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インバウンド消費を発掘せよ第3回 「体験」が次なるキーワード

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訪日外国人観光客向けに羽田空港で実施した「ウェルカム展示」イベントは、前回のコラムで紹介した通り一定の成果を上げることができました。一方で、今回の取り組みはパナソニックのツーリストモデルを紹介することに留まっており、店頭への送客は今後の課題と考えています。 

店頭への送客は今後の課題

訪日外国人観光客向けに羽田空港で実施した「ウェルカム展示」イベントは、前回のコラムで紹介した通り一定の成果を上げることができました。一方で、今回の取り組みはパナソニックのツーリストモデルを紹介することに留まっており、店頭への送客は今後の課題と考えています。


20151019_02期間中、1万人以上の来場者でにぎわった


訪日観光客の動線も、東京、大阪、京都といった大都市から各地域へと分散する傾向にあるといわれています。北海道や沖縄はもちろん、リピーターが増えることで、新しい発見を求めて動線が広がっていくのかもしれません。各地域の都市や観光地にもタッチポイントをつくるべきなのか、どういった手段が適切なのか、などの検討も必要になってくるだろうと考えています。

イベントや広告を展開する媒体については、常に探しています。日本国内だけでなく、自国にいる時から「日本へ行ったらパナソニック製品を買おう」と思ってもらうためのコミュニケーションも検討しています。

今後、2020年へ向けたインバウンドプロモーションのひとつカギになるのは「体験」ではないかと考えています。やはり実際に試食してみたり、電気シェーバーでヒゲを剃ってみたりというように製品に触れて、クチコミなどで拡散していくような形態の取り組みを検討したいと考えています。あるいは、PRイベントで、東京・大阪にあるショールーム「パナソニックセンター」や、店頭イベントを紹介し、そこへ行けば体験できるというような連携もひとつの方法でしょう。


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ベント開催に合わせて広告を展開。羽田空港(左)、成田空港(右)のほか、関西国際空港でも掲出した。


インバウンドの大きな波にどう乗るべきか

「爆買い」と呼ばれる消費動向がいつまで続くのかということも関心事です。訪日客は2020年へ向け増え続けていくと思いますが、その間に消費の対象が家電から他のものに移っていく可能性もあります。市場のツーリストモデルは今後も増えていくと思いますが、それが訪日観光客のニーズに合っているかどうか、というのは当面手探りを続けることになるかと思います。中国では9月から、お土産品に対する課税が厳格化される、ということも聞いています。そうした変化への対応や情報収集も重要と考えています。

ただ、足元の売上は一昨年から昨年で2倍から3倍、昨年から今年になるとさらに伸びています。成熟化が進む国内家電市場で、このような伸びを見せる領域は他にはありません。先が読めないとはいえ、将来を見据えこの大きな波に乗る必要があると考えています。

常に状況を見ながら次の展開を模索し、これからも訪日観光客の方々に、日本のものづくり、細部までこだわった日本品質を紹介していきたいと思います。
また、パナソニック製品を実際に体験してもらい、多くの方にパナソニックファンになって頂けるような取り組みを引き続き検討していきます。

高須 泰行
パナソニック株式会社
アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部
コミュニケーショングループ クリエイティブチーム

高須 泰行

由良 拓也
パナソニック株式会社
アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部
コミュニケーショングループ プランニングチーム

由良 拓也

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