や従業員、顧客のそれぞれが幸せになるという三方良しの経営理念が古くから根付いています。そのためパーパスブランディングを導入することは、決して難しい課題ではありません。

現在企業で掲げている経営理念やビジョン、ミッションなどの理念体系をさらに発展させ、自社独自のパーパスを構築してみましょう。


【参考URL】
https://liaison-kikaku.co.jp/labo/column/2021/03/02/833/
https://pr-genic.com/5540
https://prdx.co.jp/visions-prdx/purpose-branding/
https://marketing.nikkei.com/column/newspaper/detail/000529.html
https://www.astorypr.com/news-all/case/purpose-branding
https://www.powerweb.co.jp/blog/entry/2022/02/03/173618

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