マーケティングコラム

リモート接客の活用事例!ツールもご紹介!

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人類と新型コロナウイルスの攻防は長期戦の様相を呈しています。厚生労働省が掲げた標語である密接、密集、密閉の、いわゆる3密回避が感染拡大抑制策の中核になっています。しかし、ビジネス界では密接を回避する方策の一つとして、接客担当の従業員がリアルに対面して応対するスタイルに代わり、リモートによる接客システムを導入するケースが出てきました。そのメリットと留意点について考察します。

コロナで増える“リモート接客”

リモート接客とは、ビデオ通話を活用してオンライン上で行う接客システムのことです。アプリケーションが必要なシステムもありますが、インターネット環境さえ整っていれば導入は難しくありません。

たとえば、これまでは実店舗にいた接客スタッフを減らし、別の場所で待機しているスタッフがオンラインで来店客の要望に応えるといった使い方です。インターネットを介した画面でのやり取りなので、コロナ対策という観点からは、客と従業員の濃厚接触と飛沫感染を100%防ぐことができます。経営側からすれば、一人のリモート接客スタッフが複数の店舗をフォローできるので効率的な人材活用ができます。雇用したくても財政逼迫でできないという企業や店舗にとっては、人件費をかけずに受付窓口業務やカウンター業務などを必要最低限の要員で回せることがメリットです。

コロナ禍によって維持が難しくなってきた従来型接客スタイルの代替システムとして、近年このようなリモート接客を行う企業が増えつつあります。

リモート接客の活用事例

アバターでリモート航空機搭乗案内

日本の航空会社とシステム企業が2020年9月にアバターを使った案内サービスの共同実証実験を実施しました。実験を行ったのは、羽田空港第1旅客ターミナル内の国内線搭乗口と、航空券の予約や発券をするカウンターの一部です。4台のディスプレイに映し出されるアバターを通して、係員がリモートで利用者に案内する仕組みで、非接触かつ非対面での接客を実現できました。しかも、係員の表情を認識し、それをアバターの動作に反映させるため、利用者はまるで実際の係員に案内を受けているかのような感覚になるというのがセールスポイントの一つになっています。


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実店舗を閉めオンラインに特化したアパレルメーカー

あるアパレルメーカーは3月から新型コロナウイルス感染防止のため実店舗を休業し、オンライン会議システムを使った接客に特化しています。客と1対1でのやりとりになり、コミュニケーションを深める効果が得られる、特別感を演出できるといったメリットもあります。また、実店舗のある地域の顧客だけではなく、地方や外国などこれまでにない顧客層も取り込めることから、コロナ終息後も効果的な戦略といえるでしょう。ファストブランドなど大量生産大量消費を戦略として掲げているブランドの場合、1対1では費用対効果が合わなくなってしまう可能性もあります。しかし、いいものを長く使うスローファッションを戦略として掲げている会社だからこそできるリモート接客方法です。

個人旅行客へのディープな提案を可能にした旅行会社

大手旅行会社はリアル接客と並行して、リモート接客サービスを導入しました。非対面、非接触方式なので、新型コロナウイルス感染防止にも寄与しています。この会社は団体ツアーではなく、個人旅行を専門的に扱っています。客からの深堀したニーズに対応するには、特定のエリアについて深い知識や人脈を持つ専門家が必要になります。しかし、すべての店舗にそのような優れた人材を配置するのは容易ではありません。オンラインを活用した接客システムを導入することで、全国の店舗で発生する専門性が必要なニーズに対応できるだけでなく、サービスが浸透するにつれて売り上げも順調に伸び、顧客満足度も上がりました。

リモート接客ツールをご紹介!

リモートコンシェルジュ

リコーが開発した遠隔地でも対面で接客可能なシステムがリモートコンシェルジュです。例えば、客から求められた内容が担当者の手に余る内容であれば、もっと詳しい担当者への転送や、画面を通じて複数で対応することが可能です。対応時に資料が必要な場合、重要箇所に印をつけながら説明したり、個人情報などは口に出さず画面上に手書きで共有してもらうことで他の人に聞かれることなく受け取ったりできます。
また、代理店など一部対応サービスが限られている店舗へ非対応サービスの依頼で客が足を運ぶときもあります。そのとき、リモートコンシェルジュを活用すれば、客は別の店舗へ出直す必要はありません。その場でリモート対応してもらえるため、顧客をしっかりと囲い込むことができます。リモートコンシェルジュは、利用するID数に応じて月額サービス料金が異なり、必要最小限の規模からでも気軽に利用できるのがメリットです。


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LiveCall

LiveCallはブラウザで動かせるビデオ通話方式なので、専用アプリをダウンロードする必要がなく、シンプルなサービス導線を設計できます。迅速に対応してほしいケースであれば、ユーザーはワンクリック程度の簡単操作でビデオ通話を、予約システムの方が客にとって利便性が高いのであれば予約カレンダー機能をはさむこともできます。ユーザーに寄り添ったオンライン通話サービスが特筆される点です。
操作が簡単なので、うまく活用すれば従業員のだれもが使えるようになり、ITリテラシーの格差問題もクリアしやすいというメリットがあります。また、過去の通話履歴はCSVファイル形式でダウンロードできるので、どの担当者の応対が良い評価を受けたか、どの従業員の応対は問題が多いかといった評価分析に使えます。こうした運用は店舗や企業全体のイメージアップやサービス改善に役立ち、ブランディング向上につながる期待が持てます。

まとめ

リモート接客システムを活用すれば、新型コロナウイルスの感染予防だけではなく、利用者の利便性向上にもつながります。さらに人件費の抑制、人材の有効活用にも道を開く可能性があります。しかし、適切に利用してビジネスに生かすためには、導入費用や運用コストなど費用対効果の測定や、ツールの機能が自社のビジネスに合っているかの検証、そうしたシステムを的確に運用するために必要な人材の育成など、総合的な視点での戦略構築が求められます。

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