マーケティングコラム

コロナで変わるマーケティング。拡大/縮小したマーケティング戦略!

Facebook X
新型コロナウイルスの感染拡大により、従来のマーケティング戦略が通用しなくなった企業は、経営計画の根本的な練り直しを迫られています。一方で、SNSを徹底的に活用するなど、インターネット時代に適合したアイデアや手法も次々に生まれ、実行に移されています。企業は現在の混乱期から脱却し、Withコロナ時代を生き抜く新戦略の構築を求められているのです。

コロナ禍によるマーケティング戦略の変容

従来のマーケティング戦略は、自社の商品やサービスをできるだけ多く購入・利用してもらうために、消費者が求めているものや全体的な消費トレンドを分析し、効果的な作戦を立てていくのが基本でした。そうした中で、これまで中核的な手法となっていたのは、イベントを開催して不特定多数の人を集め、商品・サービスの周知やブランディングを実践したり、広告を打って商品・サービスの購入を促進したりする方法です。

しかし、新型コロナウイルスの世界的拡大によって、こうした従来の販売戦略や消費者との関係構築は極めて難しくなっています。人が密集するイベントの多くが、感染を拡大させる懸念から開催中止に追い込まれている状態であるからです。また、不景気の深刻化で企業は広告を打つ財政的余裕が後退し、広告の出稿量や広告効果に陰りが見えています。実際、テレビではスポンサーの減少からコマーシャルの代わりに番組宣伝が増加傾向にあります。世界規模のウイルス感染によって、企業戦略の大転換が始まっており、マーケティング戦略も大きく変容してきたのです。

縮小したマーケティング戦略

密集、密接、密着は避けるという厚生労働省が提示した新しい生活様式を厳格に守ろうとすれば、必然的にオフラインの大規模イベントは開催が難しくなります。そのため、イベント系の戦略は業種によっては壊滅的な打撃を受けている状況です。これまで企業が行ってきた自社ブランディングや商品告知のためのイベント行事、大規模な新製品発表会や博覧会的なショー、さらにはライブ公演活動やプロスポーツビジネスにも大きな影響が出ています。こうした自粛傾向を余儀なくされる状況は当分続くとみられています。業界もニューノーマル、つまり新しい形態に適合した変革は避けられません。


20201016_02


広告戦略も大きな転換点にあります。日本の実質国内総生産の伸び率はマイナス28.1%で、事実上戦後最悪の落ち込みです。今後も急激な回復を見込める要素は少なく、消費者やこれまで広告を出してきた企業は倹約的になっていくでしょう。具体的には、消費者が広告を見て商品購入を即決するといった衝動的行為が少なくなっていきます。そして、広告の出稿先である企業は経営改善の一環としてPR費を抑制するだけでなく、広告効果が薄いとみられる業界への投資予算も削減される傾向が顕著になり、従来の広告戦略はさらに収縮していく可能性があります。

拡大したマーケティング戦略

新型コロナウイルスが広がり始めた2020年3月に、各種調査研究を行っている保険会社のシンクタンクが実施した調査によると、外出を控えた消費者が取った行動で最も多かったのはテレビ視聴でした。そのほか上位に入っていたのは、ネットサーフィンや動画配信サービスの視聴、インターネットショッピングです。この結果から、情報収集の手段が実店舗に行ったりイベントに参加したりする接触型から、電波や通信回線を介した非接触型への傾斜が強まったことが分かります。


20201016_03


消費者に商品やサービス情報を届け、購入や利用を促すビジネスを展開する企業やショップの立場には、情報収集をテレビやネットに依拠する消費者が増えているという現実に、しっかりとマッチした戦略が求められています。そうした中で拡大しているのがインターネットやAIなど先端テクノロジーを活用したデジタルマーケティング戦略です。SNSやWEBサイトなどのメディア・スマートフォンなどのデバイス・SEO対策などを実現するテクノロジー・多種多様なデータ活用といった主に4種類のデジタルを活用して行うマーケティングを指します。

デジタル化が進むにつれて、実店舗だけではなくスマートフォンやECサイトなど、消費者が利用するデバイスの選択肢が増えました。そこで、各デバイスにあった消費者へのアプローチが必要となってきます。SNSを活用したマーケティング戦略はその一例で、家にいながらでも情報を届けられる広告手段です。現在、従来のマーケティング戦略だけでは売上を維持するのが難しくなると予想し、多くの企業がSNSマーケティングに乗り出しています。SNS広告のフィールドは激化しつつありますが、闇雲に参入しても結果はついてきません。SNSといっても複数のツールがあるため、自社のターゲット層にあったツールを選択することが重要です。


20201016_04

アフターコロナではどうなる?

現在の防疫対策が効果を生み、ある程度終息の気配が見えてきても、完全終息すると断言できる状況にはありません。人々が自由に動き、密集し、密着することが困難になる社会を迎える中では、人と直接会って名刺を交換し、対面でビジネス提案や取引を行うという従来の営業やイベントが縮小していく傾向を完全に元に戻すことは難しいでしょう。このため、オンラインのメリットを最大限に生かす方向に転じることがビジネスの中核戦術になっていくという見方が広まっています。投資という観点からも、縮小していくとみられる悲観的分野と、高い効果や将来性が期待される分野を明確に分析し、可能な限り高い効果が期待できる分野への投資に傾斜配分していくための戦略をきっちり構築することが重要になってきます。

今回の世界的感染拡大は、従来の経済の仕組みや、現場の伝統的なビジネス常識を劇的に変えました。ビジネスの世界に根を下ろした新しい戦略は、Withコロナ時代においてもしっかり定着し、さらなる変化や進化を遂げていくと見られます。

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
【TikTok】バズる時間帯はいつ?曜日ごとのバズりやすさとあわせて解説
TikTokは短期間で多くのユーザーにリーチできるプラットフォームです。しかし、効果的な運用には、適切な投稿時間を見極めなければなりません。社内でTikTokの運用を開始する際に、まず押さえておくべきなのが「バズりやすい時間帯と曜日」です。今回は、TikTokでバズるために最適な投稿時間や曜日について詳しく解説し、投稿時に押さえておくべきポイントについても紹介します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
海外で人気のあるSNSとは|ユーザー数や使われている国・特徴
海外進出を考える際には、進出先の国について詳しく理解しておく必要があります。政治・経済・文化などについて一通り把握する際に、SNS事情についてもチェックしておきましょう。国によって人気のあるSNSは異なり、日本ではほとんど使われていないSNSが人気の国もあります。進出先のSNS事情が分かれば、現地でのビジネスにも役立てられるでしょう。今回は、海外で人気のあるSNSについて解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード