マーケティングコラム

コロナ前と現在における消費者/生活者意識の変化と今後

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、消費者意識や生活者意識は様変わりしました。こうした意識変化は一過性のものではなく、コロナが収束してからも継続することが予測されています。アフターコロナの事業戦略を構築するうえで、コロナ禍の消費者・生活者意識の変化を分析することは非常に重要です。そこで今回は、クロス・マーケティングの調査を基に、コロナ前と現在における消費者・生活者意識の変化を探っていきましょう。

コロナ前と現在の消費者意識の変化

新型コロナウイルスが流行する前と流行後の現在を比較すると、消費者意識には大きな変化がみられました。

クロス・マーケティングで実施した「2021年3月 新型コロナウイルス生活影響度調査(支出編)」では、コロナ流行前と比べた消費者の支出変化を調査。以下のように支出の増減が明らかになっています。
※参考:https://www.cross-m.co.jp/report/health/20210405corona/

【コロナ禍で支出が増えた項目】
・食生活:28%
・育児・子供の教育:20%
・家事に伴う日用雑貨・サービス:17%
・健康の維持:10%
・住まい関係:10%

【コロナ禍で支出が減った項目】
・レジャー活動・旅行:56%
・人との交際:53%
・衣服や化粧品:33%
・貯蓄:26%
・趣味・教養のための活動:23%

上記のように、コロナの影響を受け、アウトドアからインドアを意識した支出が増加傾向にあります。
事実、「最近気になる商品・サービスは?」と質問すると、店内の混雑を回避できる「モバイルオーダーサービス」やマスク生活が続くことを見越した「アイシャドウ」など、コロナ禍での生活を意識した回答が大多数を占めました。

一方、長引く自粛生活の中でのストレスに耐えきれない人も現れ始めていることが明らかになりました。
同調査の第15回(2021年1月22~24日)と第17回(2021年3月26~28日)を比較すると、「直近1週間で実行したこと」の質問に対し、「マスクの着用」や「アルコール消毒液の使用」、「他人との接触を控える」などの項目が軒並み減少。特に、「不要不急の外出を控える」は7ポイント、「人と会うことを控える」は6ポイントと大きく減少しました。


20210702_02


また、「現在の買い物に対する意識・行動」の質問に対しても、「不要不急の買い物は控えている」や「買い物に行く頻度を減らしている」など、買い物自粛に対する項目が減少しています。

上記の回答から、徐々に人々の行動が活発になりつつあることが分かります。

コロナ前と現在の生活者意識の変化

ここまで、コロナ前と現在の消費者意識の変化をお伝えしました。そこで今度は、生活者意識の変化についても解説を行いましょう。

クロス・マーケティングでは、2021年2月19~21日かけて「2021年2月 新型コロナウイルス生活影響度調査(家庭生活編)」を実施。コロナ前と比較した生活行動や意識の変化を探りました。
※参考:https://www.cross-m.co.jp/report/health/20210301corona/

まず、コロナ禍によって増えた家事や生活行動は以下のようになっています。

【コロナ禍で“増えた”家事・生活行動ランキング】
・1位:帰宅後の手洗い(35%)
・2位:空気清浄機・加湿器を使う(13%)
・3位:拭き掃除(12%)
・4位:帰宅後の洗顔(10%)
・5位:食器洗い(10%)

これに対し、コロナの影響によって減った家事や生活行動には、女性の「メイク・メイク直し」や「肌・髪のお手入れ」などがありました。外出自粛要請により自宅にいる機会が増えたことで、美容関連の生活行動が軒並み減少傾向にあります。

また、「コロナ禍で購入した家電・生活用品」の質問に対し、「空気清浄機」や「PC関連用品」、「ヘルスケア計測機器」などが上位に。日々の健康管理に役立つ「パルスオキシメーター」や、時間ができて友人とゲームを楽しむ「あつまれどうぶつの森」など、コロナ禍に応じた消費活動が目立ちました。


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消費者/生活者意識、今後はどうなる?

ここまでの調査データの検証により、コロナ前とコロナ後の消費者・生活者意識は以下のように変化したことが分かります。

・長引く自粛生活を想定した消費行動が目立つ
・コロナウイルスの感染を防ぐ生活行動を心がける人が多い
・身なりを整えるよりも自粛生活の充実度を高めようとする行動が多い
・緊急事態宣言慣れもあり、人の流れが少しずつ活発になっている様子がうかがえる

では、将来無事にコロナの流行がおさまった時に、上記のように変化した消費者・生活者意識が元通りになるかといえば、すべてが元の状態に立ち返るとは限りません。

たとえば、コロナ禍にある消費者は、商品を購入する前にできるだけ情報を調べてから購買の決断をしようとします。それだけ現在は安全性に対する意識が高まっているからです。

ただ、安全な商品を求めようとする流れは、たとえコロナが収束しようとも変わりません。コロナがおさまってからも、消費者は変わらず商品の安全性を追求して購入を決断することでしょう。

このようにコロナ前とコロナ後にかかわらず、消費者の行動は常に進化していることを考えると、現状の消費者・生活者意識の変化を的確に捉え、アフターコロナでもその検証データを生かしていく必要があります。

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