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ecbo cloakの荷物預け体験から生まれる新たな出会い 第3回 2025年には500都市でecbo cloakの体験提供を目指す

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工藤 慎一
ecbo株式会社
代表取締役社長

工藤 慎一

 起業のきっかけが外国人旅行者のコインロッカー探しだったこともあり、「安心」「安全」に加えて、どこの国の人にも使いやすいサービスにすることにも気を使っています。サービスをローンチした当初から英語、中国語、韓国語に対応しています。中国語は簡体字、繁体字の双方で利用できます。
 
 

利用者の意見を参考に、より便利なサービスに

 
 
 起業のきっかけが外国人旅行者のコインロッカー探しだったこともあり、「安心」「安全」に加えて、どこの国の人にも使いやすいサービスにすることにも気を使っています。サービスをローンチした当初から英語、中国語、韓国語に対応しています。中国語は簡体字、繁体字の双方で利用できます。

 荷物を預けるユーザーは、まず、ウェブサイトに表示される地図から預けたい場所を選びます。場所が決まると、預ける日時と受け取る日時を選択します。そうすると受け入れ側の店舗にも通知が入ります。

 荷物を預ける際には、店舗のスタッフが預ける荷物の写真を撮ります。この写真は受け入れ側にも表示され、預かり証の代わりとなります。決済は登録されたクレジットカードで行うので、スマートフォンさえ操作できれば、預ける側、預かる側双方ともに言葉を交わさなくてもサービスを利用・提供することができるのです。

 地図から場所や日時を選ぶときの操作は、スマートフォンで標準的に採用されている方法を踏襲しています。スマートフォンを使ったことがある人にとっては新たに使い方を学習する必要はありません。これによって、誰もが直感的にサービスを利用できます。

 
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シンプルで分かりやすいサービスデザインを目指した

 
 
 現在の利用者は70%近くが海外の方で、幅広い年齢層に利用していただいています。海外の方へ向けての広告やプロモーションはほとんど行っていないので、日本に旅行へ来てecbo cloakを知った人たちの口コミで広まっていると考えています。利用した人が「便利だ」「良い」と感じた体験は、人に教えたい、共有したいという思いから広まっていくと思うので、そこはうまく作用していると感じています。

 より良いサービスを提供していくために、利用者のレビューは非常に大事だと思っています。レビューは、私たちのサービスがクオリティを維持できているかを判断する指標でもあります。こうしたコミュニケーションを増やせば、ニーズを見つけだし、新たなサービスにつなげることもできます。

 現在提供している複数日預けられるサービスは、お客さまの声から生まれました。旅行者がある都市をベースに、いくつかの観光地を回ったり、グループでの旅行をする場合、スーツケースは基点となる都市に置いて身軽に観光をした方が便利です。そこで、最長預かり期間を20日まで延長した(※店舗によって異なる)ところ、大変ご好評いただいてたくさんの方に複数日間利用いただけるようになりました。
 
 

共有したくなる「満足体験」の源はホスピタリティ

 
 
 レビューや要望を元に、ただお客さまが望むことを叶えているわけではありません。お客さまが発するメッセージから私たちに求められていることを見つけだし、提供していくことが大事です。そこで意識しているのは「ホスピタリティ」です。

 利用者の気持ちに寄り添い、喜んでもらえそうなものを用意する。そこでは、まず試験的に提供してみて、本当に喜ばれ、お金を払ってもらえるものであること、ビジネスとして通用することを確認してから正式に提供します。

 ホスピタリティやお客さまが喜ぶかどうかを重視するのは、「満足体験」こそが口コミなどで拡散するために重要だと考えているからです。利用者の実体験をベースにした評価だからこそ広まっていく。これはシェアリングビジネスでは重要な要素だと思います。

 
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海外の方が利用者の多数を占める

 
 
 70%近い利用者が海外の方だとお話ししましたが、私たちは日本だけでビジネスを展開していこうと考えているわけではありません。海外でのサービス展開を見据えて、展開できそうな国のリサーチは進めています。2025年には世界の500都市でサービスを提供することを目標にしています。

 2025年には、もしかするとスマートフォンですらないかもしれませんが、今と同様、ボタン一つかそれに近い形で、どこでも荷物を預けることができるサービスができれば面白いなと考えています。

 私たちは世界的にサービスを展開することを考えているので、今、日本で提供しているサービスについて、むやみに機能を増やしていくことは考えていません。また、私たちはベンチャー企業でもあるので、限られたリソースをどこに使うのかは慎重に考えなければなりません。便利さを追求して新しいサービスを追加しても、グローバル展開を考えたときには足かせになるかもしれません。これからもできるだけシンプルに、どこの国、どんな人にも快適な「荷物預け体験」を提供することを意識していきたいと考えています。

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