マーケティングコラム

Z世代に注目!消費行動における特徴を解説

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世界人口の32%に達すると言われるZ世代。10年後には、20~30歳という経済活動の主役へと成長することから、Z世代に注目する企業が増えています。Z世代は「真のデジタルネイティブ」とも呼ばれ、今までの世代とは価値観や消費の特徴が大きく異なります。彼らのニーズをマーケティングに取り入れるためにも、他世代との違いや消費行動における特徴を理解していきましょう。

Z世代についておさらい

Z世代は、1990年代後半から2000年代に生まれた人を指し、2022年1月の時点において11~22歳の年齢となります。もともと米国で1960~70年代に生まれた人はX世代(ジェネレーションX)と呼ばれており、その後に生まれた世代の人をアルファベット順に呼称しY世代、Z世代が誕生しました。

Z世代の定義や語源については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:https://www.cross-m.co.jp/column/marketing/mkc20210903/

Z世代が他の世代と違う点

世代に関する呼び方はZ世代の他にも、上記のX世代や1980年代後半から1995年に生まれたミレニアル世代など、さまざまな種類があります。Z世代はほかの世代と比べてどのような点が異なるのか、育った環境や価値観の違いを解説します。


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育った環境

Z世代は生まれたときからインターネットが普及していたこともあり、今までの世代の中でもっともデジタルネイティブだと言えます。内閣府の調査(2019年)では、自分専用のスマートフォンを持つ小学生は全体の40.1%だということが分かっており、Z世代は幼くしてインターネットや電子機器と共に生活しています。
参考:https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/r01/net-jittai/pdf-index.html

1世代前のミレニアル世代もデジタル分野に強い特徴を持ちますが、Z世代の方がその性質はより顕著です。

価値観

また、Z世代の親にあたるX世代は、大人になってからリーマンショックによる不況を経験しました。不景気は各家庭に深刻な影響をもたらし、その状況を周囲から見ていたZ世代の子供たちは、他の世代に比べて実利を追い求める、現実的な考え方を重視する傾向にあります。

そのため、金銭感覚はやや保守的。貯蓄や節約に対する関心が強く、安定思考が多くのZ世代に共通する価値観です。一方、経済感覚については堅実的なので、必要なものとそうでないものを冷静に見極め、自分が本当に欲しい商品やサービスにはお金を惜しみません。

Z世代における「消費行動」の変化

マーケティングでZ世代をターゲットにするなら、彼らの消費行動についても理解を深めておきましょう。消費の特徴や情報収集の手法などをご紹介します。

消費の特徴

先にお伝えしたように、Z世代は「自分に必要なもの・必要でないもの」を客観視して選別しようとするため、購入を検討する際はじっくり時間をかけて情報を集めます。そして消費の特徴としては、コストパフォーマンスを重視して商品やサービスを選ぶ傾向にあります。

消費に対する情報収集の手法

Z世代が情報を集めるときは、主にTwitterやInstagramを駆使します。SNSには、実際に商品やサービスを利用した人の客観的な意見が公開されているため、第三者の評価を参考に消費活動を行うことが分かります。

また、大学生や社会人だとWebメディアを、中学生や高校生はYouTubeを参考にすることもあります。

マーケティング目線で見た消費行動の傾向

主にSNSで情報を集め、第三者の口コミやレビューを購買の意思決定に反映させるZ世代は、別名「ソーシャルネイティブ」とも呼ばれています。この世代は、アナログ文化に慣れ親しんだ世代やデジタルネイティブ(主にミレニアル世代)とは、まったく異なる消費行動をとります。

その結果、今ではZ世代を対象とした新たな購買行動モデルが生まれました。従来の購買行動モデルは、AIDMAやAISASが主流でしたが、Z世代に適用できるよう、最近ではVISASやDECAXという新たなモデルが登場しています。

・AIDMA:認知→関心→欲求→記憶→行動(購入)
・AISAS:認知→関心→検索→行動(購入)→共有
・VISAS:口コミ→影響→共感→行動(購入)→共有
・DECAX:発見→関係構築→確認→行動(購入)→体験と経験


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Z世代はどんな事に興味を惹かれるのか?

現時点ではまだ年齢の低いZ世代は、世の中のトレンドに敏感です。例えば、2021年に流行した「地球グミ」の動画をYouTubeやTikTokで公開して皆で楽しんだり、おしゃれな「マリトッツォ」が流行ったときも写真を撮ってSNSで共有したりなど、新しい商品を積極的に受け入れようとしています。

ただし、物を所有することに強いこだわりがあるわけではないため、「モノ消費」よりも体験重視型の「コト消費」に強い関心を示します。また、Z世代はジェンダーや社会問題に対しても興味関心が強いことから、最近では、商品やサービスの機能に加えて社会的・文化的な価値に共感する「イミ消費」という言葉も生まれました。

Z世代の消費行動に適したアプローチ方法とは?

まず、マルチチャネルを駆使することは絶対条件だと言えます。WebやSNS、動画共有サービスなど多彩なプラットフォームから情報を集めようとするZ世代に対しては、デジタルとアナログの枠を超えた多角的なアプローチが必要です。

次に、商品やサービスが生まれるまでのストーリーやエピソードを伝えることも重要でしょう。個性を尊重し、社会問題にもある程度の関心を示すZ世代には、商品やサービスに物語性を付与して共感を呼びこむアプローチが求められます。

まとめ

Z世代の消費の特徴は、コストパフォーマンスを意識しつつも、商品やサービスの個性や独自性を意識する点にあります。WebやSNS、動画共有サービスなどを駆使し、しっかりと情報を集めたうえで購買を決断します。

Z世代を対象にマーケティングをするなら、マルチチャネルの活用や商品・サービスに対するストーリー性の付与といったアプローチが必須です。この先消費の主体となっていくZ世代だけに、その特徴や性質をよく理解して戦略を構築しましょう。

■Z世代に関するリサーチの詳細はこちら
・LINEリサーチ
https://www.cross-m.co.jp/service/line_research/

・学生に関するネットリサーチ
https://www.cross-m.co.jp/monitor/specialmonitor/student/


【参考URL】
https://www.trans.co.jp/column/knowledge/generation_z/
https://sdgs.kodansha.co.jp/news/knowledge/39069/#section-3
https://www.d4dr.jp/fprc/article/generaiton-z/#%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81
https://www.fashionsnap.com/article/2021-09-07/genz/
https://accelc.co.jp/blog/imishouhi/
https://sdgs.kodansha.co.jp/news/knowledge/39069/#section-3-1
https://www.salesforce.com/jp/blog/2020/03/millennials.html

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