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「満足」を超える「感動」を提供するエアークローゼット 第1回 女性の日常に多くのワクワク体験を提供したい
公開日:
株式会社エアークローゼット
代表取締役社長 兼 CEO
天沼 聰
私たちは2014年に㈱ノイエジークを設立し、翌年2015年の2月からファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」をスタートしました。その後、会社名をサービス名と同じ現在のものに変更し、今年の2月にはサービススタートから3周年を迎えました。
ファッションレンタルをはじめとする3つのサービスを展開
私たちは2014年に㈱ノイエジークを設立し、翌年2015年の2月からファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」をスタートしました。その後、会社名をサービス名と同じ現在のものに変更し、今年の2月にはサービススタートから3周年を迎えました。現在はオンラインの「airCloset」に加え、リアルの店舗でパーソナルスタイリング体験できる「airCloset×ABLE(エアークローゼットエイブル)」、自宅でスタイリストが選んだ服を試着し、購入できるパーソナルショッピングアプリ「pickss(ピックス)」の3つの事業を展開しています。
また、「airCloset」の商品配送時に試供品やリーフレットを同梱したり、梱包する箱そのものをコラボレーションデザインにしたりすることで企業のプロモーションに活用してもらう企業タイアップも行っています。
「airCloset」では、登録いただいたお客様の情報を元にプロのスタイリストがコーディネートした洋服をお届けしています。月額制で、貸し出した洋服の返却期限はなく、着用して気に入ったものはそのまま購入することもできるようになっています。借りた洋服を返送すると、次のアイテムが送られます。おかげさまで、サービススタートから3年で登録会員は15万人を超えました。
また、表参道原宿エリアにあるファッションレンタルショップ「airCloset×ABLE」では、プロのスタイリストがコーディネートを提案するパーソナルスタイリングが店舗で体験でき、その場で洋服を貸りることもできます。
その他、2017年10月にリリースした「pickss」は第3のお買い物の形としてご好評いただいております。サービススタートから1ヶ月で完売、その後サイトを大幅リニューアル、取扱いブランドも20ブランドに拡大し販売を再開しています。
ユーザーセントリック発想で辿り着いたファッションレンタル
私たちのサービスは、今のところ女性をターゲットとしています。事業としてファッションレンタルサービスを行うことにしたのは、アパレルやファッションといった業界や市場の変化や課題を受けて、というよりも「忙しくて買い物に行く時間がない」といった生活者、お客様側の置かれている環境や課題感をとらえてのものです。エアークローゼット(当時、ノイエジーク)は、私と2人の共同創業者が3人で立ち上げた会社です。起業するときに3人で話し合い、事業の3つの方向性を決めました。まずはITを活用したサービスにすること。私たちはインターネットが大好きで、テクノロジーとインターネットを最大限に活用した事業がしたかったのです。次にシェアリングエコノミーのサービスであること。シェアリングはインターネットを介して、人と人、人と企業の信頼関係を生み出すことで成立するサービスです。この新しいサービス背景に基づいて実現可能な事業にしたかった。最後は、衣食住というライフスタイルに直結する部分でサービスを提供するということでした。
最終的にファッションを選んだのは、サービスを利用してもらうことでお客さまに感動を与え、日常に多くのワクワク体験を提供できると考えたからです。女性の社会進出が進み、労働環境は大きく変わりました。また日本では、結婚や出産などによってライフスタイルに影響を受けやすいのも女性です。
仕事や子育てで多忙になると、ゆっくりファッション雑誌を見たり、ウィンドウショッピングで流行に触れたりする時間が減ってしまいます。知人や家族を見ても、決まったブランドの、よく似たアイテムを選ぶことが多いように感じていました。そのため、ちょっとした外出のときに、「着る服がない」と感じる女性も多いのではないでしょうか。
プロのスタイリストが、自分でも気がつかないファッションの組み合わせを提供してくれる
なぜそのような悩みが起こるのかを考えたときに、仕事や生活の忙しさのために新しいファッションに出会う機会やきっかけが少ないのではないかと想像しました。もっと色々なファッションや着こなしを試し、自分に似合うアイテムを知ったり、意外な組み合わせに出会ったりできれば、日々の生活をより豊かに、楽しいものにできるのではないかと思いました。
その出会う方法としてテクノロジーを活用した場合、バーチャルで試着というような方法もあります。しかし私たちは、「実体験」を手段にしたいという思いがあったので、ファッションレンタルというサービスにたどり着きました。お客様を起点とした発想は、最初に事業を始めたときだけではなく、常に私たちの大きなテーマになっています。
次回は、ユーザーの日常にワクワク体験を増やすためのインサイトの探り方についてお話しします。