インサイトスコープ
ブランドスイッチを促すマーケティング戦略第3回 プランニングのさらなる精度向上へ
公開日:
株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン
マーケティング メンズグルーミング マネージャー
藤井 崇雅
フィリップスのグローバル本社はオランダにあります。オウンドメディアのコンテンツ強化などのデジタル施策については、オランダ本社のアナリストが毎週データを分析し、効果検証をしています。その上で、コンバージョンレートが目標を下回っていれば、コンテンツの問題なのか、サイトのレイアウトの問題で販売店へのリンクボタンが目立たないのかなどの原因を考え、毎週クリエイティブを改善することで最適化を図っています。
細やかなフォローで購入者の離脱を防ぐ
\
フィリップスのグローバル本社はオランダにあります。オウンドメディアのコンテンツ強化などのデジタル施策については、オランダ本社のアナリストが毎週データを分析し、効果検証をしています。その上で、コンバージョンレートが目標を下回っていれば、コンテンツの問題なのか、サイトのレイアウトの問題で販売店へのリンクボタンが目立たないのかなどの原因を考え、毎週クリエイティブを改善することで最適化を図っています。ディスプレイ広告の効果検証も同様に行い、効率の良いメディアへの見直しを随時行っています。世界的にもシェーバーの市場自体はゆるやかな縮小傾向にありますが、オンラインでの販売は約140%の伸び率となっており、今後の成長が予想されています。そのため、デジタル分野の効果検証とトラフィックやコンバージョンレートの向上はグローバルで注力しているところです。
現在放映しているテレビCM
さらに、その体験の様子をレポートする形でコンテンツに落とし込み、体験の場にいない人へも情報拡散していくような仕掛けも行っています。レポートコンテンツでは、アンケート調査の結果わかっているニーズの高いポイントや、外部機関による調査でわかった回転式の良さも啓発し、イベント時にとったアンケート調査を「85%の人が満足」といったメッセージとしてバナーに落とし込むようなことも行っています。
成果に直結するメディアプランニングを追求
店頭では、回転式シェーバーの密着度や、刃の仕組みを可視化するツールを設置したり、フィリップスの回転式シェーバーの歴史がわかる雑誌のタイアップ広告の抜粋版を置いてブランド理解の促進をしています。体験やそのレポートのバナーを起点にオウンドメディアへ消費者を集め、店舗への送客や販売店へのリンクボタンのクリック、購入という流れを目指しています。今後の課題は、こうした取り組みをより成果に直結させていくことです。そのためには、やみくもにマス広告を打つのではなく、質の高いターゲットへ向けて親和性の高いコンテンツを提供し続けることが必要だと感じています。とはいえ、テレビの影響力は依然として高く、リーチメディアとして欠かせないものです。プランニングの仕方を変え、店頭に何人を送客するか、また販売店へのリンクボタンにどれほどクリックを集めるか、といったことを起点に、そのために必要なことを考えてプロモーションの予算を振り分けるようにしています。既存メディアへの投資を減らすということではなく、目的に合わせた適正な予算配分をするプランニングへの移行を進めています。
「シェア」で広がるWebコンテンツに取り組む
最近では新たに、ソーシャルメディアでシェアされるコンテンツづくりにチャレンジしています。ノンフライヤーのような家電は、レシピなどのコンテンツがシェアされやすい製品です。シェーバーはそういったカテゴリーではないのですが、ノンフライヤーのようにシェアを軸にしたエンゲージメントをとっていきたいと考えています。そういった狙いで「エクストリームシェービング」というキャンペーンを実施しました。BMXに乗っていたり、スカイダイビングの最中といった極限状態でシェービングする様子を動画サイトで紹介し、人気投票するものです。初回はテレビの情報番組でも取り上げられるなど話題性も喚起できました。2回目は初回の投票で上位になった参加者に無重力状態でシェービングしてもらいました。これは放送中のテレビCMで成宮寛貴さんが無重力状態にいることと連動していて、多くの「いいね!」を獲得し、一定の成果を上げたと考えています。