マーケティングコラム
【新しい時代のリサーチ 第7回-Part2】RDITに関するQ&A
公開日:
(株)クロス・マーケティンググループ
クロスラボ 研究員
岸田 典子 (きしだ のりこ)
RDITに関するお問合せが増えてきましたので、今回、第7回のコラムでは、ご質問の多かった点についてお答えしたいと思います。 以下のような構成になっています。
Part1:対象者についてのQ&A
1 RDITの安全性について
2 最初の画面について
3 協力率について
4 回答のモチベーションについて
Part2:実施方法・ランダム性についてのQ&A
5 URLバーを使う点(偶然に間違ったURLを入力すること)について
6 RDITのランダム性について
7 Googleサーベイとの違い
Part3:RDITに向く調査とその価値についてのQ&A
8 RDITに向く調査とは
9 RDITを利用する価値とは
今回は、Part2:実施方法・ランダム性についてのQ&Aです
5 URLバーを使う点(偶然に間違ったURLを入力すること)について
6 RDITのランダム性について
7 Googleサーベイとの違い
5 URLバーを使う点(偶然に間違ったURLを入力すること)について
Q URLの直打ちをする人は日本ではあまりいないのではないですか?
URLの間違ったドメインにいくというのがイメージしにくいのですが
URLの間違ったドメインにいくというのがイメージしにくいのですが
A: URLを「URLバー」に直接入力するということは、日本でも行われています。インターネット利用者は、ネット・サーフィンをしているうちに、自分では気づかないうちに誤入力をし、思っていたのとは違う場所やすでにリンク切れになった場所(ドメイン)に行っています。URLバーへのダイレクト入力は、ウェブサイトにアクセスする方法として2番目に利用されている方法です。ほとんどすべての人が、意識していないかもしれませんが、そのような経験があります。(ICANN*のデータより)
*ICANNは、インターネットとドメイン名に関する世界的な組織
ICANNの年間消費者調査によると、日本では、トップレベル・ドメイン(TLD).jpのURL手入力の使用率が非常に高いことが検証されています。また、日本では一人当たりの携帯電話使用量が非常に多く、モバイルではデスクトップデバイスよりもURLバーの使用率が高くなります。
例えば、自分自身を振り返ってみると、検索窓に文字を入れているつもりが、URLバーに入力していたり、リンクの効かないURL(例えば、紙に書かれたURL、雑誌記事で紹介されたURL)に行こうとするとき、どこで見たのか思い出せないサイトに再びアクセスしようとするとき、行きたい社名やサイト名がなんとなくわかっているとき、など、URLバーに文字を直接入力することがあります。
URLを間違えるというのは、手入力でURLのスペルを間違うほか、日本語で入力して誤変換される場 合などもあり、そこからある確率でRIWI社の使用するドメインにたどり着きます。RDITでは、IPS(インターネットプロバイダー)や商標登録されたドメインは使用していません。 このようなエラーを起こす人たちは、オンライン利用人口層のランダムで、高い代表性をもつサンプルを構成しています。例えば、RDITでは、地域割付をすることなく、安定的に地域的にばらついた結果が得られます。
6 RDITのランダム性について
Q RDITは、どのようなことから「ランダムである」といえるのでしょうか?
A: RDITの調査画面は、すべての一般オンラインユーザーにほぼ同じランダム確率で表出されているため、URLバー入力でエラーを起こす人々は、ランダムで代表性のあるオンライン母集団を構成しています。 以下の点が検証されています。これらのことは「ランダム性」がなければ起こりえないことです。
1. 地理的代表性
RDITは、回答された地域情報とソフトウエアによる位置情報を用いて世界のあらゆる地域で地理的代表性を検証されています。
2. デバイスとOSの代表性
RDITで得られたデバイス(スマートフォン/ラップトップなど)とオペレーティングシステムの情報から、調査が呈示されたインターネットサンプルには代表性があることが検証されています。
3. デイリーデータの一貫性とデータの反証可能性
毎日回収される年齢と性別の回答データ、地域情報に変動がなく、一貫していることを検証されています。
何度調べても一貫している という事実によって、ランダムであるという仮説は ほぼ正しいものとして扱えます。RIWI社と弊社が共同で行った調査においても、割付なしで実施した地域データが、ウエイト付けされていないデータとウエイト付けされたデータが統計的に等しいことが確認されています。
7 Googleサーベイとの違い
Q: Googleサーベイもパネルでない人に調査ができると思いますが、GoogleサーベイとRDITの違いは 何ですか?
A: Googleサーベイは、メディアの有料記事を無料で読めることが謝礼になるので、それを読みたい人が対象となります。つまり、政治的に関心の高い人や高学歴者を集めやすい環境といえます。例えば、Brexitの世論調査での予測のずれは、政治的無関心な若年層の回答が十分に得られないことが大きな原因と言われていますが、RDITでは、政治的に無関心な人、通常、調査に関心のない人まで対象になります。また謝礼が回答の動機となりません。
Google Surveyと異なり、RDITは特定のサイト上ではなく、オンライン上のさまざまな場所から回収しています。また、中国では、Googleは禁止されているため、Google Surveyでは調査できません。
Part2:実施方法・ランダム性についてのQ&Aは以上です。Part1、Part3もご覧ください。
Part1:対象者についてのQ&A
Part3:RDITに向く調査とその価値についてのQ&A
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