マーケティングコラム
ウェビナーとは?特徴やメリット・デメリットを解説
公開日:
マーケティングの世界では、近年インターネットを活用したビジネスセミナーが注目されています。これをウェビナーといいます。集客やコスト面でのメリットがある反面、うまく使いこなさないと十分な効果が得にくい面もあります。企業として実施を検討していたり、自分がその担当者になっていたりする場合は、開催目的や具体的な進め方について、事前にしっかりとした戦略を立てることが重要です。
ウェビナーとは何か
ウェビナーとは、ウェブとセミナーを組み合わせた造語です。多くの人を一堂に集めて発表を行うオフライン型のセミナーとは異なり、インターネットで参加者を募り、定められた日時にオンラインで実施されるセミナーです。国内では比較的新しいスタイルですが、先進各国ではかなり前から効果的なマーケティング手法として評価されています。近年、国内でも導入する企業が増えていますが、大別すると生放送方式と録画方式があります。生放送方式はリアルタイム配信で、意見交換が可能という点がメリットです。主催者側が一方的に話を続けるのではなく、チャット機能などを使い参加者がルールに従って質問したり意見を述べたりできます。録画方式は、事前に作成した動画コンテンツを配信する方式で、参加者は自分の都合のよい時間にセミナーを受けられるというメリットがあります。
ウェビナーのメリット・デメリット
メリット
参加者の立場におけるウェビナー最大のメリットは、簡単に参加できるという点です。インターネット環境とパソコンやスマートフォンなどさえあれば、自宅やオフィスで手軽に受講できます。オフライン型では、自分の周囲に知らない人物が多数いる中で堂々と質問するのは意外と勇気が要ります。ウェビナーであれば、実際には自分の周囲に人がいないので、プレッシャーが緩和されて比較的気軽に質問できます。その結果、より詳しく知りたいことや確認したいことが分かり、セミナーの理解度が深まるというメリットもあります。2つ目は、セミナー参加者がセミナーの内容などをどう評価しているか、といったデータを迅速に得られることです。ウェビナーのツールにもさまざまなものがあり、アンケート機能は多くのツールに付いています。会場で参加者にアンケート用紙を配布して記入してもらう方式だと集計に時間がかかりますが、ウェビナーのツール機能を活用してセミナー中や、視聴後にアンケートを実施すれば、その場でデジタルデータが得られます。
デメリット
オフィスなどインターネット環境が整っている場所であれば問題ありませんが、視聴可能環境が整っていない場合は配信や参加ができません。参加者側の通信環境やパソコンなどの問題でセミナーに参加できないといったケースは、基本的には参加者の責任に帰するものです。しかし、主催者側としては極力そうした事態が回避できるように、通信環境や機器の能力、使用するソフトウエアのバージョンなどについて推奨事項を明示しておくことが求められます。また、セミナーの途中で突然主催者側の回線が切れてしまい、セミナー内容の配信ができなくなるというケースもあります。こうしたトラブルが起きると、たとえセミナーの内容が良くても、参加者に不信感を受け付けてしまうことになりかねません。オンライン/オフラインにおける集客の違い
オフライン型は、参加者にとって指定された時間までに会場に移動しなければならないという負担があります。したがって、主催者にとって集客は簡単ではありません。集客手段として顧客リストなどを使って案内メールや郵便物を送る、電話で勧誘するなどで参加を呼びかける方法はマンパワーも使いますし、一定のコストも発生します。しかし、できるだけ多くの参加者を集めるには、こうしたプッシュ型の集客方法が重要になります。一方、オンライン型、つまりウェビナーの集客は、オフィスや自宅などどこからでも参加できます。移動負担が無いので参加者にとってはハードルが低く、極端に言えば世界中から参加できるわけですから、オフラインセミナーよりは集客しやすいという見方もできます。加えて、セミナー告知のためのマンパワーや経費もさほどかかりません。しかし、肝心のセミナー告知情報が掲載されているサイトのアクセスが少なかったり、セミナーの申し込み方法が分かりづらかったりというサイト設計上の問題や、参加者が開催時間を忘れてネット参加できなかったという事態もあります。そのため、わかりやすいサイトデザインの追求や、開催前のリマインダ送付機能を設けるといったきめ細かな工夫が求められます。
ウェビナーを活用する際の注意点
オフライン型にはない注意点として、最適の配信方法を選択することと、必ず事前に本番と同じ環境でリハーサルをすることが挙げられます。規模が大きなセミナーを行う予定であれば配信可能な最大数が多いツールが、生放送方式で参加者とのディスカッションタイムを設けるのであれば双方からのやり取りが可能なチャットなどの機能があるツールが必須条件となってくるでしょう。それぞれ強みや特徴がありますから、目的に応じたツールの選択が大事です。また、セミナーの開始時間になって流れるはずの動画が流れなかったり、音声が出なかったりすると台無しになりますから、必ず事前に本番と同じ環境でリハーサルをしましょう。本番同様の通し稽古をすることで、システムや時間の問題などを、開催前に解決できます。
生放送形式で開催するのであれば、配信側と視聴側の双方向性を意識した運営になるよう気を付けます。リアルな会場であれば、全体のざわつき具合など、会場の雰囲気を感じ取ることができます。しかし、発表者が延々と話し続ける一方通行の運営だと、画面を眺め続けるだけの参加者は飽きてしまいます。また、誰の視線も気にしなくて良いので、すぐに視聴をやめてしまいやすいといった問題もあります。チャット機能などを使って質問を求めるなど、参加者とコミュニケーションをとり、最後まで視聴してもらえるような構成を立てておくことが大切です。
オフライン型でもオンライン型でも、ビジネスにどう役立てるかという戦略を立てておくことは重要です。たとえば、参加者にアンケートを求めるのも有効です。参加者の評価や要望などのデータを分析し、内容を改善することで、次回の参加者や出席率の向上が期待できます。回を重ねるごとに内容が充実していけば、自社商品やサービスの評価が上がり、自社ブランドの認知度も上がっていくことにもつながります。やりっぱなしで終わっては意味がありません。ビジネスに反映させるゴールを企画段階から設定する必要があります。
関連ページ