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工房一体型店舗のBAKE、お菓子を進化第3回 ITの活用とロイヤルカスタマー
公開日:
株式会社BAKE
マーケティング統括部 部長
黄 珊珊
私たちは、より多くの人にお菓子のおいしさを届け、幸せになってもらうことと共に、お菓子に今まで以上の新しい価値を加えることをミッションとしています。そのひとつの形がお菓子とITの融合です。
お菓子とITの融合
私たちは、より多くの人にお菓子のおいしさを届け、幸せになってもらうことと共に、お菓子に今まで以上の新しい価値を加えることをミッションとしています。そのひとつの形がお菓子とITの融合です。「PICT CAKE」は、写真やイラストをそのままケーキにプリントするケーキカスタマイズサービスです。サービスそのものは以前から存在していましたが、従来では店舗へ素材を持ち込み、何度かパティシエと打ち合わせをしなければいけませんでした。この工程を、IT技術を導入することで短縮・簡素化しました。アプリを介して注文すれば、手軽に注文でき最短で2日後に北海道の工場で製造したケーキが手元に届きます。
ケーキは冷凍状態で発送されますが、そこには3Dショックフリーズという特殊な冷凍技術が用いられていて、フレッシュなケーキ同様のおいしさを維持することができます。製造に関する技術・機械にもこだわっていて、シュークリーム専門店「クロッカンシュー ザクザク」では真空でカスタードクリームを作る機械を導入していますし「PRESS BUTTER SAND」もクッキーの独特な食感を生み出す為、オリジナルのプレス機を使っています。ITで新しい価値を加え、機械ではこれまでにない製造工程の見せ方を意識しています。
また、オウンドメディア「THE BAKE MAGAZINE」は、コーポレートブランディングの一貫として、活動の紹介や様々なコンテンツを掲載しながら、私たちの「お菓子を、進化させる」というステートメントをアピールし、面白いことをしている会社だと思ってもらうことを目指しています。
オウンドメディアは「OPENLAB Review」という研究開発チームが運営するものもあります。お菓子を科学するという視点で、お菓子や味覚に関する科学的見解や最新の研究結果を紹介しています。オウンドメディアは、送客が目的ではなく、ブランディングとして大事なコンテンツだととらえています。非効率への投資とも言えますが、私たちなりのKPIは細かく設定していて、週毎にPVやSNSのフォロワー数などはチェックしています。
日々魅力的なコンテンツを発信するOPENLAB Reviewのトップページ。
ロイヤルカスタマーの存在
実は、私たちは、今年マーケティングの部署を立ち上げるまではそれほどしっかりとしたマーケティング施策を行っていませんでした。創業から年数も経ち、ブランドも増え、1ブランド1商品で勝負してきましたが、それだけでは売り上げも落ち着いてきます。今後はより、ロイヤルカスタマーを生み出し、継続的に関係性を築いていくことが大事になると考えています。今年11月1日に、自由が丘店が開店3周年を迎えることをきっかけに、この日を日本記念日協会に申請し「ベイク チーズタルトの日」と認定してもらいました。当日は、自由が丘店でファンイベントを開催しました。同店で購入した人の買い物袋にイベント参加の申し込み用紙を入れ、一部はWebサイトでもフォームから受け付けました。ソーシャルメディアでも告知をしないという限られた範囲の募集でしたが、28組の定員に200組以上の申し込みがありました。
カフェスペースになっている自由が丘店の2階で実施したイベントは、フードペアリングというテーマで行いました。同店では、吉祥寺にある自家焙煎コーヒー店LIGHT UP COFFEEのバリスタが常駐しているのでチーズタルトに合う美味しいコーヒーがいつでも飲めるようになっています。コーヒーとの組み合わせを楽しんでもらいつつ、私たちがもともと考えていたワインとチーズタルトの組み合わせも楽しんでもらいました。また、今年のバレンタインにチョコレートブランドと共同開発した限定商品や、開発中の商品も提供し、参加者の方には喜んでもらえました。
参加者は、皆さんBAKEのチーズタルトへのこだわりや愛を持っていて、私たちも実際お話をさせていただくなかで、厳しいものも含めたくさん意見を交換することができました。意見は商品に関するものが多く、私たちが課題に感じている接客面についてはそれほど多くありませんでしたが、それだけに、接客をより良くすればもっと多くの人に満足してもらえるのではないかと感じました。
イベントを通じて、本当にたくさんの人がチーズタルトを愛してくれていることを実感しました。こうしたファンは自由が丘店だけではなく、全国の店舗にもいるはずなので、今後はファンの皆さまと直接の接点を持てるような取り組みはしていきたいと考えています。
LIGHT UP COFFEEとは、先方からのコンタクトがきっかけで始まりました。お互いに物づくりにこだわり、社会を変えたいという意志があったことでコラボレーションしています。コラボレーションによる効果を感じていますが、ただ、売り上げを伸ばすためだけにどこかと組むということは考えていません。数字の大切さは理解していますが、それだけを目的に様々な相手と組めば、ブランド価値を損なう可能性もありますし、今の消費者には見抜かれてしまうと思います。
今後は、ロイヤルカスタマーとの関係を大切にしながら、店舗スタッフの育成も含め、お菓子の価値を高め、より多くの人においしさを届ける取り組みを各ブランドで続けていきたいと考えています。
3周年を迎えた自由が丘店。11月1日には2階でイベントを行った。