グローバルコラム
シリーズ アジアを知る (4)ベトナム~社会主義国ながら、モバイルの急速な発達が全国的に波及しつつある国~
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・ 総人口:9434万8835人(2015年7月時点)
・ 公用語:ベトナム語
・ インターネット普及率:43.0%(2014年時点)
・ 公用語:ベトナム語
・ インターネット普及率:43.0%(2014年時点)
イントロダクション
ベトナムには豊かな歴史と文化があり、それらの様々な影響が交じり合う環境で人々は暮らしている。
2000年の間、中国の統治下にあり、近代に入るとフランスによる植民地化の影響を受け、20世紀中頃には独立運動の騒乱が起きたベトナムだが、今はその自然の美しさと気さくで好奇心旺盛な人々、そして美味しい料理が世界中で知られている。
経済
出所:www.cariasean.org
工業には鉱業、製造業、建設業、電子産業、水処理産業、産油業などが含まれるが、製造業が他の部門を差し置いて最も盛んであり、2012年においてGDPに占める割合は17%だった。
また、林業や漁業を含む農業が2012年においてGDPに占める割合は20%だった。
メディアと通信産業の概況
9000万人の人口を抱えるベトナムのインターネット普及率は、10年前は12%だったが現在は44%に成長している。この成長に大きく貢献したのはスマートフォンで、国民の3分の1が利用している。
モバイル端末を起点とするこの拡大傾向は幅広いオンラインサービスの原動力となっていて、モバイルeコマースなどで急成長が見られる。ベトナムの政府機関は、2012年のeコマース市場の収益は7億ドルを記録したが、今年は40億ドルの収益が見込まれると予測している。
明るくカラフルな制服を着たeコマース企業のバイク便の配達者が道路を走行して商品を運ぶ。その種類は女性用の靴や男性用の衣服からキッチン用品に至るまで多岐にわたる。サラリーマンたちが休憩中にスマートフォンを操作して、”Lazada.com”や”Hotdeal.vn”などのWebサイトで商品を注文すると、それらの多くは注文者のオフィスで受け取ることができる。
こうした類のビジネスは以前なら成功しなかった。固定回線のWebサービスは、特に郊外で提供する場合に難点があり、設置にも時間が掛かったためだ。
消費者社会
ベトナム国民9000万人のうち、68%は郊外で暮らしている。住民たちは教育投資を受けていて、所得額は約44%上昇している。大きな可能性を持つこのグループだが、このことは多くの企業にはまだ知られていない。
ベトナムの地方在住消費者は共同体意識が強い。家族や共同体のつながりは優先度が高く、そうしたつながりを持つ人からの助言を貴重なものとして耳を傾ける。
その結果、決定要因が他人の発言になることが多く、知り合いからの意見や勧めが大きな影響を及ぼす。
事実、ベトナム国内の地方に住む消費者のうち75%は、人々の思考について関心を持っていて、81%以上は他人の意見と勧めを考慮に入れると話す(都市部の消費者は46%)。地方在住者の70%以上は商品購入の決め手を他人の勧めと答えている。
資料:
・ https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/vm.html
・ http://www.vietrade.gov.vn/en/index.jsp?option=com_content&id=759&Itemid=76
・ http://www.cariasean.org/asean/economy-profiles/vietnam-economy-profile/
・ http://www.wsj.com/articles/vietnams-mobile-revolution-catapults-millions-into-the-digital-age-1434085300
・ http://www.nielsen.com/apac/en/insights/reports/2014/demystifying-rural-vietnam.html