インサイトスコープ

ブランドスイッチを促すマーケティング戦略第3回 プランニングのさらなる精度向上へ

Facebook X
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン
マーケティング メンズグルーミング マネージャー

藤井 崇雅

フィリップスのグローバル本社はオランダにあります。オウンドメディアのコンテンツ強化などのデジタル施策については、オランダ本社のアナリストが毎週データを分析し、効果検証をしています。その上で、コンバージョンレートが目標を下回っていれば、コンテンツの問題なのか、サイトのレイアウトの問題で販売店へのリンクボタンが目立たないのかなどの原因を考え、毎週クリエイティブを改善することで最適化を図っています。

細やかなフォローで購入者の離脱を防ぐ

\
フィリップスのグローバル本社はオランダにあります。オウンドメディアのコンテンツ強化などのデジタル施策については、オランダ本社のアナリストが毎週データを分析し、効果検証をしています。その上で、コンバージョンレートが目標を下回っていれば、コンテンツの問題なのか、サイトのレイアウトの問題で販売店へのリンクボタンが目立たないのかなどの原因を考え、毎週クリエイティブを改善することで最適化を図っています。

ディスプレイ広告の効果検証も同様に行い、効率の良いメディアへの見直しを随時行っています。世界的にもシェーバーの市場自体はゆるやかな縮小傾向にありますが、オンラインでの販売は約140%の伸び率となっており、今後の成長が予想されています。そのため、デジタル分野の効果検証とトラフィックやコンバージョンレートの向上はグローバルで注力しているところです。



20160219_02

20160219_03

20160219_04

20160219_05

現在放映しているテレビCM


日本国内でオウンドメディアと併せて取り組んでいるのは、体験と店頭での製品理解の促進です。フィリップスのシェーバーは、初めて使うときに剃り方や肌に慣れるのに2~3週間かかると言われています。そのため購入後1週間くらいで「思ったほど剃れない」、「肌に合わない」と返品されることがあります。こうした課題への対策として、タッチアンドトライのイベントで最適な剃り方をサポートし、本来の剃り味を試してもらっています。

さらに、その体験の様子をレポートする形でコンテンツに落とし込み、体験の場にいない人へも情報拡散していくような仕掛けも行っています。レポートコンテンツでは、アンケート調査の結果わかっているニーズの高いポイントや、外部機関による調査でわかった回転式の良さも啓発し、イベント時にとったアンケート調査を「85%の人が満足」といったメッセージとしてバナーに落とし込むようなことも行っています。

成果に直結するメディアプランニングを追求

店頭では、回転式シェーバーの密着度や、刃の仕組みを可視化するツールを設置したり、フィリップスの回転式シェーバーの歴史がわかる雑誌のタイアップ広告の抜粋版を置いてブランド理解の促進をしています。体験やそのレポートのバナーを起点にオウンドメディアへ消費者を集め、店舗への送客や販売店へのリンクボタンのクリック、購入という流れを目指しています。

今後の課題は、こうした取り組みをより成果に直結させていくことです。そのためには、やみくもにマス広告を打つのではなく、質の高いターゲットへ向けて親和性の高いコンテンツを提供し続けることが必要だと感じています。とはいえ、テレビの影響力は依然として高く、リーチメディアとして欠かせないものです。プランニングの仕方を変え、店頭に何人を送客するか、また販売店へのリンクボタンにどれほどクリックを集めるか、といったことを起点に、そのために必要なことを考えてプロモーションの予算を振り分けるようにしています。既存メディアへの投資を減らすということではなく、目的に合わせた適正な予算配分をするプランニングへの移行を進めています。

「シェア」で広がるWebコンテンツに取り組む

最近では新たに、ソーシャルメディアでシェアされるコンテンツづくりにチャレンジしています。ノンフライヤーのような家電は、レシピなどのコンテンツがシェアされやすい製品です。シェーバーはそういったカテゴリーではないのですが、ノンフライヤーのようにシェアを軸にしたエンゲージメントをとっていきたいと考えています。

そういった狙いで「エクストリームシェービング」というキャンペーンを実施しました。BMXに乗っていたり、スカイダイビングの最中といった極限状態でシェービングする様子を動画サイトで紹介し、人気投票するものです。初回はテレビの情報番組でも取り上げられるなど話題性も喚起できました。2回目は初回の投票で上位になった参加者に無重力状態でシェービングしてもらいました。これは放送中のテレビCMで成宮寛貴さんが無重力状態にいることと連動していて、多くの「いいね!」を獲得し、一定の成果を上げたと考えています。


20160219_06


今後も回転式シェーバーの理解促進と、そのための様々な施策は継続して進めながら、ターゲット層がフィリップスを知るきっかけになる「エクストリームシェービング」のようなコンテンツにもチャレンジしていきたいと考えています。

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
【TikTok】バズる時間帯はいつ?曜日ごとのバズりやすさとあわせて解説
TikTokは短期間で多くのユーザーにリーチできるプラットフォームです。しかし、効果的な運用には、適切な投稿時間を見極めなければなりません。社内でTikTokの運用を開始する際に、まず押さえておくべきなのが「バズりやすい時間帯と曜日」です。今回は、TikTokでバズるために最適な投稿時間や曜日について詳しく解説し、投稿時に押さえておくべきポイントについても紹介します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
SNSのエンゲージメントとは?SNS別の確認方法や向上施策も紹介
最近では中小企業でも、流入チャネルを増やすためにSNS活用を始めるところが増えてきました。SNSの運用を成功させるためには、できるだけ多くのエンゲージメント(リアクション)を得ることが重要です。今回は、SNSにおけるエンゲージメントについて、確認方法や向上させるための施策を解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード