グローバルコラム

シリーズ アジアを知る (5)台湾~競争力の高い工業製品を擁し、世界のICTをリードするモバイル先進国~

Facebook X
・ 総人口:23,415,126 人(2015年7月推計)
・ 公用語:標準中国語(台湾国語)
・ インターネット普及率:70.0%(2009年)

イントロダクション

 台湾は、約36,000平方kmの島で、その大きさはオランダのおよそ半分である。
 日本の南西、フィリピンの北に位置し、中国本土の沿岸からは南東におよそ180km離れている。台湾の領土は、台湾本島の他に、金門(きんもん)、馬祖(ばそ)、澎湖(ほうこ)やその他の小さな島々からなる。
 台湾経済は、第二次世界大戦後に急速な成長と工業化を経験した。1987年に戒厳令が解除された後、この国は政治的民主化と自由経済化に乗り出した。
 その結果、台湾は生活必需品の製造から工業経済へと急速に変化し、世界の情報通信技術(ICT)の分野において、極めて競争力の高い国の1つとなった。

経済

 台湾は世界経済において重要な位置を占めている。この国の産業の中でも特に重要なものとしては、バイオテクノロジー、コンピューターおよび周辺機器、集積回路、光電子工学、精密機器および電気通信がある。
 情報通信技術の産業は台湾の国内総生産の約3分の1を占めている。この国は世界のICT部門におけるトッププレーヤーであり、同時に様々な産業にとっての主要商品サプライヤーでもある。
 世界貿易機関(WTO)によると、台湾は2014年の輸出国としては20番目に大きく、輸入国としては18番目に大きかった。
 この国の経済的バックボーンは中小企業であるが、より多くの大企業が近年現れてきている。Foxconn(鴻海科技集団)やQuanta Computer(広達電脳)などの台湾企業は、AppleやHewlett-Packard、DELLのような世界的ブランドの製品製造で知られる、相手先ブランド名製造(ODM)企業である。
 台湾の経済にとって外国貿易は重要で、政府は他国との経済的絆を強めようと努め、それが実を結んでいる。
 この国は世界貿易機構に2002年に参加し、パナマやエルサルバドルといった外交同盟国と自由貿易協定を結んでいる。

メディア・コミュニケーションの概要

 台湾は、アジアの中でも高度にネットが普及した市場の1つと考えられている。
 このことはインターネット世界統計によっても示されており、台湾はアジア太平洋地域のインターネット普及率ランキング第4位(80%)であった。クラウドサービス・プロバイダーであるAkamaiによれば、台湾は平均インターネット速度で2014年のアジア太平洋地域第5位でもあった。
 台湾は、この地域で最もモバイルの普及率が高く(45%)、成人のスマートフォン普及率が高い(50%)ことを誇っている。2013年、Googleと市場調査会社のIpsosは、70%の人々が自分のスマートフォンを使ってオンラインで買い物していることを報告している。

ソーシャルメディアが台湾を席巻

 2014年、台湾のネットワーク情報センターが報告するところによれば、スマートフォンで最も人気のある活動は、ソーシャルネットワーキングであった(64%)。
 その年、台湾のソーシャルメディア普及率はこの地域で最も高く(69%)、ブルネイ(67%)や香港(61%)、シンガポール(59%)より高く、アジアの平均的なソーシャルメディア普及率(35%)をはるかに上回っていた。
 台湾はまた、世界的にも最もFacebookの普及率が高く(65%)、Eコマース事業がソーシャルコマース空間に進出するのをリードしている。

オンライン消費者

 台湾のオンライン買い物客は、購買決定をする前に複数のチャンネルでリサーチを行う。2014年のニールセンの調査では、台湾人オンライン買い物客の68%がウェブルーミングを行っており、ショールーミングは25%であった。
 台湾人買い物客はまた、オンラインでの買い物で、利便性、情報と価格を重視する。77%の人々がオンラインショッピングは便利だと考え、69%が購入前にオンラインで商品レビューを読み、52%がオンラインショップは実際の小売店よりも値段が安いと考えていた。
 2014年のNielsenの調査では、台湾人買い物客はオンラインでの買い物の際に幅広い商品カテゴリを好むことが報告されている。
 最も人気がある製品カテゴリは、衣類やアクセサリ(45%)で、旅行とホテル予約(42%)、航空券予約(38%)が僅差でそれに続いている。日用消費財もまた、台湾のオンライン買い物客の間で重要な製品カテゴリである(32%)。


20160614_02


資料:
・ https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/tw.html
・ http://www.taiwan.gov.tw/np.asp?ctNode=3811&mp=1
・ http://www.specommerce.com.s3.amazonaws.com/dl/fs/150409_fs_taiwan_factsheet.pdf

関連コラム

マーケティングコラム
あの世代の呼び方は何?各世代へのマーケティング方法もご紹介
「団塊の世代」や「Z世代」など、生まれた世代によってさまざまな名称が付けられています。マーケティング担当者であれば、それぞれの世代の名称と特徴を把握し、世代ごとにあわせたマーケティングを実施しましょう。 本記事では、それぞれの世代の呼び方について説明し、各世代に合ったマーケティング方法を解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
独身の人が増えすぎている?未婚の割合や増加の理由を解説
結婚して家庭をもつことが当たり前だった時代からは一変し、生涯を独身で過ごす人が増えています。なぜ未婚率が高くなっているのでしょうか。今回は、未婚の割合や未婚の人が増えている理由について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
中学生のスマホ使用時間の理想はどれくらい?スマホが及ぼす影響も紹介
近年、中学生からスマホを持たせる家庭が多いなか、使用時間の長さが問題視されているケースが多く見受けられます。スマホの使用時間が長いと学力に影響するといわれることもあり、子どもを持つ親からすると、「適切な使用時間の範囲で使わせたい」と考える方もいるようです。 今回は、中学生がスマホを使う時間の理想をはじめ、使用時間が長いとどのような影響を及ぼすのかを解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
α世代の次の世代とは?β世代の特徴や取り巻く環境を予測しよう
今注目されているZ世代の次がα世代と呼ばれており、さらにその次がβ世代にあたります。Z世代以降は、デジタルネイティブであることが特徴ですが、マーケティング担当者や商品の開発担当者であれば、β世代とはどのような世代なのか、今と取り巻く環境がどのように変化しているのか気になるのではないでしょうか。今回は、β世代の特徴やβ世代を取り巻く環境について解説します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
推し活の経済効果はどれくらい?市場規模と推し活マーケティングのメリットとは
若年層に適確なアプローチができないなど、従来のマーケティング手法に限界を感じてはいませんか。商品やサービスのターゲットとして、「推し活に力を入れる消費者」に絞る方法もあります。 推し活とは、推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動のことです。今回は、推し活の経済効果や企業が推し活マーケティングに力を入れるメリットについて紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
犬派か猫派か?どちらが人気?性格や相性を徹底解剖!
ペットを飼っている人や、これから飼いたいと考えている人にとって気になるのが「犬と猫はどちらが人気なのか?」という点ではないでしょうか。また、犬派と猫派それぞれの性格や相性などについて気になる人も多いかと思います。本記事では、犬派と猫派どちらが多いのか、また性格や相性はどうかを徹底解剖します。弊社で行ったアンケート結果もふまえて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
マーケティングコラム
団塊の世代はいついなくなる?高齢化で生じる問題と対策を紹介
団塊の世代は、全人口に占める割合の大きさから、社会に多大なる影響を与えてきました。高齢化の話題に接して、団塊の世代の存在感に驚いた方もいるのではないでしょうか。今回は、団塊の世代の高齢化問題と企業の対策について紹介します。
# マーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
話題のBeRealはなぜ人気があるのか?特徴や注意点、ビジネス利用も解説
「BeReal」は、通知から2分以内に投稿しないと友人の投稿を見られない、写真の編集機能がないなどの特性があり、若者の間で人気のSNSです。 今回は、BeRealがなぜ人気なのか、主な特徴と支持される理由を紹介します。ビジネス展開のメリットもあわせて解説しているので、マーケティングをお考えの方は参考にしてください。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
デジタルマーケティングコラム
デジタルデトックスは効果なし?得られる効果と実践方法を解説
デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやPCなどのデジタルツールから離れることで、ストレスを軽減する取り組みのことです。デジタルツールに囲まれて生活する方が多い現代社会のなかでは、ストレスや心身の疲れを緩和する効果が期待できるといわれています。 しかし、「デジタルデトックスには効果がない」といった意見も見受けられます。今回は、デジタルデトックスには効果がないといわれてしまう理由や、より効果的にデジタルツールと距離を置く方法について解説します。
# デジタルマーケティングコラム
業界/業種
支援領域
開催日:-
受付終了
ご相談・お見積もり依頼
【法人・個人様】
フリーダイヤルでのお問い合わせ
0120-198-022
※ モニター様からのお電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
資料ダウンロード