マーケティングコラム

アフターコロナで変容する消費者意識。今後のマーケティング戦略とは

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新型コロナウイルスの影響により、特に外食やアパレル業界が苦戦を強いられています。自粛や働き方の変化によって消費者意識が変容する中、アフターコロナに備え、企業はどのようなマーケティング戦略を立てればよいのでしょうか。今回は、アフターコロナで消費者意識はどのように変わるのか、そしてアフターコロナで必要なマーケティング戦略は何か、という点を解説していきます。

アフターコロナで消費者意識はどう変わる?

新型コロナウイルスは、私たちの生活スタイルにも大きな変化をもたらしました。他者とのコミュニケーションはWeb会議システムで代用でき、リモートワークという働き方も徐々に浸透し始めています。また、必要な物資のほとんどは、いまやオンラインショップで手に入ります。現在多くの人が、外出が自粛されても十分な生活を送れることを実感しているのではないでしょうか。

この先、具体的な時期は想定できないものの、コロナウイルスはいずれ収束していくことでしょう。ただ、コロナによって変化したライフスタイルがコロナ前の状態に戻るとは限りません。むしろ新しいライフスタイルを受け入れようとする傾向が強くなるはずです。つまり、消費者の需要を予測して販売促進につなげるマーケティングにも、変化が必要だということです。マーケティング担当者にとっては、いまのうちにアフターコロナの消費者意識を予測しておく必要があります。


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コロナによって特に大きな打撃を受けた業界として外食産業が挙げられます。人々は三密を避けようと、感染リスクの高い飲食店の利用を控えようとしています。
エヌピーディー・ジャパン株式会社の「外食・中食市場2020年計の動向分析レポート」によると、2020年の外食の金額市場規模は前年対比33%減少しています。そして代わりに増加したのが出前市場です。出前市場の規模は毎年2~5%程度の成長率でしたが、2019年からコロナの影響が大きかった2020年には1.5倍に市場規模が拡大しています。

※参考:https://www.npdjapan.com/press-releases/pr_20210209/

出前は食材を買い出しにいく必要がなく、さらに玄関宅配によって人との接触も避けられます。出前の市場規模が急速に拡大したのは、接触型のサービスを回避しようとする消費者意識の表れと言えるでしょう。出前を利用する人が増える中、スーパーの利用を控えようとする動きがあるのも自然です。しかし、意外にもネットスーパーで買い物をしようとする人は少なく、食品スーパーの実店舗を重視する人が多いことが分かりました。

成城石井の「食品スーパーに関する消費者意識調査」によると、ネットスーパーを重視する人はわずか9.8%にしか過ぎず、実店舗を重視する人が89%にも及びます。コロナ禍でも実店舗のスーパーを重視する理由は、「食材を直接手に取って確かめたいから」という意見が圧倒的でした。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000027211.html

こうした調査結果から分かることは、コロナの影響によって以下の相反する2つの消費者意識が芽生えつつあるということではないでしょうか。

・接触型のサービスや感染リスクのある購買行動はなるべく避けたい
・自分や家族の健康にかかわる商品は自分の目で安全性を確認して選びたい

つまり、感染防止に対する意識と、安心・安全や品質へのこだわりが強まっていると考えられるでしょう。

顧客の心理的変化に合わせることが重要

このように消費者の意識が変容するにつれ、それに応じたマーケティング戦略にも変化が求められます。マーケティング担当者にとっては、「自粛が求められる消費者向けにデジタルコンテンツを拡充して対応する」といった具体的な施策を考えることも大切ですが、その前に顧客の心理的変化を捉えることが重要となります。

顧客の心理というものは、前提もなしに突発的に変わるものではありません。たとえば「自宅にいる時間が増えて退屈しのぎにYouTubeやVODサービスを利用する」といったように、何らかの社会的変化や行動様式の変化があって初めて顧客心理も変わります。そのため、まずは顧客の心理的変化の推移を具体化し、そこから「そのような顧客に自社のサービスがどのような価値をもたらすか」というように具体策へと落とし込んでいくことが大切です。


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今後のマーケティング戦略

では、アフターコロナで変容する消費者意識に対し、どのようなマーケティング戦略が取れるのでしょうか。以下で重要なポイントを2つに分けて解説します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の採用

デジタルトランスフォーメーションとは、進化したIT技術を活用して消費者のライフスタイルをより良いものへと変革させる取り組みです。企業においては、デジタル化によって組織やビジネスモデルを改革しようとする試みを指します。

世界的に自粛の動きが進展する中、ますますITの重要性が高まりつつあります。そのため、マーケティングにおいても、IT技術を活用したデジタルマーケティングに注目が集まっています。たとえば、顧客との関係性を構築できるSNSやメールマーケティング、Web記事や動画といった価値あるコンテンツを提供するコンテンツマーケティングなどです。

先ほどもお伝えした通り、外出せずに購買活動を行う消費者行動の変化は、アフターコロナ下においても継続する可能性があります。よってデジタル化が進んでいない企業は、この機にデジタルトランスフォーメーションの採用を視野に入れておく必要があるでしょう。

顧客とのコミュニケーションを意識したマーケティング活動

デジタルマーケティングの中でも、アフターコロナでは特にSNSマーケティングが重要な施策となってくるでしょう。SNSは、見込み顧客やファンと密なコミュニケーションが取れる絶好のプラットフォームだからです。

先ほど、コロナの影響によって、安心・安全を求めようとする消費者が増加していることをお伝えしました。それは食品や医薬品、衣料品などにおいても変わりません。

IT技術が発達した現在、消費者は企業の信頼性や製品の安全性を、SNSの口コミや評判から判断しようとします。よって普段からSNSを使って消費者とコミュニケーションを取っておくことは、企業や製品の信頼性を高めるうえで何よりも役立つのです。

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