グローバルコラム
シリーズ ヨーロッパを知る (4)物言うチームワーク!!イギリスの職場実態を解剖!
公開日:
Cross Marketing Group Inc. Global HQ
Global Sale Manager
益並 香奈
シリーズ『ヨーロッパを知る』第4回目となる今回は、前回の延長で「イギリス人の職場実態」に焦点を当てていきます。
イギリス人の職場実態をアンケート
イギリス人1,000人を対象にアンケートを行い、その内会社員651人に現在の職場に関する21項目を5段階で評価をしてもらいました。今回はそのアンケートの21項目のうち、職場環境と働き手のモチベーションにクローズアップして考察します。チームプレーがキーワード!?
職場での関係性に関する8項目のうち肯定度が高かったのは、同僚がサポートしてくれる(74%)、チームワークが良い(74%)、同僚から敬意を受けている(70%)、職場での不平・不満を上司に話せる環境がある(69%)と続いています。働く仲間とのチームワークに関する項目は満足度が高く、言い換えると、イギリスの職場環境ではそれが重要であることが想像できます。このことはイギリス発祥のスポーツである、サッカーやラグビー、クリケットにも関わりがあるのかもしれません。いずれのスポーツもチームプレーが重要で、そのようなスポーツと小さい頃から触れ合ってきた彼らにとって、仲間同士の助け合いや意見交換は当たり前のことなのかもしれません。職場でのチームワークは大きく2つの方向があります。1つは同僚に対し、一緒に働くメンバーとして何かあったらすぐに助け合える環境であることや、お互いを尊重しあうコミュニケーションが取れることです。もう一方は上司に対してです。問題や不満があった際にすぐに意見が言える上司がいるという環境があるようです。
しっかりとした説明が必要
一方で、何か会社で変化が起こったときに、変化に伴う影響を説明されていない(24%)、変化の理由をしっかりと説明されていない(22%)と、約2割の人が会社で起こった変化に対して十分な説明を受けていない、と感じています。同僚や上司とのコミュニケーションに重きを置く彼らにとって、会社から何故変化が起こったのか、その結果どうなっていくのかを知ることへの欲求は非常に強いようです。自分の職場での責任が明確、と回答した人に比べ、自分の所属部門や会社への自分の貢献度が明確、と回答した人が少ないことからも、会社から個人へのコミュニケーションは十分でないことが分かります。「もの言うチームワーク」型の彼らにとって、環境の変化があったときには経営者に対して意見を言いたいのかもしれません。気づかぬうちにハラスメント
先日、英国を拠点とする弁護士の方とお会いした際に、「日本人の駐在員が日本と同じように女性と接していたら、ハラスメントとして訴えられたケースが意外と多い」と話されていました。今回の調査では、20%の人がいじめやハラスメントを受けていると回答しています。これは受けた側の感覚であるため、どのようなことがいじめ・ハラスメントとなるのかは個別に確認してみないと分かりませんが、行った側は気づかぬ内にやっていたということもあるかと思います。異文化での職場コミュニケーションは、さらに留意することが必要なのかもしれません。M&Aによる海外企業との合併
日本企業による欧州地域の企業のM&A(合併・買収)が大手企業のみならず中小企業でも行われています。ある日突然、日本人以外の同僚が増えるというケースが訪れる機会は珍しくないかもしれません。一気にチームメンバーが増え、そのメンバーをマネジメントする立場になった日本人は、まず互いの仕事に対する考えの違いを把握することが第一歩になりそうです。<会社概要>
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