インサイトスコープ

チーズのブランドビルディングの挑戦第3回 レシピ提案を軸にしたPR戦略が奏功

Facebook X
金子 哲司
株式会社 明治
コミュニケーション本部 宣伝部

金子 哲司

「チーズはそのまま食べてもおいしいですが、料理に使うことでその楽しみ方は何倍にもふくらみます。「明治北海道十勝贅沢スライスチーズ」の開発背景のひとつには、料理用途として使ってもらうことも念頭にありました。「十勝スマートチーズ」を使ったレシピもレシピサイトに多数投稿・掲載されており、多くの人がチーズを料理に活用していることがわかります。
 
 

チーズを使ったレシピを毎日配信

 
 
「チーズはそのまま食べてもおいしいですが、料理に使うことでその楽しみ方は何倍にもふくらみます。「明治北海道十勝贅沢スライスチーズ」の開発背景のひとつには、料理用途として使ってもらうことも念頭にありました。「十勝スマートチーズ」を使ったレシピもレシピサイトに多数投稿・掲載されており、多くの人がチーズを料理に活用していることがわかります。

私たちもチーズを使ったレシピの発信には力を入れています。「明治北海道十勝」のブランドサイト内に「ニッポンの食卓をワクワクさせるチーズレシピ」というページを設けて、「新商品チーズレシピ」、「和食にチーズ・プロジェクト」など、商品や目的・用途に合わせたレシピを発信するほか、ツイッターでも140文字でレシピを紹介する「つぶやきレシピ」を毎日配信しています。
 
 
20150612_02 チーズを使った多彩なレシピを紹介
 
 
こうしたWebサイトやソーシャルメディアを通じて発信したレシピをより多くの人に活用してもらうために、商品パッケージに二次元コードをつけてサイトへ誘導することも行っています。実際、ブランドサイトのコンテンツの中でもレシピのPV数は多く、チーズの消費拡大の鍵の一つと考えています。

特に、2012年から毎年11月〜12月に実施している「十勝カマンベール」を使用した「ココットカマン」レシピの発信は効果を上げています。これは、2011年当時、カマンベールチーズ市場が右肩下がりにあり、市場における当社商品のシェアも下がっていたという課題への対策として企画しました。
 
 

チーズの市場を広げたい

 
 
従来、そのまま食べることが多かったカマンベールチーズを料理にも使用できることを提案し、食シーンを拡大させることで消費を喚起し、市場活性化を目指しました。レシピの開発については、カマンベールチーズが「チーズの女王」と呼ばれる理由でもある「高級」、「おしゃれ」、「大人」といったイメージを生かしながら、消費者がレシピに求める「時間がかからない」、「残りものを生かせる」という要素を考慮して進めました。こうして生まれたのが、半分に切ったカマンベールチーズをココット皿に入れ、好きな食材をのせて加熱するだけの「ココットカマン」です。

このレシピのコミュニケーションは、「ココットカマン」というカマンベールチーズの新しい楽しみ方ができたことをテレビの情報番組などで取り上げてもらうようにプロモート活動を行い、テレビや雑誌などのメディアを使って広く拡散させることを狙いました。
 
 
20150612_03 手軽に調理でき、バリエーションの豊富さが「ココットカマン」の特長
 
 
結果、多数のメディアで話題となり、インターネット上でもブログやソーシャルメディアで情報が広がっていきました。こうして認知を得たレシピを「十勝カマンベール」と結びつける広告を展開したことで、出荷量を伸ばし、シェアナンバーワンの獲得につながりました。

このように、レシピを軸にチーズをより多くの人に楽しんでもらい、チーズ市場を広げていく取り組みを進めています。もちろん、前回・前々回でも述べた通り、「明治北海道十勝」ブランドの魅力を発信することも並行して推進していかなければなりません。「チーズなんてどれも同じ」と思われがちな現状の中で、様々な工夫によってチーズの新たな価値を提案していくというブランドの思想を今後も発信していき、当社の商品を一人でも多くの方に手に取ってもらえるよう取り組んでいきたいと考えています。

おすすめのコラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
デジタルデトックスは効果なし?得られる効果と実践方法を解説
デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやPCなどのデジタルツールから離れることで、ストレスを軽減する取り組みのことです。デジタルツールに囲まれて生活する方が多い現代社会のなかでは、ストレスや心身の疲れを緩和する効果が期待できるといわれています。 しかし、「デジタルデトックスには効果がない」といった意見も見受けられます。今回は、デジタルデトックスには効果がないといわれてしまう理由や、より効果的にデジタルツールと距離を置く方法について解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
人工知能(AI)で未来はどう変わる?人工知能の現状と予測される変化
まるで人間のように何でも質問に答えてくれる対話型AI「Chat(チャット)GPT」の出現に世界が揺れています。人工知能とは、人間のような知能を持つコンピュータシステムのことで、AIとも呼ばれます。例えば、スマートスピーカーやスマホの顔認証システムなどは人工知能の一種です。スマートスピーカーなら人間の声から話している内容を理解して、その対応まで行います。顔認証システムなら、顔から同一人物かどうかを判断するでしょう。近年は、「Chat GPT」のような人工知能がめざましく発達しています。この調子で人
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード