マーケティングコラム
新規顧客獲得も可能な『ファンマーケティング』の成功のポイント4つ
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不特定多数の消費者をターゲットにして自社の商品・サービス利用に誘導するマーケティングとは対極にある手法が、一部の熱狂的なファンに焦点を絞ったファンマーケティングです。どのような理論と発想に基づいて実践されているのかをまとめ、成功のポイントについて考察します。
新規顧客も可能なファンマーケティングとは
一部の熱狂的支持者に着目したファンマーケティングの理論的背景には、パレートの法則があります。イタリアの経済学者が発見した一種の経験則ですが、ビジネスシーンでいえば、利益の80%は全顧客の上位20%がもたらしているので、顧客全体を対象とするよりも、利益の多くをもたらす20%の顧客に的を絞ったビジネス戦略が効率的という考え方です。余裕があるならば、貢献度に関係なく全顧客を取り込みたいところですが、全方位的なマーケティングを展開する余裕がない企業の場合はパレートの法則を戦略の根拠に置いて、20%の熱烈な支持層を徹底的に取り込む手法が有効な場合もあります。
消費者と一言で言っても、リピーターや消費額の大きな顧客など、その形態はさまざまです。しかし、ファンマーケティングで求められるのはこれらとは一線を画す、自社および自社の商品・サービスを愛してくれる熱狂的なファンなのです。そしてその熱狂的なファンの熱が冷めないように互いの距離を縮め、固い絆や信頼性を作り上げていけば、新規顧客の獲得が可能です。つまり、ファンが新たな顧客を連れてくる役割も果たしてくれるのです。
例えば、イベント開催時に誘ったファンの友人が新たな顧客になったり、ファンが発信した熱量を持ったメッセージのSNSに興味を持ったユーザーが新たな顧客になったりするといったパターンで、20%のファンは広報や営業の役割を果たしてくれるわけです。しかし、そうした流れが生まれるためには企業自身がファンの信頼や評価を高める努力を怠らず、ファンが自社商品やサービスをぜひ友人やネットユーザーにも知ってほしいというモチベーションを持つような深い信頼関係を構築、維持することが大切です。